シンガポール報告3

今日は、明日からの講演の打ち合わせ会議を朝9時から午後4時まで行いました。まず、昨日の視察の振り返りです。まず私から昨日のブログで紹介したように、できるところから取り組むことが大切であるという話をしました。どうしても、すべてにおいて「見守る保育」を導入しなければならないと思うことで、改革の第1歩が踏み出せない園が多いからです。昨日紹介した園では、ピーステーブルを作るところから、給食の配膳を見直すところから行った園でした。

そのほかには、絵本ゾーンの見直しから行った園もありました。同時に、その場所は子どもたちがリラックスできる場所として設営されていました。絵本を、表紙が見えるようにして、子どもたちがどの本を読もうかという動機を持ちやすくします。また、リラックスして本が読めるように、下には絨毯とかクッションを敷いて、上には、他の場所を空間的に区別するように天蓋などを取り付けます。それまでは、きちんと椅子に座り、背筋を伸ばして本を読んでいましたが、子どもたちがリラックスして本に親しめるような工夫がされていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あと、子どもたちが自分で室内の掃除をやることができるように、掃除道具の使用目的を明確にしていました。たとえば、雑巾も拭く場所によって色を変えてあります。それによって、子どもたちは、床の上を拭こう、机の上を拭こうという行為がしやすくなります。ほうきとちり取りにしても、使用場所が決めてあり、子どもたちが自ら道具を使うことをしやすくします。

また、取り組むためにまず行ったことが、少し違う観点ですが、こんな見直しもありました。それまで、子どもたちが自発的に取り組む環境として様々な「コーナー」が用意されています。今回、最後に見学した園では、そのような場所の掲示として、「ゾーン」という言葉が使われていました。しかし、まだそれは徹底しておらず、場所によってはコーナーと表示されているところもあったので、そうしてか聞いてみました。すると、今までは、子どもが何かを取り組むための場所としてコーナーという表示をしていたが、そうなると、ここではこれ、ここではこれ、というように活動が分断されてしまいます。子どもの活動はもっとダイナミックなものであり、いくつかのコーナーをまたがって活動することもあるために、ゾーンという言葉を使うようになったのですが、まだ導入したばかりなので、すべての場所には徹底してはいず、今後少しずつ、すべての場所の考え方としてゾーンに切り替えていくという話でした。また、コーナーに充てる漢字に「角」という字が使われていたところを見たので、ちなみにゾーンとなると、どのような漢字を使うのか聞いてみたところ、「区」を使うと言っていました。

今回の視察の中で、最後の見学した園で少しびっくりしたのが、定員が500名だということです。その園は、とても広く、各年齢においてオープンなつくりとなっているために、それほど多いという感じがありませんでした。聞くところによると、現在建設中で、来年開園する園の定員は、なんと、1000名だそうです。想像がつきませんね。その園では、開園当初から「見守る保育」を実践する予定だそうです。定員が多くても、見守る保育を行えば、それほどてんてこ舞いをしないで済むかもしれません。楽しみですね。

シンガポール報告3” への12件のコメント

  1. コーナー(角)とゾーン(区)、感覚の違いですが、とても大切なことだと思っています。私は今まで、名称、呼称にあまりこだわりを持っていませんでしたが、実はそれがとても大切であることを保育(人が生きる)ことを通して実感しています。「教育」という漢字を藤森先生の講演から知ったことがきっかけでした。
    話は変わり、シンガポールの500名、1000名単位の施設は想像がつきません。居住空間は日本とはかけ離れた環境なのでしょうか?(100階建てのマンションが至る所に建設されているとか?)。
    保育園の職員体制も心配してしまいます。何人の園長先生が必要なのだろうかと。しかし一方で、子どもが育っていれば、子どもの定員が多いほど職員は少ないほうが良いのかもしれないとも想像します。

  2. 子どもたちの環境を考えるなかで、自発的活動を十分に保障した場所や空間、玩具を揃えることによって、子どもたちは遊びの幅が広がり、その遊びを通して、感じたり、味わったり、楽しんだりという姿が見られることを保育を通じて感じます。ゾーンのなかのクオリティをあげるよりも子どもたちへ何を学ばせたいのかという考え方で、環境設定する重要性を改めて考えることができました。
    定員500名、1000名と人数は、すごいという印象を持ちますが、藤森先生が書かれている、”定員が多くても、見守る保育を行えば、それほどてんてこ舞いをしないで済むかもしれません。”というところへ共感を覚えたところです。
    見守る保育がどんどん広がりをもっていることを改めて嬉しい気持ちになりました。

  3. 成り立ちを見る中で改めて振り返りをさせていただいています。知識が、用いられることで初めて意味を成すという意味が、そのまま実践されているかのようで、とても勉強になります。
    先日、関東GTmen’sディスカッションが開催されました。新宿せいが子ども園の環境の写真を素材に、そもそもどういう意図でこういった環境が設定されているのか、集まった方々と実に和気藹々とした時間となりました。その中で、「子どもの人数が多い程チーム保育が際立つ」という旨の話題が出たことを思い出します。定員数1000名。「楽しみですね。」本当に、ぜひ一度見てみたいです。

  4. 絵本ゾーンの工夫、掃除道具の工夫と早速、実践されているのが素晴らしいですね。私自身、どうしても頭で考えすぎてしまい実行に移すことが苦手なタイプなのですが、少しではありますが、とにかくやってみる、行動してみることの大切さを実感しています。やってみることでどんどん見える部分が広がると思うと、このような取り組み方はとても大切なことですね。定員500人、1000人というのは全く想像がつきません。どのような環境になるのでしょうかね。しかし、その人数は一斉に動かすとなるととんでもないことですが、見守る保育ということ、子どもの主体性を大切することということが根本にあれば、成り立っていくのかなと思えてきますね。写真だけからの想像ですが、なんだか子どもたちも落ち着いているように見えますし、環境も整っているように思えますが、どうだったのでしょうか。

