上海報告8

私は以前中国に行ったことが4度ほどあります。香港、上海、広州、南京あたりです。その時は、どの回も基本的には観光ではなく、教育事情視察で、しかし随分と前のことですので、だいぶ今回と印象が違います。まず、町の中で印象的なのは、自転車が多かったという印象ですが、今回は、特に上海ということもあって、自転車に乗っている人はほとんど見ず、自転車レーンではなく、バイクレーンが設置されているほどバイクをよく見かけます。もちろん、車も多いのですが。また、以前行った時にはまだ海外からの視察は、政府によって決められた場所の見学、決めた店舗での買い物、決められた紙幣のみの使用が許可されたものでした。ですから、一般庶民の生活はあまり見ることは自由にできませんでした。

今回も日程的な事情で観光は基本的にはできませんでしたが、それでも地下鉄に乗り、タクシーに乗り、街を歩きました。中山さんと邨橋君はリニアモーターカーにも乗ったそうです。この上海リニアモーターカーは、日本でも今試運転中ですが、上海では、2001年に建設が開始され、2004年に正式営業を開始したそうです。最高速度は431km/hで商業ベースの路線では世界一の速さを誇っているそうです。区間は、私たちが利用した「上海浦東(プードン)国際空港」と市街側にある「龍陽路駅(竜陽路)」までの約30kmで、その間をノンストップで、8分で行くそうです。料金は、片道50元(860円ほど)です。8分にしては高いですね。しかもそんなに短い区間でもいわゆるグリーン車は、100元もします。ちなみに地下鉄は、普通のチケットは、1回のみで3元〜で、1日パス(24時間乗り放題)は18元です。

23日の講演の日には、ホテルまで車で迎えに来てもらい、研修会場である「Freesoul幼稚園に向かいました。この園は、モンテソリ教育を実施している幼稚園で、入学年齢は、IC混合年齢(18ヶ月〜3歳)とCASA年齢クラス(3-6歳)で構成されています。定員はよくわかりませんが、確か5~60人といった気がします。この園についてまずびっくりしたのが、その建物です。園のHPに書かれてある「ヨーロッパの古典建築と自然の組み合わせは、宮殿風の宮殿様式の子どもの家」そのままでした。そのゲートをくぐると、今回の研修会の看板があり、面白いのは、その看板に、参加者がサインをすることです。その形式は中国の研修会ではどこでもやるのかわかりませんが、面白いですね。

そして、講演会場に案内されました。そこには、参加者が100~200名くらいがすでに座っていました。舞台の上には、今回のテーマである「食育」についてのスライドが投影されていました。今回、私は食育について話すことを頼まれたのですが、その内容について迷っていました。なぜなら、たとえば、食育についての取り組み事例や、安全食品の大切さなどを中国で話してみたところ、なんだか聞く人は興味を持たないでしょうし、本当は、私が提案する「見守る保育」について話をしたいと思っていたからです。ということで、直前になって考えたのが、“「与えられる」から「自分から」Mimamoru Approach”というタイトルで話をすることでした。その内容として、「子どもの心と体の健康は、栄養を子どもの体に注入することではなく、自ら食べる、自ら選ぶ、自ら表現をするといった行為によってもたらされることがわかっています。それは、今後求められる子どもたちの力と関係しています。

食は、生きる力の基礎となるのです。」というものにしました。