狩猟採集民

ヒト以外の動物からヒトのファンタジーまでに連続性があるとする仮定は、ヒトの狩猟採集民のファンタジー遊びに関する数多くの系統的な説明によって支持されているそうです。進化心理学者や行動生物学者は、進化適応の環境における生活様式を示している点で、狩猟採集民の研究は興味深いとビョークランドは考えていると言います。アフリカの狩猟採集民の2つの集団が系統的に研究されています。カラハリ砂漠の狩猟採集集団のクン族と、北タンザニアに住む狩猟採集民のハッツァ族です。どちらの集団でも子どもはファンタジー遊びをするそうです。たとえば、ハッツァ族の子どもは、ぼろきれで作った人形を使って遊んだり、捕食者のまねをして遊んだりするそうです。しかし、それぞれの集団のファンタジー遊びには違いがあります。特に、子どもが遊びに費やす時間は「遊び」対「食料探し」に関連するコストと利益や、それぞれが生存と繁殖に与える影響に応じて通常変化するようです。ハッツァ族の場合のように、子どもが効果的かつ安全に狩猟採集に携わることができる場合、遊びにかける時間は少なく、生産にかける時間が多いそうです。

クン族の場合、狩猟採集は比較的危険であり、それは例えば、子どもが迷ってしまう危険性が高いというような危険があるため、食料は大人が探してくることが多いため、子ども時代、それはつまり、狩猟採集を免除される時間がより長く、キャンプで他の子どもと遊ぶ時間が長くなります。

ファンタジーは、もちろん産業世界の子どもにもよく見られるようです。産業国における子どものファンタジー遊びに関する調査研究の圧倒的多数は、就学前施設の保育室内で行われています。したがって、時間とエネルギー量の評価は限られています。ファンタジーは1歳代に始まり、就学前期の後半にピークを迎え、学童期に減少する。就学前の子どもの時間全体の15 %以上、就学前児の遊び行動の10~17 % 、幼稚園児の遊び行動の33 %をファンタジー遊びが占めており、その後減少していくそうです。

就学後の子どもは遊びを奨励されないことが大きく寄与して、ファンタジーの年齢傾向が生じている可能性があるのではないかとビョークランドは推測しています。逸話的ではありますが、子どもは小学生の間も継続してファンタジー遊びをよくしていると、多くの親が報告しているそうです。ビョークランドとともに、進化発達心理学の本を著しているA.ペレグリーニには、12歳の息子がおり、2、3人の友達と一緒に何時間もレゴを使ったふり遊びをしたそうです。ファンタジー遊びに費やす時間量を記録する家庭内の観察研究や日記研究がもっと必要なことは明らかだと言います。

幼児を対象にしたその実例のひとつが、ヘイトとミラーによるものです。幼児の家庭における徹底的な観察研究により、初期のふり遊びの相互作用において母親が重要な支持的役割を果たしていることが示されたそうです。この家庭内観察にもとづき、ふり遊びの割合は1時間当たり、12~14ヶ月児で0.06分から、24ヶ月児では3.3分、48ヶ月児では12.4分にまで増加したそうです。このように、就学前施設と家庭での観察データは合致しており、ふり遊びは子どもの時間の12 % ~15 %を占めているそうです。

狩猟採集民” への3件のコメント

  1. 「初期のふり遊びの相互作用において母親が重要な支持的役割を果たしている」生活が遊びと密接であることを改めて思います。2歳児クラスのおままごとで、携帯電話を肩と耳で挟んで包丁を使う姿を見た時のことを思い出すのですが、その子にとってそれは誰かが料理をする自然な姿であり、むしろ電子レンジ調理品や外食の多い食事風景の中には見られない姿であるのかもしれません。園にはクッキングをしたり、調理師が実際に腕を振るう姿を目にする機会があります。園の担う役割について考えさせられるように思いました。

  2. ハッツァ族とクン族の例からわかるように、子どもたちの遊びの長さ及び内容は子どもたちを取り巻く環境、すなわち生活の質によって大きく左右されることがわかりました。「ファンタジー遊び」とは前から思っていたのですが素敵なネーミングです。そして、今回のブログからわかったことは、そのファンタジー遊びの時間や内容が年齢増加と共に上がっていかない、どころかやがて退化していく傾向にある、ということです。そしてこの遊びのピークはどうやら就学前時期にあるらしい、ということです。意識的か無意識的かわかりませんが、いわゆる子どもたちの想像遊びはかつてその時期を経て今に至った大人たちを驚嘆せしめることがあります。サンタクロースやウルトラマンの存在を肯定する子どもたちはいまだファンタジー世界の住人と言うことが言えるでしょう。小学校も中学年以降、その世界から脱し多くの子どもたちは現実の世界で生きていくことを選択するようになるのでしょう。さもない場合は、とんでもないことを引き起こしてしまう、そんな事態に繋がるのかもしれません。

  3. アフリカのハッツァ族とクン族の子どもの遊ぶ時間と食料探しに費やす時間は、そのコストと利益の関係によって異なるということで、やはり子どもを取り巻く環境がダイレクトに影響を与えていることになりますね。
    ということから、当たり前ですがファンタジー遊びは余裕のある環境とでもいいますか、ゆとりがあるとしやすくなるということになりますね。
    就学前期が最も多くファンタジー遊びで遊んでいることから、その頃の子どもの環境のヒントになります。

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