ドイツ報告18

学童クラブでは、毎年クラブ活動が行われています。それは、子どもたちが好きなことをやるという趣旨からだけでなく、この施設の規模が大きいために、少人数での活動を長期間にわたって行うという意図もあります。その種類としては、陶器、サッカー、演劇、ヨガなどがあるそうです。日本では、東京の学童は非常に多くの子どもたちは、とても狭い部屋の中で宿題をし、遊び、本を読んでいる状況を見ると、こちらの学童の豊かな環境にうらやましくなります。しかも、定員が80名ですが、希望者はもっと多くいるそうですが、定員以上は入れないそうです。広さからみると、どう見ても200名くらいは入所できそうな感じですが。こちらでも、入所には優先順位があるそうで、この学童では、90%の保護者が働いているそうです。

学童クラブは、市内には20か所あるそうですが、現在はその形は大きく2種類あって、この学童クラブのように、放課後ここにきて夕方まで過ごす場所と、学校を午後まで延ばすような形があります。小学校の授業時間が述べることに対して、小学校で教える内容を増やそうとするためなのか、働く女性が増えたため、夕方まで学校にいるような全日制にしようとするのか、どちらが理由かと聞いてみたら、保護者の就労のためだと言っていました。教える内容は、午前中だけでも十分で、今後全日制になっても、午後は課外活動のような、自由遊びのようなことをすると言っていました。

それにしても、ドイツは家庭学習をかなり重視しているので、宿題が多いようです。この学童クラブでも宿題を見る担当保育者が決められています。1年生と2年生のために4人の保育者、3年生と4年生のために別の4人の保育者が担当します。別に宿題担当保育者がいることによって、担当者が頻繁に変わることを防ぎ、子どもたちの学習到達度をより深く把握できると言います。

1日の流れは、他の学童と同じですが、11時15分に学校より児童が到着します。11時30分から13時までは宿題の時間です。終わった子は自由遊びをします。13時から13時45分まで昼食。その後14時15分まで庭遊び、もしくは休憩です。そして、14時15分から17時までの間に、3,4年生のように遅く来てまだ宿題の終わっていない子や、1,2年生でもまだ宿題が終わっていない子は、きちんと最後まで宿題をやります。並行して、自由遊びやプロジェクト保育をします。途中、15時30分から16時までおやつの時間です。そして、17時15分までお迎えの時間です。ただし、金曜日だけは、一切ここでは宿題をやりませんので、自由遊びやプロジェクト保育、お祭り、誕生会などの時間がたっぷりとれるそうです。

自由遊びの過ごし方は、場所はオープン保育です。しかし、その中で定期的な教育的働きかけはします。宿題の見守りは以下のように配慮するそうです。月曜日から木曜日までは、1日の流れの中で重要な位置づけがされます。静かで、落ち着いた学習環境を用意します。そして、すべての課題を終わらせるようにします。しかし、子どもそれぞれの学習能力については考慮します。保育者は、それらをチェックし、自分でやり遂げるように促したり援助をします。ここは塾ではありませんので、必要な子どもたちは、教えることをせず、必要な子どもたちは自宅での学習に任せます。

給食は、温かい、栄養バランスを考えた給食が提供されます。いくつかの異なる飲み物を子どもたちは飲むことができるように用意をしておきます。午後のおやつもこの学童クラブから提供されます。

ドイツ報告18” への4件のコメント

  1. 昼食の時間が遅いことで午前中の活動にゆとりをもつことができる、そのメリットが学童にも活かされているようです。給食を学童で食べるということから、そのシステムが浸透していることを伺わせます。日本の小学校はやることが多過ぎるのかもわかりませんね、ボーリングのヘッドピンのようにここを倒せば全てが倒れるというような、子どもにも教育者にも優しいシステムを投入して、日本の教育の連携の図り直しができたならと想像してしまいます。

  2. 〝定員以上は入れないそうです。広さからみると、どう見ても200名くらいは入所できそうな感じですが〟とありました。学童の施設でも「質」を下げないということが徹底されている印象です。こと子どもに関わるものはその「質」を重要視しているのがドイツなんですね。そう考えると、ドイツのおもちゃなんかも、確かにそれを思わせる「質」があります。そして、個人的にはサッカーにおいても定員まで受け入れての育成をするというのを聞いたことがあります。決してお金では動かないと。そのような姿勢が今回のワールドカップは残念ながら敗退しましたが、今日のドイツサッカーを強くしている要因なのだと思います。

  3. “教える内容は、午前中だけでも十分で、今後全日制になっても、午後は課外活動のような、自由遊びのようなことをする”とあることは、家庭学習が多いことも関係しているのかもしれませんが、日本では、毎日、夕方になるまで、授業をしていることを考えると、学校という一つの役割のもつ大きさ、それが国が記しているのか、保護者のニーズによるものなのか、国民性なのか、理由が分かりませんが、違いを感じます。やはり、地域一体化した子育てスタイルがしっかりと構築されているという裏付けがあることは、そういった子どもの育つ環境が左右されるのでしょうね。

  4. 保護者の就労のために学童がある、というところは日本と同じですね。しかし、その先が違います。生徒一人ひとりがその過ごす時間を無駄にしない、有意義に過ごす、という工夫が感じられます。「宿題」についても、生徒一人ひとりが自分で学習すること、を大切にしていることがよくわかります。そして、その生徒一人ひとりの宿題をサポートする「宿題担当保育者」の存在には驚きました。その保育者の資格はそのサポートに見合うものなのでしょう。日本の学童保育には「指導員」という漠然とした担当者が存在します。その役割は明確になっているのでしょうが、果たして目的通り機能しているのか?「1年生と2年生のために4人の保育者、3年生と4年生のために別の4人の保育者が担当します。」なんともきめ細やかな対応ですね。子どもの居場所はどうあるべきか、学童施設から発想すると、こういうことになるのだ、ということがよくわかります。そこには迷いが感じられませんね。

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