上海報告5

今回訪れた1園目のFortune Kindergarten内にある日本語部の「上海ふたば幼稚園」の園長先生から、中国における幼児教育の現状のお話を伺ったそうです。栗田代表の中国教育進歩のイメージは、

赤線が日本の教育の進歩ならば、黒線は中国。突然進歩するのが中国という話でした。そして、中国は大きいのが好き。したがって木も切らないので、以前園内の木を切ったら怒られたそうです。また、中国は良くも悪くも政府の力が強く、政府の一声ですぐに新しい政策ができたり、あるいは廃止になったりするので、それについていくのは大変だということでした。例えば、体育は幼稚園では重要視されていなかったのに、今は重要となったりしているそうです。

また、ふたば幼稚園の周りには1部屋1億元(約20億円)を超えるマンションがたくさんあり、もともとこのあたりに土地を持っていた地元の人は、その土地を譲渡する見返りにマンションの部屋を家族ごとにもらい、それを売却した人は裕福になったそうです。そして、不動産は2002年から約10倍の価格になっているそうです。その中で、日本人が4大を出ていてもVISAを取るのが難しくなってきているそうです。現在、上海で認可が取得できている就学児未満の日本人学校は2校のみだそうです。中国はまだまだ学歴社会ですので、園の評価はどれだけ良い小学校に入れるかということのようです。そのためか、中国は幼稚園が主流で保育園はまだ少ないそうです。

アメリカのリビングストーンというインターナショナルプリスクールも日本語部をやっていて、現在園児は200名を越えているそうです。中国のインターナショナル幼稚園のスタッフは分業方式をとっていて、外国人先生、中国人先生、世話係先生(主に、排泄、給仕、午睡等を担当)と分かれて子どもの相手をしているそうです。外国人先生と中国人先生はあくまで教育に特化するような構造であり、一方、世話係先生は保育に特化しています。このあたりの事情は、アメリカにおけるティーチャーとケアギヴァーに分かれているのと同じようですね。栗田代表の話では、保育園の文化がそこまで浸透していないせいか、保育を担当する世話係先生の地位は決して高くなく、家庭のお手伝いさん的な位置づけだそうです。

中国では、今必死になって世界から保育専門家を呼んで、いろいろと保育を勉強しているようです。その中で、とくにイギリスに興味を持っているようで、イギリスの研究者が多く講演をしています。日本からは、立川になるふじ幼稚園の加藤園長先生が多く講演をしているそうです。今回、「2018上海国際幼児教育会議」の中で、21日に中山さんが「見守る保育」について話をすることになったのです。内容としては、「見守る10か条」について話をしたそうで、会場から随分と反響があったそうです。

上海報告5” への8件のコメント

  1. 中国の幼稚園の教育環境については、数年前、OMEP(世界幼児教育機構)日本委員会の先生から聞いていました。その先生は保育環境のすばらしさを強調されていましたが、現地の幼稚園を拝見すると、その強調が誇張ではなかったことがわかりました。しかし、国家主導の国中国。行政=国家が、例えば「右向け右」と号令を発するならば、園の存続をかけて服従しなければならないようです。それでも、おもちゃもさほどないがらんどうのお部屋で先生の力量頼みのどっかの国の園とは比べることもできないくらい、国家主導の元、幼児教育環境を可能な限り促進させようとする園の姿勢には脱帽、と思えるものがあります。その国の団体が藤森先生の「見守る保育」という名称で展開されているECEC理論及び実践の形態に関心を抱き始めている。ソウルやシンガポールだけではなく、上海や北京も関心を向け始めている。私は、おかげさまで、その空気感に直接触れることができました。凄いことです。

  2. 「中国教育進歩のイメージ」とてもわかりやすい表ですね。日本が右肩上がりな表現を見て少しホッとするというか、そうか毎日の中でヒトが必ず成長しているように保育も教育も進歩し続けているのか、という気付きを頂いたように思いました。
    それにしても国の政策、トップの考え方がそれに従事する人々を左右するということを目の当たりにするような思いです。従事する人々の気持ちが反映された政策が望ましいことは言うまでもないことですね。

  3. 上海ではというか中国ではもともと国が全てを管轄していたりするような共産主義国家であるとおもいますので、まだまだそのことが抜けていない体制が存在しているようですね。〝政府の一声ですぐに新しい政策ができたり、あるいは廃止になったりするので、それについていくのは大変だ〟とあり、保育に関わる政策を作ったり、廃止したりするのは誰のためなのかということ、目的や目標をもってしなければならないことを感じました。

  4. 学歴を重視することによって、幼稚園の割合が多いのには、保育園というものが教育的要素が少ないという刷り込みがあるからなのでしょうね。しかし、政府が力をもっていることを考えると、文章にあるように、”中国は良くも悪くも政府の力が強く、政府の一声ですぐに新しい政策ができたり、あるいは廃止になったりするので、それについていくのは大変だ”とあり、それには、一変して徹底されやすいという風にもとることができ、数年先には、保育と教育が共有されるものであり、その考えをもつことが共通化されそうですね。

  5. 赤線と黒線で示された日本と中国の教育進歩グラフはとてもわかりやすいですし、自分の中でもこのようなイメージがありました。さらに「中国は良くも悪くも政府の力が強い」というのも一人っ子政策からも感じます。また「保育を担当する世話係先生の地位は決して高くなく、家庭のお手伝いさん的な位置づけ」であり、「中国は幼稚園が主流で保育園はまだ少ない」とのこと。しかし、今回の中山先生のご講演と何より藤森先生のご講演で、中国の爆発的な進歩力・政策力に火が付き、中国を皮切りに藤森メソッドがより世界的に広まっていくことを願っています。

  6. とても分かりやすいグラフですね。急激に進歩するというところが中国らしいというか、勢いを感じます。確かに政府の力が強いのは良い事もあり悪い事もありますが、政府が幼児教育の事を本気で学ぼうとし、取り組み始めるとあっという間に日本を追い抜いてしまうほどの力と勢いがあるかもしれません。実際に中山先生が講演された研修会のように世界から有名な保育専門家を呼んで勉強されています。その中で中国としては、どれに注目し、実践して行くのか気になるところです。その中で「見守る保育」が随分と反響があったというのは嬉しいですね。

  7. 中国の進歩の現状であるグラフというのがなんだかよくわかる気がしますね。国での教育に対する姿勢の違いや情勢というのもそういったところからわかるのですね。「中国は良くも悪くも政府の力が強く、政府の一声ですぐに新しい政策ができたり、あるいは廃止になったりするので、それについていくのは大変だということでした。」というところから現れているように思います。また「中国では、今必死になって世界から保育専門家を呼んで」とありそこから勢いがすごそうですね。その中に見守る保育がピックアップされていることに中国の未来が日本と同じ方向向くことでなにか変わりそうですね。

  8. 政府の一声でガラリと変わってしまうというのは大変ですね。それがいい政策といいますか、国や教育をいい方向にしていこうというのならまだいいのかもしれませんが、そうではない思惑があったりすると現場はかなり混乱してしまいますね。そして、中国はまだまだ学歴社会であるのですね。社会の価値観がそうであるならば、教育に求められるものが学歴をつけるためのものになってしまいかねないのかもしれません。逆に、政府が乳幼児教育の重要性に気がつき、逆に国家を維持するためには本当の意味での教育を行っていかなければいけないと方向転換するようなことがあれば、ものすごいエネルギーになるのではと感じました。

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