ドイツ報告12

二日目の午後に訪れた園は、午前中が0~3歳児まで49名の比較的小さな園に対して、3~歳児まで100名の幼稚園です。100名中、48%が移民家庭です。しかも、その国は実に様です。ホールに2017年、2018年の園児の国籍別が円グラフで貼りだされていました。このように子どもたちの家庭環境は国際色豊かなので、保護者を対象に「国際カフェ」を設けて、互いのコミュニケーションを促しているそうです。そして、保護者同士のコンタクトを容易にすると同時に、子どもたちへの「読み聞かせ」で様々な外国語に触れさせています。その中には日本人の4歳の子どももいて、私たちにあいさつに来てくれました。好きなことが自由にできて、とても楽しいと言っていました。

この園は、2000年に新築されましたが、オープン保育を始めたのは2005年からだそうです。ですから、建物は、オープン保育用には作られておらず、各クラス担任制として部屋が分かれていたのを、オープン保育に代えていったということです。しかし、この園ではオープン保育と言わずに、コンセプトとして「オープンハウス」という取り組みをしています。スタッフは、12名で、他に給食1名、清掃1名です。クラス数としては、一クラスです。オープン保育といっても、ふつうは、何クラスに分かれており、朝のお集まりや昼食の時には、自分の属するクラスで活動し、自由遊びの時はオープンですが、この園は全く全体一クラスという考え方です。

したがって、7時30分から、登園が始まりますが、登園したら、決められた受付の場所で登園を記録します。そして、上着を脱いだりしたくしたら、全員がホールに集まります。そして、参画ということで、当番が司会進行をします。まず、円に表された絵の針を、今日は、何月何日何曜日と動かしていきます。この司会進行は、3歳児でも可能だそうです。もちろん、朝のお集りの司会進行だけでなく、他にも、たとえば遠足や様々な催しを決めるときに代表が選ばれるときにも、3歳でも可能だそうです。また、それらに対する希望や要望、または苦情でも、代表者だけでなく、だれでも、いつでも受け付けるそうです。

9時になると、朝食や午前中のおやつを食べます。朝食は、ハウスフォアキンダーという施設では園で作るのですが、この園のような幼稚園では希望者だけが家庭から持ってくるそうです。9時から10時30分までは、自由遊びです。その時にどこに行っても何をしてもいいのですが、子どもがそれを選択をするために、どの部屋では、どの先生が何をしているのかを色分けして、朝のお集まりの時にボードに示しておきます。そして、各ゾーンの定員は、10~15名ですので、子どもたちはので、何をしたいかを部屋の前にあるボードに自分の写真を貼っていきます。

10時半になると、今度は、10名から15名の小グループを二人の先生が担当して活動します。そこでは、歌、手遊び、読み聞かせ、また、今の時期は夏祭りのためのダンスや工作をします。それが11時くらいまでの活動で、その後12時くらいまで全員が屋外に出ます。それは、日光に当たったり、外気に触れたりするためです。

子どもたちは、他に希望者ですが、15人程度の園児が二人の保育者と園外にも市からのバスに乗って、出かけていきます。特に夏季は、その活動が多いそうです。また、年度末は、全園児でバスに乗って自然動物園などに出かけるそうです。

ドイツ報告12” への9件のコメント

  1. 先日帰りの会の進行をしていると5歳児クラスの子たち数人から前へ出てダンスを披露したいとの意見がありました。場所を譲ると、先ずは静かにしてもらいたいようで、一人一人に声をかけにいっていました。しばらくしてそれに協力する子も現れ、さぁいざダンスをと踊り始めると意外と自分たちがダンスを覚えていなかったことを感じたようでまた周囲のざわつきが気になり、という連鎖で結局時間がきてしまったのですが、その時こういったことを繰り返し積み上げていけば集まりも子どもたちでできるのではないかと思ったところで、今回の内容はとても興味深く読みました。ただ、「司会進行は、3歳児でも可能だそうです。」これは凄いですね、どのような伝承が成されているのでしょうか。

  2. 9時から10時半まで自由遊びがあり、一度お集まりのようなことをした後に外に出て遊ぶというスタイルであることがドイツは多いのですかね。社会全体の子どもへの理解が進んでいるために、日本と比べてお迎えが早いこともあるかと思うのですが、午前中に活動が二つあるのは子どもたちにとって、楽しめることが二つあることで、より楽しめるものではないかと思いました。
    また、日付や天気が書かれた円の表は子どもたちが動かすということで、針が進むこと、月日が進むこと、その日によって天気が変わることなどを参画によって子どもたちが理解できるようなものになっていて、楽しみながら主体的にそれらを理解できる環境であり、緻密に考えられているものであるように感じました。

