新しい育休1

山口氏は、最後に、日木の育児体業制度は今後どのような方向に向かうのが望ましいのかを考えています。

確かに日本の育体制度は諸外国と比べても大きく見劣りするようなものではありません。そこで、彼は母親の仕事復帰を考えると、今の1年間がちょうどいい長さではないかと考えているようです。保育園が見つからないという個別の事情があれば、必要に応じた延長も認められているので、今の制度以上に育休期間を延ばす必要はないのではないかというのです。

さらに彼は、育休中に支払われる給付金についても、現行制度以上に引き上げたり、給付期間を延長したりすることには慎重になるべきだと考えています。

その理由を次のように考えています。まず、母親の就業と子どもの発達を考えるならば、育休よりも保育園の充実にお金を使うべきであると考えているからだと言います。保育園の充実がお母さんの就業と子どもの発達に及ぼす影響については改めてあとで述べていますが、育休の充実よりも効果的だと言えると言います。

もちろん、育休の給付金のお金を保育園に回すというのは、制度上単純な話ではないのですが、社会全体でのお金の使い方としてはより有効だと考えているというのです。

もう一つの理由は、育休の給付金額、育休前に得ていた所得に比例するため、所得の高い人ほど給付金額も大きくなります。こうした制度を大きくしてしまうと、貧富の格差を拡大してしまうことにつながりかねないと危惧します。

貧富の格差拡大を受け入れるかどうか自体は、人々の価値観の間題ではありますが、少なくとも制度変更が社会に何をもたらすかについては、よく理解した上で議論されるだと提案しています。

私は、ここで述べられているような山口慎太郎氏の育児休暇の考え方には、おおむね同意をします。きちんとしたデータ分析と、それの読み取りが現場での実感とおおむね一致します。少しだけ、私の考え方と違うところがあります。しかし、それは決して山口氏の見解に反対ということではなく、補足する意味です。

それは、ドイツを参考に考えたことです。データから各国の取り組みを見ると、ドイツは随分と育休先進国ですが、他にも育休の取り組みで優れたところがあると思っています。それは、ミュンヘンでの話で、ドイツ全国でもそうであるかはわかりませんが、育休の3年間を、分割して取れるというのです。最近、日本では「小学校の壁」と言われるように、保育園にいるときには仕事と育児の両立が可能であっても、子どもが小学校に入学すると違う意味で両立が難しくなることがあるのです。私から見ると、小学校の女性教員は働く女性の先駆的なモデルだと思うのですが、いろいろな部分でどうも働く女性にとって優しくないような気がします。そのために学童クラブの充実が求められているのですが、数だけでなくその内容においても、まだまだ十分ではありません。また、小学校に入学してしばらくの間は、下校が早く、できれば、母親が家で帰りを待ってあげたい人も多いのです。そのような問題を、ドイツの育休制度は補完するのです。