デジタルメディア

私たちを取り巻く環境は目まぐるしいスピードで変化しています。スマートフォンの普及もその一つです。大人が子どもにスマートフォンを与えている光景を街で目にすることも多くなりました。現代の子どもたちは、いつからスマートフォンを使用するのでしょうか。ベネッセ教育総合研究所は、乳幼児の親子のメディア活用調査を実施しました。この調査では、第一子が0歳6ヶ月、6歳までの就学前の子どもをもつお母さん約3000名を対象に、2013年と2017年時点における、家庭でのデジタルメディア所有率と、子どもが一週間あたりにスマートフォンを使用する頻度が調べられました。その結果、2013年から2017年にかけて、家庭でのスマートフォン所有率は60.5%から92.4%へと増加が見られたそうです。今や、ほとんどの子どもたちが家庭でデジタルメディアに触れる機会を持っていることになります。

子どものスマートフォン使用頻度については、1〜3歳のおよそ24%、そのうち未就園児の23.4%、保育所児の24.5%がほとんど毎日、およそ22%、そのうち未就園児の20.9%、保育所児の24.5%が週に1〜2日はスマートフォンを使用するようです。特に、外出先での待ち時間、親が家事などで手をはなせないとき、子どもがさわぐときや使いたがるときなどで使用の割合が増加しており、夕食後の20時以降に使用する頻度が多くなっているそうです。ちなみに、テレピについては、1〜3歳の時点でおよそ75%、そのうち、未就園児の83.9%、保育所児の66.2%がほとんど毎日視聴しているようです。

映像視聴にかんしては、ピデオデフィシットという現象が知られているようです。たとえば、3歳までの子どもでは、他者と対面して行為を観察した場合に比べて、画面越しの場合に模倣の成績が低くなるそうですります。つまり、ビデオデフィシットとは、他人とのリアルなやりとりに比べて、映像からの学習効率が悪いことを指しているのです。ただし、映

像を繰り返し見たり、画面をタッチパネルにすると、模倣学習が起こるようです。

また、アメリカの15〜16歳の高校生2587名を対象とした研究では、デジタルメディアの使用頻度とその後の症状との関連が示されているそうです。この研究によると、1回目の調査で、一日に何度もデジタルメディアに触れると回答した人は、二年後の2回目の調査でADHD症状の発生の確率が有意に上昇することがわかったそうです。アメリカに住む19歳から32歳までの1787名を対象とした研究では、ソーシャル・ネットワーキング・サービスであるSNSの使用時間が長いほど、うつ傾向が強いという関連がみられているそうですます。このように、デジタルメディアの使用頻度の高さは、精神疾患の発症につながる恐れがあるのです。

なぜSNSを利用しすぎると、うつになる可能性があるのでしょうか。たとえば、SNS上にある他人の楽しそうな写真を見たときに、苦痛や劣等感などの妬みの感情を抱くことが

あります。私たちは、つい自分と他人を比較して、他人が自分よりもいい思いをしていると、

気分が沈み憂鬱になるのです。この社会的比較はチンパンジーにはみられず、ヒトに特有の

傾向で、9〜10歳児でみられるようになるようです。