学びを変える

第2章では、現在の子どもの教育を巡る泥沼的状況をどう脱してゆくかを模索しています。第3章では「グローバル」という視点でこれからの教育を捉えていきます。グローバルに通用する科学的に考えられた解決策を、地域ごとに異なる特徴を持つ教育問題にどう適用してゆくか考えていきます。第4章では、学校「内」だけでなく学校「外」の教育について考慮することが、ダイナミックで国際的な労働環境に対応するには不可欠ただということを示していきます。子ども達が「成功」するには、教育システムの中に、読み書き算数に代表される「ハードスキル」だけでなく、その基盤となる「ソフトスキル」も組み入れなければならないと考えます。科学が明らかにしたグローカルな能力が、これからの職場には求められるのだというのです。第5章から第10章までは、最新の発達科学研究に基づいて明らかにされた「6Cs—Collaboration.Communication.Content.Critical thinking.Creative innovation.Confidence」について詳述し、子どもの発達と学びの姿を具体的に説明しながら、これからの教育が進むべき道筋を明らかにしようとしています。最後に、第11章では、6Csという能力を統合的に捉えることで、これからの時代に相応しい成績表のあり方を示しています。

第5章から第10章の章末には、「実際にやってみよう!」というセクションをつけています。この部分には、実際に私たちが家庭や職場、地域で学びを実践する時に参考になる方法や事例が書かれてあります。私自身がどんな学びをしているか見つめ直し、子どもの力を十分に引き出すためにどんな関わりができるか振り返るために役立ててほしいと彼女らは願っていると言います。どんな子どもであっても、この本で明らかにされた方法を活用すれば「成功」できると言うのです。彼女らは、6Csという道具を手に、みんなで学びを変え、教育を変え、社会を変えてゆこうと呼びかけているのです。

アメリカでは、子どもが通う学校では、毎年5月の1週目が、Teacher Appreciation Weekと決められていて、その週の火曜日がTeacher Appreciation Dayという先生に感謝の気持ちを伝える日が決められています。もし、あなたが中心になって何かすることを提案したらどうなるだろうか想像してみようと言います。もしこの本を読むことが、子どもの学びについて考え直す機会となり、PTAで、あなたの考えをみんなの前でプレゼンテーションしたらどうなるでしょうか。もしこの本で学んだことにより、あなたの子どもに相応しい学校を選ぶことができたとしたらどうなるでしょうか。もしこの本であなたが知ったこと、考えたことを伝えるため、あなたが教育委員会や国会議員宛に手紙を書いたとしたらどうなるでしょうか。もし6Csが、全く新しい、とても有益なフレームワークとなり、家庭の日常生活を上手に活用して、知的に学ぶ方法を発見したらどうなるでしょうか。

もしこの本を読んで、あなたの心の中に、沢山の「もしこうだったら……」を思い浮かべてくれたら、これほど幸せなことはないと、この本の著者であるキャシーとロバータは言うのです。

今回の新型コロナウイルスで、新しい生活様式への転換が求められています。私は、同様に、これをきっかけとして、幼児教育を含めて、新しい教育観への転換が必要だと思っています。

学びを変える” への4件のコメント

  1. 第三章には、「グローバル」視点からの教育がありました。「グローバル」という言葉は今では至る所で耳にする単語ですが、自分自身、本当に理解できているのかは未だ疑問です。実際にそのような立場になった人だけが必要な能力ではないかと、思っている人も少ないと思います。しかし、その根本には、中国語や英語などの語学だけではない、現代社会にとってどこでも必要で活用できる能力であると感じています。新しいビジネスや社会の情勢に柔軟に対応する力、主体的に物事を考え実行する積極性、相手のニーズを正しく理解しつつ、自分の意見とうまくすり合わせていくコミュニケーション力など、どこにいても活用できるスキルです。それらを、科学的根拠によって後押しする教育というのであれば、「実際にやってみよう」と動くことは大切ですね。

  2. 今、世界の教育界における、考え方の主流は、same, same, but differentです。考え方はそうなのですが、現実は、different, different but sameです。これは決して間違いだとは思いません。私たちは、個人主義を欧米から輸入し、differentを強調しすぎる昨今です。Only oneだとか special だとか、uniqueとか。そう、あなたは唯一無二の存在、だから、あなたが一番よ、オンリーワンよ。まぁ、私も人の親となっていますから、オンリーワンなんちゃら、をわからないわけではありません。なにせ「箱入り息子」を育ててきましたから(笑)結果は、極めて自立を求める子どもになってしまいました。しかも、親が稼ぐお金を投資しろ、と。もっとも、私は、彼が生まれて以来、稼いだ金は、たとえ湯水のごとく、と揶揄されようが、子どもに投資することにしています。無駄かもしれないが。でも「無駄の効用」ということもありますから。「グローバル」とは以上のsameとdifferentのバランスの上に成り立つのです。グローバル存在となるために子どもに英語を教え込もうとするのは、はっきり言って、愚の骨頂。それよりも、6Csを日本語の世界で体験させることが肝要です。

  3. 凄い著書であることが改めて伺えます。保育に携わっている、また、実際に我が子たちの子育ての真っ最中である、そう思うと臥竜塾ブログを通して、重要なる部分を一読できることはとても有り難いことです。
    昨日水遊びをしている子どもたちを見て、遊び方に個人差があることはもちろんでしたが、出しているタライの数の分遊び方の違うグループが出来上がっていて、それぞれに楽しんでいる姿を見て、誰も無理をせず、それぞれの楽しみの中にいることはとても重要で、それは大人になってもそうだろうと感じました。進む道が自分の望む道であることを、それを選択できる子たちに育つことを望むような気持ちになります。

  4. 小2の息子は今のところサッカーでスペインに行きたいと言っています。でも、英語やスペイン語を習わせようとは思いません。本当のグローバルというのはそういうことではないと学びました。6Csを身につけているか、ということにこれからはなってくるでしょう。若い頃から海外で活躍している人も多い世の中ですが、息子たちの世代ではそれが当たり前の世の中かもしれませんね。その中で活躍できる人間を育てるには…。自分たち大人も多くのことを自ら学ばなければなりませんね。

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