男か女か

アメリカ大平原の先住民シャイアン族の調査で、権威があり高位の「平和首長」と、貧しくてあまり力のない「戦闘首長」の子ども0歳から4歳までを調べたところ、平和首長には息子が多くいることがわかったそうです。現代のアメリカとドイツでも、紳士録に名前が載るエリート層は、一般家庭と比べ、息子を多くもつ傾向があるそうです。46カ国の膨大な数の市民を対象とした国際的な調査でも、「一人しか子どもをもてないとしたら、息子がいいか娘がいいか」という質間に、裕福な人々は息子、貧しい人々は娘と答える確率が高かったそうです。反証データも出されているそうですが、ほとんどの調査結果はトリバース=ウィラード仮説と一致しているとミラー氏は言うのです。

最近では、オリジナルのトリバース=ウィラード仮説を理論的に敷衍した、「一般化トリバース=ウィラード仮説」が提唱されているそうです。新たな仮説の背後にあるアイデアは、もとの仮説のそれと同じだそうですが、新仮説は富と地位以外のファクターも取り入れているそうです。親が子どもに伝えられる資質をもち、その資質が娘よりも息子に役立つなら、息子が多くなるパイアスがかかり、娘に役立つなら、娘が多くなるバイアスがかかるというものだそうです。富と地位は、親から子に伝えられ、娘よりも息子に役立つ資質ですが、他.にもこうした資質はあると言います。

たとえば、脳のタイプだとミラー氏は言います。問題解決の時に役立つシステム化が得意な「男性脳」は、息子に役立ち、他の人たちと関係を築くときに役立つ共感にすぐれた「女性脳」は、娘」にとってプラスになります。脳のタイプは遺伝的に受け継がれるので、一般化トリバース=ウィラード仮説によれば、技術者や数学者、科学者など男性脳を強くもつ親からは息子が多く生まれ、看護師、ソーシャルワーカー、教師など女性脳を強くもつ親からは娘が多く生まれるはずだとミラー氏は言います。実際、それを実証するデータがあるそうです。人口全体で出生性比は0.5122で、女児100人に対し、男児は105人生まれますが、調査によれば技術者らシステム化が得意な親の場合は0.5833となり、女児100人に対して男児140人となります。看護師ら共感する脳をもつ親では、0.4255で、男児100人に対して女児140人となるようです。

同様に、背が高く体が大きい親からは息子が多く生まれます。祖先の環境では、大柄であれば男同士の竸争で著しく有利になりますが、女にとっては大柄であることはとくに強みとならないためです。また、背が低い親からは娘が多く生まれるそうです。この傾向は生まれた子どもの数だけでなく、胎児の段階でも認められると言います。私たちと近縁な霊長類をみても、祖先の環境では、男同士の競争で暴力は日常的に使われる手段だったと推測され、したがって暴力的な性癖は、祖先の男たちにとって適応的で、女たちにとってはそうではなかったと考えられています。実際、アメリカとイギリスでの調査で、暴力的な男性は息子を多くもつことがわかっているそうです。

肉体的な魅力も生まれてくる子どもの性別に影響を与えるということがわかっているそうです。体が大きいことや暴力的な性癖は男の繁殖成功度を高めても、女の成功度を高めませんが、美しいことは男にも女にも有利になるはずです。美しい女はあまり魅力的でない女よりも繁殖に成功する確率が高く、ハンサムな男もそうです。しかし、男と女では、同じ有利でも意味合いが少し違ってくるようです。

男か女か” への5件のコメント

  1. 生まれてくる子が息子か娘か。まことに運命かその類だと思っていました。ところが、どうやらそうではないらしい。「富と地位は、・・・娘よりも息子に役立つ資質」「技術者や数学者、科学者など男性脳を強くもつ親からは息子が多く生まれ、看護師、ソーシャルワーカー、教師など女性脳を強くもつ親からは娘が多く生まれるはず」はぁ、そうなんだ。息子を持つ親は「技術者や数学者、科学者など男性脳を強くもつ親」?ここで疑問に持つのは技術や数学者、科学者などは男性脳を本当に持っている、だから子どもが息子?数年前の研究によると、男性脳とか女性脳とかいう区別は確認できないとありました。まぁ、両者の脳の比率割合で、生まれてくる子は男、女、ということなのでしょう。「背が高く体が大きい親からは息子が多く生まれます」まぁ、比較的多い、ということなのでしょうが、私の父母は小さいですが、4人兄弟の1番目2番目は息子でした。因みに私は1番目(笑)。「暴力的な性癖は男の繁殖成功度を高め」。あぁ、これに当てはまるかも。父親は喧嘩っ早い人で自分の子どもたち以外の人々に対して暴力的でした。その父親に対して母親も決して引き下がってはいなかった。だから1番目2番目は男の子だった?

  2. 「親が子どもに伝えられる資質をもち、その資質が娘よりも息子に役立つなら、息子が多くなるバイアスがかかり、娘に役立つなら、娘が多くなるバイアスがかかる」というように、どのくらいのバイアスがかかれば、実際に性別が決まるのか気になりますが、そういった偏りが高確率で男女を分けているというのは、現代の見識なのですね。また、「脳のタイプは遺伝的に受け継がれる」というのも面白いですね。両親の職業によっては男女が特定できるような傾向もあること、得意とする能力が異なることで男女差に価値をもたらしていることなど、生まれてくる子どもの性別1つでも背景にはこのような遺伝や過去とのつながりがあるのですね。このような話をきくと、今後の男女産み分けはどうなっていくのだろうかと想像します。医学的根拠のない“産み分けゼリー”というものもあるそうですが、医学の発展がバイアスを覆す日もくるのでしょうか。

  3. 男の子がほしい、女の子がほしい、という願いを叶えてくれるかのように、産み分ける方法というものが世間には出回っているようです。詳しくは知りませんが、それはこの度の内容からすると神話のような、迷信のようなものになってしまうのでしょう。立場や状況によって、または持ち合わせている脳によってその淘汰圧はかわり、自然、性別は決まるということです。人間は進化の上にいるということを改めて感じます。

  4. 自分の社会での立場や脳、背丈なども生まれてくる子どもの性別に影響するということなんですね。我が家では実は次男と長女の時にはネットなんかで調べたりして「産み分け」をしていました。自分が知る限りではこのような「産み分け」の方法は載っていなかったように思います。ですが、人類が進化の過程にいるという視点から見つめると、このような方法というか理論になるのでしょうか。

  5. 子どもの性別の産み分けに関する都市伝説のようなものはたくさんあり、所詮何をしようとも変わらないんだろうなと思っていましたが、まさか最も都市伝説ちっくな、そう願うことにより可能性が変動する、というのは思ってもいませんでした。ある有名な科学者が、人が想像しうることならばそれは科学で再現できることだ、という言葉を残したのを思いだし、どんな内容でも研究し、エビデンスとして残すのは大切なことだと再確認しました。

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