出生順位

親が子ども一人一人に対して違った振る舞い方をするその原囚として考えられ、しかも子どもの生まれつきの特徴では説明できないことが一つあるとハリスは言います。それは、出生順位だと言うのです。第一子も第二子もどの遺伝子を受け継ぐかは当たりくじをひくようなもので、その確率は両者とも同じです。しかし彼らは産声をあけた途端、大きく異なる徴環境に身をおくことになります。家庭ではそれそれが違う経験をすることになり、しかも何を経験するかはどちらが先に生まれたかである程度正確に予測することができると言います。第一子は少なくとも一年間は親を独占できますが、ある日突然その地位を追われ、ライバルと競合する羽目になります。一方第二子は生まれたときから競争を勝ち抜くことが要求されます。第一子は不安で経験のない親に育てられますが、第二子は何をすべきかを熟知した、もしくはそう思っている親に育てられます。親は第一子にはより多くの責任と責めを負わせますが、自主性はあまり認めません。

もし子どもの性格が親の接し方に規定され、さらにもし親が第一子に対して弟妹とは別の接し方をするのであれば、どの順位で生まれたかが子どもの性格に痕跡を、しかも成長後にも見られるような痕跡を残すはずです。その痕跡を出生順位による作用と呼んでいるそうです。これは大衆向けの心理学本の人気テーマだそうです。次に書かれた文章は「機能不全家族」の概念を提唱したことで知られるジョン・ブラッドショーが第一子、第二子、そして第三子の性格特性の違いを説明したものです。

「第一子は決断の下し方や価値観が父親とまったく同じか逆かのいずれかである。…彼らは他人志向で、社会意識が強い。…第一子は自尊心を高めることが苦手な場合が多い。…

第二子は自分のいる体系の中で感情を維持することを優先させる傾向がある。…彼らは「裏の策略」を速やかに察知するが、自分がどう思うかをわかりやすく表現することができない。そのために第二子はナイーブで当惑しているように見える。第三子は自分のいる体系の中でも人間関係を優先させる。あまりかかわっていないようで、実際は深くかかわっている。矛盾する思いをいだくことが多く、なかなか決断を下せないところがある。」

私にはきょうだいが3人いますが、まさに彼のいうような特性を持っている気がします。しかし、研究中心の心理学者を悩ませるのは、このような発言はそれを実証するものがなければ口にできないということだとハリスは言います。概して第一子は第二子や第三子よりも自尊心の問題をかかえていることが多いということや、第三子は上のきょうだいよりも矛盾する思いに悩まされることが多いことを彼らは示さなければならないのです。性格テストの結果がその目的をかなえてくれそうですが、そのためには第一子、第二子、そして第三子の答えに系統的な違いが見られなければならないというのです。

50年以上もの間、あらゆる分野の研究中心の心理学者たちは系統的な違い、すなわち出生順位が性格に影響を及ぼしているという紛れもない証拠を求めてきました。行動遺伝学者も社会化研究者たちもそれを待ち望んでいました。それは育ちの影響力を信じている行動遺伝学者にとっては、自分たちの仮説と矛盾する結果が出たことを説明してくれるものとなるからです。社会化研究者にとっては、間違いなく有益になるのです。それによって家庭内の出来事が一生消えることのない重大な影響を及ぼすことが証明できるからです。

出生順位” への2件のコメント

  1. 第一子、第二子、そして第三子の性格特性の違いを見て、なるほどと思うと同時に、それを踏まえて子どもたちと関わることができるという、学びを得ながら実体験を積み重ねていけることの喜びが湧いてくるところです。
    そして、自分が長男であるということから長男の気持ちをわかっているつもりでいましたが、そういうものでもないようで、親として学ぶことを忘れないようにしなくてはと思います。

  2. 出生順位による性格判断みたいなものがあるんですね。一般的には好きな食べ物を先に食べるか後に食べるかなどがあるのだと思いますが、「自尊心を高めることが苦手な場合が多い」という文言は自分にバッチリ当てはまるものだと思いました。〝出生順位が性格に影響を及ぼしているという紛れもない証拠を求めてきました〟とあり、50年という長い歳月が経過していることから、欲しい研究結果は出てきていないものであることが分かります。自分はバッチリと当てはまっていますが、このような傾向が強いくらいに留めておいて、子育てや保育に活かして、学んでいのがいいのかもしれませんね。

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