外国籍の子ども

母語に外国語を持つ子どもたちは、どのような問題が起きているのでしょうか。まず、ことばの壁ですが、これは、不就学や不登校の一因になると言われています。彼・彼女たちにとって、母国語と日本語との間のことばの壁が学習や対人関係を妨げ、大きなストレスとなるのです。

同じような問題は、保育所や幼稚園でも起きていると今福氏は言います。5歳の子どもたちは、適応的で日本語の習得も早く、遊びが中心ですので仲良くなることが多いようです。しかし、保育者と保護者とのやりとりでは、ことばの壁が生じます。たとえば、子どもの生活を支えるうえで大切な連絡帳によるコミュニケーションがむずかしい場合は、子どもの家庭での様子がまったくわからない状況になり、保育者のストレスの一因にもなると考えられると言います。

保育者と保護者の間をつなぐために、外国語を話せる相談員をおいている自治体もあるようですが、そのような取り組みをしている園は少数でしょう。もし今後、日本が外国人労働者を増やす方向に動くのであれば、外国籍の子どもを受け入れる体制を整える必要があるのではないかと今福氏は提案しています。

子どもの貧困も深刻な問題です。厚生労働省の調査によると、2015年度の日本の子どもの所得が中央値の50%を下回る家庭で育つ17歳以下の子どもの割合である貧困率は、13.9%でした。これは、約7人に一人の子どもが貧困であることを示しています。2015年度の貧困のボーダーラインは年収122万円でした。

日本の研究は未だに少ないですが、養育者の社会経済状態(SES)に着目した研究が行われているそうです。SESには、所得、教育歴、職業などが含まれます。養育者のSESが低い子どもは、養育や教育環境が悪くなる傾向にあり、精神的健康や発達に問題を抱えやすく、学習や学業にも良くない影響がでるようです。

東京大学への入学者の家計支持者の年収をみてみると、平均は1000万円を超えており、その62.7%は世帯収人が950万円以上であり、東京大学広報室によると、父の職業は、管理的職業43.4%、専門的、技術的職業24.2%、教育的職業7.6%、母の職業は、無職36.0%、事務17.4%、教育的職業13.3%だそうですです。東京大学入学者の多くが、社会経済状態が高い子どもであるといえそうです。

これらのデータから考えると、今福氏は、保育者や教員は、現代の家庭や学校が抱えるさまざまな課題を理解し、対応していく必要があると言います。また彼は、現代社会が抱える課題は複雑化しているため、保育者・教員同士、あるいは学外の専門家との連携が求められると言います。同時に、発達は連続的なものであるため、保幼小の連携も欠かせないとも考えています。

次の課題として、今福氏は、現代社会の特徴の一つである、子育て環境におけるデジタルメディアの普及と子育てに関して考察しています。

外国籍の子ども” への6件のコメント

  1. ドイツ研修時に、ある園では「言語」に着目しているという話を聞いたことが印象に残っています。その園では、朝のお集まり時に歌を歌うのですが、在園児の国籍分、その国の言葉で歌っていました。また、周りを見渡してみても、様々な言語表記がしてあり、移民の子どもたちが安心して過ごせる環境、そして、周囲の子どもたちにとってもそれをサポートすることが当然のように振舞われている感じがしました。近所のスーパーでは、中国語のアナウンスが流れはじめ、ポップも中国語表記が多くなりました。生活に直結するところから変わっていくのですね。今福氏の「外国籍の子どもを受け入れる体制を整える必要がある」というのは、これらのような環境設定のことに加え、「多様性」を意識した社会への変革が必要なのですね。

  2. 自園を見学に来られた方から、まるで大きな家族のような、という言葉を聞いたことがありました。職員同士の雰囲気、子どもとの距離感がそのような印象を与えたのかわかりませんが、日本がもっとそういうような国になっていけばいいと思います。上と下で分かれてしまうような構造でなく、和気藹々と皆で困っている人に手を差し伸べられるような、そんなような雰囲気のある国、諸外国には見受けられるのではないでしょうか。辿り着くところがそれであれば、お父さんは威張って家庭をかえりみずに働くことは現代的でなく、一家の大黒柱として家族を守る、見守る包容力が必要に思えてきます。

  3. 外国籍の子どもたちを受け入れ、四苦八苦している園さんの話を聞くことがあります。子どものことではありません。問題はその保護者です。自分が育った価値原則からいろいろなことを言って来ますね。我が子可愛さはどの親にとっても当り前ですよ。しかし、子どもの立場より自分の経験則や価値観でモノを言ってきます。私たち日本人も同様、モノカルチャーの中で育ってきているわけですから、自分の価値原則に照らして違っていれば、激怒したりします。きわめて厄介です。まぁ、本当はあまり気にせずに、相違を受け入れられればいいのに、と思います。そこは大変ですね。若い人たちには順応性や柔軟性がありますから、多様性の許容は若くない人たちに比べて高いことでしょう。若くない人たちの頑固さには本当に閉口します。自分の思い込み、価値観を前面に押し出してきて、他者の言い分には耳を貸さない、そんな感じがします。因業じじぃにならないよう気を付けたいものです。

  4. たしかに書かれてある通り、外国籍の子ども同士での問題よりも大人同士の間が上手くいかないということはあり得ることだと思います。とりあえず、どちらにも受け入れる体制が整っていることが課題の解決になると思いますが、時間やストレスの面でやはり、苦労しそうですね。ですが、多様性の観点からみて、自分と違った子どもというのはこれからの時代必要な体験だと思います。写真を園長より見せていただいたのですが、バービー人形にもいろんな肌の色や体型をしたバービー人形があるのですね。イメージでスラっとした女性ばかりだと思っていましたが、そんな時代になったんだと感じました。大人の苦労は意外となんとかなるのではないかと楽観的に考えているのは自分だけかもしれませんが、これからの時代に大人である自分たちも必死についていかなければなりませんね。

  5. これからの社会を見通す話ですね。現在うちの園でも両親のどちらかが海外の方がいます、これからの時代は両親とも海外の方という家庭が増えてくるでしょうし、次第に園においても多様性を求められてくるようになるでしょうね。また、こどもの貧困というのは日本でもかなり深刻な状態になってきているという話は聞いています。東京大学に入学している世帯は平均年収950万円以上が半数以上なのですね。データとして見るととても興味深いのですが、やはり余裕のある家庭ほど教育にかけることができるのでしょうね。あまり考えたくないですが、子どもの教育と家庭所得は関係が見られるのは事実なのですね。今の時代における子ども環境は確かに複雑化しているというのはとてもよくわかります。社会の変化に応じて子ども環境も大きく影響を受けていきます。だからこそ、子どもの発達や育ちの根本や原理原則を知ることは大切なことなのではないかと最近特に思います。「持続可能な社会」であったり、「社会的流動性」といったものが叫ばれているなか、そういった時代に生きる子どもたちが豊かに生きていけるように、保育や教育がどういったことができるのよく考えていきたいと思います。

  6. このままいくと貧富の差が広がると同時に知力の差もどんどんと広がっていきそうですね。ただ、深く理解していないだけかもしれませんが今現在園の子供たちの交遊関係と保護者の方々の年収や職業との関連はあまり見られないようにも思えます。それは単に月齢により発達の差が顕著に見られる時期だからなのか、まだそこに差が生まれる時期ではないからのかどちらでしょうか。もし後者であるならばどの時期から子供の能力と親の年収が関わり始めてくるのか気になりました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です