業務の効率化

昨今の教員は、確かに忙しいのは事実です。教材研究、生徒指導、部活動指導、校務処理、保護者対応などに追われ、「子どもとじっくり過ごす時間が取れない」と多くの教員が嘆いているそうです。勤務時間内では仕事が片づかず、夜遅くまで残業したり、仕事を持ち帰ったりする人もいるようです。学校というところは、残業手当が支給されない給与体系だそうで、こうした勤務が常態化していることは、労働基準法に照らしても問題だと彼は考えています。そのため、彼は、学校改善は、教員の労働時間を減らすことと並行して実施していったのです。

業務の効率化を図るうえで、最初に着手したのが打ち合わせだったそうです。朝の会議を短縮して、報告事項は各自がホワイトボードに書いて、最重要事項だけを伝えるようにしました。その結果、10分以上近くかかっていた会議は、毎朝1分程度で済むようになり、どの教員もゆとりをもって教室へ行けるようになったそうです。ホワイトボードの書き方も、生徒に伝えるべき事項は赤、教員同士で共有すべき事項は青という形で、色で書き分ける工夫をしているそうです。また、ホワイトボードに書いたことは、打ち合わせでは言わないことも徹底したそうです。口頭で確認するようになってしまうと、ホワイトボードを見る習慣が失われてしまうと彼は考えたからです。なお、現在は校務管理のグループウェアが導入され、そこで教員間の情報共有が図られているそうです。

次は会議の在り方についてです。学校には、職員全体で行われる会議のほかに、教務部や生徒指導部、進路指導部など分掌ごとの会議もあります。そこで、校務分掌組織の大幅な改組を図ったそうです。これまで職員会議で決めていたことは、基本的には各部に「責任と権限」を与えて、スピーディに対処しているそうです。

具体的には、中心となる運営委員会を校長・副校長と各部の主任4人の計6人とミニマムに構成し、その下に経営支援部、教務部、生活指導部、進路指導部という形にしたのです。そして、各部で企画したものは、運営委員会で了承が得られれば、職員会議を通さずとも進めてよいことにしたそうです。その結果、意思決定のスピードは劇的に速くなり、教員のアイディアなどもすぐに実行できるようになっていると言います。もちろん、各部の決定が、学校の上位目的から外れていないかどうかは、運営委員会においてしっかりとチェックされます。しかし、運営委員会が通った後の細かなことは極力、口を挟まず、各部の創意工夫に委ねるようにしているそうです。

会議以外の業務効率化を行いました。通知表の作成、配布時期の変更をしたのです。通知表の作成において、教員が最も力を注いでいることに、「所見欄」を書くことがあります。多忙な学期末にこの作業が入るのです。そうした負担を軽減するために、「所見欄」の作成回数をまず3回から2回に減らしたのです。といっても、通知表の回数を減らしたわけではないそうです。麹町中学校では、6月下旬、10月上旬、12月下旬、3月上旬の年4回通知表を出しているそうですが、所見欄については、10月上旬と3月上旬の2階のみ書くことにしたそうです。10月上旬や3月上旬であれば、教員は夏休みや冬休みをはさみながら、じっくりと生徒のことを考えて所見欄を書くことができるようになると考えたからです。

業務の効率化” への6件のコメント

  1. 会議と記録。そして古いことを教えられる研修。ついでに言えば、やることの意味をきっちりと考えずに実施される行事。子どもたちが集う就学前から高校もしかすると大学まで、働く教職員さんにとって負担感満載な事ども。ブログで紹介される校長自ら取り組む学校改革。この改革によって子どもたちも先生たちも学校に行くことが楽しくなったり仕事のやりがいを感じたりするのでしょうね。子どもたちのことを中心に据えて業務を見直していくとこういうことになる事例を知ることができます。そして、自分たちの仕事内容と照らして考え方の根本に多くの共通点を見つけ出すことができるのです。「責任と権限」。これが与えられた教職員グループはわが事として業務を捉え、考え方の中心に子どもたちにとってどうだろう、ということを置く。想像するだけに学校全体に活気というか人が人として認められる幸せな雰囲気を想像することができすね。

  2. このような具体的な改革行程に触れることができるのは非常にありがたいですね。多くの教員の方にとっても、自分が感じていたことは間違いじゃなかった、こんなふうに進めていけばいいのかなど、多くの勇気を与えてくれる資料です。中でも、「運営委員会が通った後の細かなことは極力、口を挟まず、各部の創意工夫に委ねるようにしている」といった部分が印象に残りました。乳幼児施設であっても、時代にあった運営というものを考えなくてはいけなく、トップダウンから各担当者に「責任と権限」を与える方向へシフト変換と同時に、業務の効率化を考える過程の重要性を感じました。

  3. チームの中のことであれば会議がなくても様々なタイミングで話し合いや情報共有をすることが出来ていると感じます。思い返せば、自園の外で働いていた時にはそれは叶いませんでした。子どもと遊ぶことが大切でしたし、何となく職員間で話してはいけないような雰囲気があったような気がするのは、気のせいだったでしょうか。見守る保育 Fujimori methodは見守る、という子どもたちとの距離感から、会議を開かなくても大丈夫な程度の情報共有やその日の子どもたちの雰囲気に合わせて臨機応変に変わることも少なくない保育の進行など、そういったことの共有はとてもスムーズに行うことができるように思います。そのお陰で午睡中の時間などの有効活用ができているのだと、この度の内容に触れ改めて実感しました。

  4. 自らの考えややり方を実行し試せるということほど仕事をするうえでやりがいを感じることはないですね。トップに、面倒だから、お金がかかるから、気に入らないから、世間体があるからなどの理由で否定されないというのは楽しくてしょうがないでしょう。そしてそんな仕事をしている人たちはとても輝いている気がします。それこそ勤務時間外もその事を考えてしまうようになるのではないでしょうか。もちろんこのやり方はトップに立つものたちの力量も問われますが、本来の組織のあるべき姿とも言えますね。

  5. 学校の教員の方々が忙しいというのは知っていましたが、具体的に触れることで、自分が担任していただいた、教科担当していただいた先生方も、残業や持ち帰りありきで仕事をしていたと思うと、頭が上がらない思いです。そんな苦労があるのに、しっかり聞かない、他のことしているなんて生徒がいれば叱りたくなるのも当然のことだと感じました。そうした苦労を生徒にいやらしくなく伝える機会などがあればいいのに…と思ってしまいました。ですが、そうではなく「責任と権限」を前回と同じように与えることで、効率化していく流れを読み、参考になりました。先生が仕事を楽しくしているのをみると、生徒も楽しく学校生活がおくれそうですね。

  6. 業務の効率化において「責任と権限」は確かに重要事項でしょうね。園によってはかなり長い時間職員会議をしている園もありました。なぜ長いかというと、そこで一から話をしていくからであって、たたき台もなく話が始まるので人数が多ければ多いほど、話は決まらず巡り巡って会議が長引いていくということが度々ありました。そこで係を決め、中心となる人を決めたり、会議の前にその中心となる人が考えや方向性を園長などとともに決めることでかなり効率的になりました。ただ、そこで重要なのは確かに「上位目標」が共通化されていなければ、結果として、迷走してしまいかねないという面であり、ここでいう「運営委員会」というもののあり方は重要になりますね。また、「運営委員会が通った後の細かなことは極力、口を挟まず、各部の創意工夫に委ねるようにしている」ということをすることで「責任と権限」をしっかりと持てるようにしているのですね。そこには「報告・連絡・相談」といった連携などの組織の透明性も求められてくるように思います。当事者意識を持たせるような取り組みはとても参考になります。

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