  5. 「できるところから取り組むこと」は本当に大切なことですね。先読みばかりして、なかなか取り組めないようなところが私にはあるので、このシンガポールの園のように「できることから」を見習っていきたいです。また、今回は絵本ゾーンから見直しを行った園が紹介されていますが、写真を見た感じ、見守る保育としての絵本ゾーンであり、ドイツの絵本ゾーンとも類似しているとも感じました。そして、定員が500名という園があることに驚きましたが、「現在建設中で、来年開園する園の定員は、なんと、1000名」とあり、驚きを通り越しています。500名定員でもそうでしょうが、1000名定員というのは、間違いなく見守る保育実践園での初事例ですね。でも1000名定員でも見守る保育を行えば…と私も思います。

  6. 取り組めるところから取り組み始める、には取り組むことの意味の自覚がまずは必要でしょう。ピーステーブル、給食、そして絵本に関する取り組みがあり、Cleaningの取り組みもありました。シンガポールはクリーンを大切にする国ですね。クリーンを規律と罰則で実施していくのではなく、クリーンの意味を自覚しながら実践していくのだ、ということがこのゾーンの取り組みから看取できます。なぜ、その取り組みを実施するのか。このことを理解した上で取り組んでいるのに違いない、ということがよくわかります。そしてコーナーとゾーンの違いに気づき、角から区へ、と移行しようとするその姿勢にも感服させられるのです。500名の大規模園でも「見守る保育藤森メッソド」が提唱する保育が実施されていることの意味は過小評価できません。子どもの数の多寡によってできる、できないということではないメソッドであることをシンガポールの実践は示してくれています。よって1000名定員の園ができ、そこで藤森メソッドを実践することにも抵抗がないこともよくわかります。

  7. 〝できるところから取り組むことが大切である〟という藤森先生の言葉に共感しています。自分自身臆病なもので、やろうとすることにあれこれといらない考えを巡らせて、やらない理由をつけようとするところがありますが、それではこのようなシンガポールの発展のようにはいかないですよね。
    また、絵本やリラックスできる場所などの成り立ちから、改めて振り返りをさせて頂きました。
    今度、定員1000名の施設ができるということで、すごい規模ですが藤森先生がいわれるように見守る保育の実践がされれば…どのようになるのか楽しみです。

  8. 絵本ゾーンに人形を組み合わせていることや、人形の飾り方がウォールポケットだったりと、国が変われば感覚やセンスが違うのだなというのを感じます。しかし、こうして知ると、絵本という物語を知る中で、それに関連する動物や人形がいることはその世界観を大きく広げてくれるのだろうなということを感じます。そして、施設の規模が500人や1000人というのは、本当に想像がつかない世界ですね。人数の多さという面でもそうでしょうし、多民族がいるというシンガポールではその生活スタイルでさえ、細かく変わってくるような気もするのですが、詳しく知りたい気持ちでいっぱいです。以前、ドイツ研修で日本保育の形態を現地の人に話した時に、一クラスがそんなに多いのかと驚かれたのを思い出してしまいましたが、同じような気持ちだったのでしょうね。

  9. 1000名規模は凄いですね。どんな感じになるのでしょうか。それでも見守る保育ならできそうな気がします。
    見守る保育を始めてから1年でこのような環境を作られたのですね。見守る保育の本質を理解して1年で実践されており、相当熱い想いで学んだのでしょうね。

  10. 「できるところから取り組むことが大切である」という前回の内容からありますが、シンガポールの方々はその「できるところから」という認識を非常に的確に捉えているように思います。おそらく無理せず環境を作れているのではないかと感じます。そして、「コーナー」から「ゾーン」への移行も 「子どもの活動はもっとダイナミックなものであり、いくつかのコーナーをまたがって活動することもあるために、ゾーンという」という理解をしっかりとしているから違和感を感じ変えるのでしょうね。意図をしっかりたもと理解していないとできないことですね。

  11. 園全体でみると、実践している箇所が一つかもしれませんが、その一つ一つの実践で、見守る保育の理念や意図をしっかりと理解しているように伺えます。ピーステーブルに関しても、子どもの気持ちを落ち着かせる為の玩具は感情表現パネルを置いて気持ちを伝えやすくしたりなど、参考になります。定員が500名、さらには1000名の園で行う「見守る保育」規模が大きすぎて正直、想像もできませんが、今回の実践を聞いただけでも、しっかりと見守る保育を実践できそうな気がします。楽しみですね!

  12. 見守る保育を導入して行くために、全体的にとりかかるのではなく、部分的にでもとりかかることが大事なんですね。勉強になります。絵本ゾーン、ピーステーブルなど、一つの場所でも先にできてしまうとそこから子供たちの活動が広がって行くのも想像しやすいと思います。
    コーナーは角、ゾーンは区という感じを当てるとありました。最近、 コーナーとゾーンの違いやゾーンができるきっかけの話を先生にしてもらい、この話題は、最近の自分の中で熱い話題でもあります。新年度が始まり、3.4.5歳児のクラス環境とその場所でのルール、子どもたちの過ごし方を今、改めて見て実感しています。各ゾーンの改革もやろうという話も出ているので、取り掛かりやすいところから、徐々に各ゾーンが関連し、子どもたちの活動が広がっていくように考えながら取りかかれたらなと思います。

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