費用便益分析

費用便益分析には難しい点もありますが、遊びを研究する方法として有望であると言われていますが、その主な理由は、自然な生態環境で子どもを研究することが可能だからです。コストの研究は一見、遊びを理解するための基礎的事項と思えますが、その研究は驚くほど少ないため、この方法に従って、遊びに伴うと考えられる利益の大きさをあげることはできないそうです。遊びに費やされる時間についての基本的な情報は先に述べたように非常に少なく、概ね学校状況に限られています。さらに、子ども期の事故が、遊びや遊び以外の文脈でどの程度生じているのかについてもわかっていないそうです。たとえば、溺死が遊んでいるとき起きるのか、入浴中に起きるのか?このような情報は、子どもに十分なサービスを提供するために間違いなく重要です。

このモデルに準じて考えられる遊びの機能についての手がかりは、動物の遊び研究から仮定することもできるそうです。全般的に、遊びは動物の生活時間とエネルギー量のうち限られた割合しか占めておらず、10 %程度だそうです。この比較的低い水準にもとづいて費用便益分析を行うと、動物が体を使った遊びをする利益はおそらくわすかで即時的なものであることが示唆されているそうです。乳児から成熟するまでの時期に直面するリスクを考えれば、その利益は遅延的なものではなく、即時的なものであるはずです。特に現代の狩猟採集民では、生殖年齢以前の死亡率が38~42 %と高率だそうです。このようなリスクを考えると、成熟期ではなく未成熟期に利益を得られた場合にそれを手にできる可能性が最大となります。しかし、このことは、ヒトの身体的な遊びのある側面に遅延的利益、たとえば、男児が成人の戦いの準備としてR & Tを行うということですが、それは、ある可能性を排除するものではないのです。そして、ファンタジー遊びはおそらく人類に特有ですが、子どもが大人になりきって役割を実践するのに特に有益であろうとビョークランドは考えているようです。

デザイン特性の議論は、遊び行動の諸側面と、機能的行動の類似した特性との間に見られる類似性を説明することに関わっていると言います。ビョークランドは、社会的遊び(互恵的な役割取得)の特性のひとつを例に取り上げています。時期1の遊びにおける役割取得は、協力ゲームを行う能力など後の時期2における別のより成熟した役割を取得する能力である概念的、経験的に関連している可能性があります。機能が確立するためには、時期1と時期2の特性や、遊び行動と機能的行動において論理的、実証的なつながりがあることが必要であると言います。

しかし、デザイン特性アプローチを使って機能を研究する上で、いくつか問題があります。まず、どんな遊び行動も、1つ以上の機能を果たしているでしょう。さらに、遊びと後の機能的行動には、行動的な類似性がないかもしれないと言うのです。それは、発達の不連続性です。同様に、ある成熟した行動が多くの異なる先行事項から発達したものでありうると言います。デザイン特性の議論は、R & Tやファンタジー遊びをめぐってたびたび行われてきました。R & Tについては、社会的、身体的に活発な遊びの側面がそれぞれ理論的に後の攻撃的/闘争的な状態や、心臓血管の健康と結びつけられてきたようです。