関係とは

関係とは、長期にわたって二者間で生じる相互作用です。さまざまな関係は、さまざまな相互作用の歴史を反映しており、これまで相互作用をしてきた両者は、将来の相互作用を予期しています。代表的な関係には、母親とその子どもの間の愛着や、きようだい関係、友達関係、恋愛関係などがあるのです。関係が個人の相互に働きかけ合うやり方に影響を及ばすということは、進化論にも関わっているということになります。それによると、血縁者は非血縁者同士より協力し合うはずであり、その延長で考えると、特定の関係-友達関係-は、友達ではない者との関係より、協力的であるはずです。血縁淘汰の理論や、互恵的利他的行動の理論にもとづくこういった予測から、安定した仲間集団における行動は集団の大半が血縁者から構成されていた進化適応の環境を反映していること、そして、親しさが血縁認識や後に生じる行動の基盤となっていることが示唆されます。

相互作用の場合と同様に、関係の内容や質も時間とともに記述され、加えて、関係においては相互作用の様式が重要であると言います。様式はさまざまな相互作用の頻度や連続によって表され、さまざまな愛着関係に典型的な相互作用という観点からまとめることができます。たとえば、安定した愛着関係は特定の時間内に母親が子どもに応答することや、分離後に再会したときの行動パターンに表れます。この分析で注目は、まず、安定した愛着関係は、母親と子どもにどのように、どのくらい応答するかで分かるというのです。これは、質の高い乳幼児教育の研究で、「温かく、応答的」であることが挙げられていることと結びつきます。良好な相互関係というのは、大人からの指示であったり、指導では得られないのです。また、その関係は、一緒にいるときというよりも、離れていて、その後再会したときの行動に表れるということです。これを逆にとらえると、愛着は離れることが意味を持つということです。離れるからこそ、愛着は必要になるのです。すなわち、自立するために必要な関係なのです。

同様に、友達関係といった仲間関係には、葛藤と解決が高い割合で見られると言います。この関係の質の評価の観点も面白いですね。「葛藤と解決」です。関係は、定義上、時間的な次元をもつので動的であるのです。それは、関係は共有する過去が積み重なり、異なる目標をもつのに伴って時間とともに変化し、おそらく、認知的、言語的能力の発達に応じても変化していくからです。

構造は社会的行動を集団レベルで記述したものであると言います。ここでも、相互作用の内容や質、様式を記述しますが、個人や関係を一般化するレベルで行うそうです。この水準の一般論を体系化するには、ある程度の水準の理論が必要だと言われています。たとえば、以前紹介したダンバー数でも知られるダンバーは、ヒトの集団の大きさが制限されてきたのは、それぞれのメンバーに関する情報、たとえば、誰が信用できて、誰が信用できないかを覚えるのに許容量があることや、集団で対面して話したり聞いたりする能力に制限があるためであると主張していることを紹介しました。たとえば、対面集団の大きさは4人に制限されると言っています。