シンガポール報告9

セミナーの前には、こんなメッセージが流れます。「Be Here in the Present – 3 full hours of learning and reflection」「Listen deeply to learn and understand」「Test assumptions」「Share & make your thinking visible」「Turn off/silent all mobile devices」「Enjoy the Learning」です。このセミナーは、学習と振り返りのための3時間だと言います。学習はよくありますが、振り返りは意外と少ないような気がします。もちろん他人の話を聞くことによって、自分を振り返ることは多くあります。しかし、その気持ちで講義を聞くことも大切です。次の項目についても、私はあまり英語は得意ではないので、直感ですが、よく言いそうなことは「Listen carefully and seriously」のような気がします。しかし、「deeply」という言葉を使っています。それは、表面的な意味だけでなく、その言わんとしている意図も理解するように聞くことが大切であることを言っているのでしょう。そして、その考えを人にわかるように説明する必要があります。考えを実行に移すには、考えを可視化する必要があるのです。そうしなければ、お互いに理解しあうことは困難になるのです。そして、セミナーへの参加は、何よりも喜びであり、学ぶ喜びがあるのです。また、学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります。

また、そのセミナーの重要性を認識してもらうための工夫があります。それは、内容に共感することが必要ですが、そのためにまず、話し手に対するその内容の信用が必要です。今回は、私に対する信用です。主催者や代表は私のことを園に訪ねてきたときにいろいろと話をしたのでよく知っています。しかし、参加者は今回初めて私を知ることになります。そのために、代表が、私のことを重視することが効果的になります。そこで、話し終わって代表は、「この人に、本にサインをしてもらえるのは、とても貴重ですよ」「この人と会えるのはめったにないくらい有名な人ですよ」とみんなに言うのです。そこで、参加者は、私の本を自慢げに持ち、その本に私がサインをするのを頼みにきます。それは、アイドル並みでしたが、私は見守る保育を勧めるための作戦の一つだろうと思っています。やはり、マネジメントに学ぶことが多いですね。

二日目の講演対象者は、1日目と違って、また「見守る保育」」に取り組んでいない園に対して話をしてほしいということでしたが、打ち合わせをしていて若干違っていました。この法人は、全体で「見守る保育」を実践しようということは合意されているそうです。しかし、その理念を理解していて、具体的に取り組んでいるパイロット園は21園あり、その園の園長・副園長・英語担当、中国語担当が講演対象者でした。代表が言うには、ほぼ50%程度の理解だとすれば、二日目の講演対象者はほぼ10%理解している人たちだというのです。私からすれば、パイロット園を見学したときに、よく理念を理解し、本質を理解することからすぐに実践に移した園が、50%の理解とすれば、10%の理解している園だとしても、かなり理解しているだろうと推測できます。今回、二日目に話そうと思っている内容は、まだ取り組んでいない園に、取り組むように説得するのだと思っていましたので、いかにこの保育が次世代のために、また、最近の知見によって必要な保育であるかを強調する内容にしていました。そこで、その日の夜は、その修正で大変でした。

シンガポール報告9” への11件のコメント

  1. 写真を見た時は興奮しました。先生に当たるべき陽が当たっている実感を得ました。「やはり、マネジメントに学ぶことが多いですね。」先生はそう仰います。マネジメントもまたどこから手をつけていいものか、何とも難しい種類の話のように思っていましたが、その場に集まる方々、対象としたい方々がどうしたらこっちを向いてくれるか、掘り下げれば方法論の確立が幾分にも成されているのでしょうが、アプローチする側の思いやりの深さの伴うものという印象を強く持ちました。どちらにしても藤森メソッドへの信頼や期待、実践してみての充実がなくてはこのような展開に至ることはあり得ず、主催者側の思いが十分に伝わるエピソードと感じます。

  2. パワポを使って講演、となると、用意したもので、と考えてしまうところですが、「今回、二日目に話そうと思っている内容は、まだ取り組んでいない園に、取り組むように説得するのだと思っていました・・・」しかし、実際はMimamoru-approachを10%は理解している人々対象!「そこで、その日の夜は、その修正で大変でした。」藤森先生のプロ性は聴衆を意識した講演運びにあります。話す内容を理解しやすいように写真や動画、そして文字媒体を使用する。3時間研修のために用意したものを修正する。考えただけで気が遠くなります。「考えを可視化する」ことを参加者に要請する主催者。これは、何がわかったか、そして何がまだわかっていないか、を確認できる手法ですね。そして、test assumptions。直訳すると「仮説をテストして」、ということでしょう。自分の既成知をテストしてみる、試してみる、つまり自分の従来の保育観をここで確認してみる、ということでしょうか?おもしろい取り組みですね。「学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります。」なるほど Enjoy The Learning.