  3. 100名1クラス。ダンバー数ひとグループ150名を思い出しました。3~5歳児幼稚園の「オープンハウス」実践。子どもがおのおのの興味関心に応じて自分が遊びたい場所を選べる。子どもにとって最高のことだと思います。いや、大人だって、自分が好きなところで好きなように仕事ができれば、こんなうれしいことはないはずです。まぁ、大人は置いといて。「好きなことが自由にできて、とても楽しい」と藤森先生に語り掛けてきた4歳の日本人の言葉は、その園の雰囲気を全て語っているようです。本当に楽しいのだろうなと私は思いました。「48%が移民家庭」という園環境から推しても「とても楽しい」とドイツ人以外の子が感想を述べることは利用するドイツ人以外の子たちはおそらくほぼ同じ心境なのだろう、と思えてきます。定員が決められているゾーン利用は、すぐに自分の思い通りならない世の中の練習、という意味でとても大切ですね。楽しみがあるから今使えなくても待てる、そうしたマインドセットを子どもたちにもたらします。

  4. オープンハウスといった取り組みか行われているのですね。一貫されたオープン制に改めて、教育、保育へ対する重要度を感じるところです。また、お集まりの取り組みかたはとても参考になります。参画という形で、子どもたちが進めていくことによって、そのなかでの、”それらに対する希望や要望、または苦情でも、代表者だけでなく、だれでも、いつでも受け付けるそうです”とあることは、子ども同士で話会う機会、お互いが意見を言い合える機会となり、気持ちの共有ができることを感じます。自分の気持ちが言える機会、そして、相手の意見や欲求を聞かなければならないことは、とてもいい経験になりそうですね。

  5. ドイツの移民が多く、国際色豊かな実情を「強み」としてプランニングし、活かしている姿勢がとても参考になります。私がドイツに行かせていただいた回では、多国籍な実情を活かして保護者の方々に代わる代わるで母国の料理を作ってもらう取り組みをしていました。そうすることで、子どもたちは普通ではなかなかできない経験をすることができますね。また、今回は「国際カフェ」とあり、母国ではない地で慣れない生活をしている保護者がそのカフェで繋がり、共感し合って支え合えるような関係になれるようなそんな期待が持てる場所のように感じました。

  6. 「国際カフェ」は素敵な実践ですね。報告に上がっている園のように、家庭環境が国際的だと、園生活や保護者同士の関係も最初は不安でしょうね。しかし保護者同士が気軽にコミュニケーションを取れる空間は保護者としても安心ですね。ちょうど私の園にある一時保育にも似たような空間を作ろうと企画していたところです。日本の場合は国際的というよりも、家族同士のつながり、地域でのつながりが希薄なので、少しでも子育て家庭が安心して暮らせる地域を目指すのが目的です。ちょっとコメントの内容がずれてしまいましたが、オープン保育をする事で、保育だけでなく、園を中心とした周辺もオープンになっているように感じました。

  7. 今回も、多国籍カフェなど参考になるものが多くありました。その中でも印象的だったのが、参画として、当番の子がお集まりの司会進行をしたり、遠足などの行事で行き先を子どもたちが決めたり、本当に子ども主体だと感じます。そこまで、子どもたちに任せられる保育者がいることと、保育環境があることは素晴らしいことですね。新宿せいが子ども園でも、そういった姿は見られますが、保育者に余裕がないとできないことです。日々子どもたちとの関わり通して、余裕のある保育をするためにも、まだまだ足りないものが多いことを実感してます。

  8. 「司会進行は、3歳児でも可能だそうです。」というのはなかなか衝撃ですね。習慣がしっかりとしていると3歳児でもそういった役割をこなせるということは実践をすることで成果といいますか、責任感というのも芽生えるのではないかとドイツの報告を読むことで思います。また「12時くらいまで全員が屋外に出ます」というのも無理なく遊んでいるからこそのバランスであるように感じます。

  9. ホールにあった日付と曜日をお知らせする円形のボード、とてもセンスがいいというか、おもしろい発想で作られていましたね。このような発想がない私にとってはどこからこういったものが生み出されるのだろうかと不思議になってしまいます。全員がホールに集まる時間を大切にされているようでした。その司会進行も子どもたちで行っており、そして、それが参画ということになるのですね。やらされてやるのではなく、いかに自ら参画できるようなやり方で進めていくのかということを保育者は日々、考えておられるのかもしれませんね。どこで遊んでいいか自分で決めることができるということ、そして、そのために、しっかりボートがあり、今自分が何をして遊びたいのかということをはっきり意思表示させるような工夫があり、いいなと感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です