  3. 〝表面的な意味だけでなく、その言わんとしている意図も理解する〟〝考えを可視化する〟〝学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります〟この3つの言葉が印象的でした。
    講演という形に限らず、藤森先生だけでなく、いろんな先生のお話を聞かせていただきましたが、この3つの観点から振り返り、お話を聞いてみると、また違う学びが得られると思うと、これからがなんだかワクワクしてきます。
    この度のシンガポール報告から学ばせてもらうことが多くあります。それはシンガポールの方々の藤森先生に対する思いや姿勢、文化などいろんなことから感じる「熱」の高さであるのかなと思いました。

  4. “マネジメントに学ぶことが多い”とありました。確かに、文章を読んでいると、なるほど、と思うことが多くありました。普段の生活のなかでも、このような場面になれば、より効果的に見えてくることを感じます。この人はすごい人だと言われれば、初対面であっても、すごいという印象をもち、その人の話すことへ共感をもつと思います。
    また、”園を見学したときに、よく理念を理解し、本質を理解することからすぐに実践に移した園が、50%の理解とすれば、10%の理解している園だとしても、かなり理解しているだろうと推測できます”ということには、50%の園の理解度の高さが並みじゃないことが感じられ、このシンガポールの進化、保育へ対する考え方に、危機感を感じながらも、刺激を受け、追求していくことが必要なことだと感じました。

  5. 振り返りはとても大切なことですね。私にとっては、いつも当ブログから振り返りの機会をいただき、保育や自分自身を振り返り、見直すことができています。見直すことで深まる学びというのを実感できます。
    「表面的な意味だけでなく、その言わんとしている意図も理解するように聞くことが大切である」とありました。これはシンガポールの方々のゾーンの理解にもつながることですね。核心を知っていく、理解していくことが大切であることがわかります。また、「マネジメントに学ぶことが多い」とあり、内容を読んでいながら、セミナー参加者のモチベーションを上げるのが上手だなと感じました。セミナーを主催する側の手法として、参考にできる機会がくれば参考にしていきたいなと思えました。

  6. 私も英語が苦手なのですが、文中の英語を頑張って読んでみたのですが、単語の使い方というか、その構成のようなものは実際に話したり使っているのを知らないと理解が難しいのを感じました。おそらく、それはどんなことでも、見守る保育を行う上でも同じで、机上だけではなく実際に行ってみることの大切さを感じます。こうしたことを感じると、先生も指摘されていますがシンガポールにおける見守る保育の取り組み具合には、本当にすごさを感じます。日本でこうした海外の保育を取り入れるとなると、モンテやレッジョなどとても有名なものしかありえませんが、シンガポールにおいても見守る保育は同じような地位を確立しているのかもしれませんね。

  7. とても大切な言葉がいくつかありました。まず「考えを実行に移すには、考えを可視化する必要がある」とありました。分かったつもりでいても、分かっていないことはたくさんありますね。言葉にしてみたり、形にしてみることで、ぼんやり分かっていたことがはっきりと理解できるようになるということなのでしょうか。そのような作業は丁寧にやっていきたいなと思います。また「学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります」というのも印象的でした。学ぶことを喜ぶこと、楽しむことができるからこそ、しっかりと実行することができるのですね。学ぶのは好きな方だと思うのですが、まだまだ私にはこの部分が足りないように思います。もっともっといろいろなことを楽しんでいきたいです。

  8. 「deeply」はいいですね。確かに表面的な学びというのは、言葉だけを理解し本当の意味を理解していない様な感じがします。その後に「セミナーへの参加は、何よりも喜びであり、学ぶ喜びがあるのです。また、学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります」と書かれてありますが、まずは新しい事へ学ぶ意欲が大切であり、その気持ちがなければ、「deeply」は実行できないと思います。いくら作戦の一つで藤森先生がアイドルようにサインをしても、本当に見守る保育が受け入れられていないと、そういった現象は起きないと思います。

  9. 「セミナーへの参加は、何よりも喜びであり、学ぶ喜びがあるのです。また、学ぶ喜びを感じる人は、その学びを実行することにためらいがなくなります。」とあり、「学ぶ喜び」というのは人の原動力になることがわかります。これが主体性となるのですね。また「 話し手に対するその内容の信用」とあり、今回のシンガポールの主催者の方の力というのがより際立っていることを強く感じます。まずは藤森先生を信頼してもえる説明をしていること、そして自らが信頼できる存在であるからこそ、こうした大きなセミナーを開くことができるのでしょうね。

  10. 「deeply」と「その言わんとしている意図も理解するように聞くことが大切であることを言っているのでしょう。そして、その考えを人にわかるように説明する必要があります」という言葉が印象的でした。先生から沢山学ばせていただき、吸収していくためにも、大切なことだと思います。今、自分の置かれている現状と重なるところを感じ、改めてそう思いました。学んだことを自分で発信していくことも大切ですね。苦手意識があるのでそういう部分を伸ばしていけたらと思いました。

  11. 「学習はよくありますが、振り返りは意外と少ないような気がします」ということはまさにその通りですね。反省という形での振り返りもしますが、「その後、どうするか?」といった提案まで至っていないこともよくあることです。どうもその場しのぎの反省になることも多く、このことは自分自身に当てはめても、改めていかなければいけない内容です。また、今回のセミナーの主催者や代表のかたのセミナーの進め方は実に賢いですね。そして、非常に人の真意をついているようなマネージメントをしているように感じます。よく見守る保育をする上で「職員が子どもたちを見守ることができるのは、園長先生が職員を見守っているから」ということを言われます。この財団でも、代表や主催者の方々の理念や方針、そして、前向きな姿勢が財団を通じて一つの文化になっているからこそ、こういった動きができるのかもしれません。一つ一つの物事の動きから学ぶことはとても多くあります。

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