韓国二日目

韓国の明洞は不思議な街です。その地域は、南大門市場の通りを挟んで反対側にあります。主婦層の多い南大門市場に比べ、ここでは若者の姿が多く見られます。その街の雰囲気は、日本の様々な街と比較されますが、私の印象は、原宿の竹下通りのようです。違うのは、通りの両脇にはびっしりと屋台が並び、様々な食べ物が並び、その食べ物を食べながら歩き回る若者が多いという点でしょうか。もう一つ、店の種類として、ここで非常に多いのが、韓国コスメの店です。衣料品の店が多い原宿と違って、化粧品、顔パック、クリームなどのコスメが多いのです。カタツムリパックとかカタツムリクリームは有名です。また、高級ブティックやカラオケボックスやメガネ店やファストフード店と並んで、公然と偽ブランド品を売っている露店もあります。また、ここでは多くの客は中国からだったそうですが、最近は中国で海外での買い物を禁止したためにめっきり少なくなったそうです。

夕食の帰り道、そんな明洞を通ってホテルに戻りました。

次の日は施設見学です。午前中は公立のオリニジップです。オリニジップとは0歳から6歳までの園です。昨年、韓国報告をしましたが、日本では、選挙公約で5歳児保育料無料化が叫ばれていましたが、韓国では、現在0歳からすべての年齢において無料化されています。そのために、政府では質を担保するために、3歳以上児に対してヌリ課程、未満児に対して教育標準過程というものを定め、3年に一回、その通りに保育されているのかを評価指導に来るそうです。この時に、韓国ではオリニジップとキンダーガーデンとの間で3歳以上児に対する過程の一体化が行なわれたのです。このヌリ課程は、今回訪れた各園では、かなり否定的でした。それは、すべての園の底上げに有効ですが、今回訪れたような良いと言われている園からすると、園による創意工夫がそがれてしまっていると言います。例えば、異年齢保育を行なおうとしても、ヌリ課程では年齢別で保育をすることと書かれてあるそうです。特に、4,5歳の異年齢、3,4歳の異年齢はいいのですが、3歳から5歳児までの異年齢保育は行なってはいけないことになっているそうです。しかし、政府では、「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」と言っています。

それでも、このヌリ過程は、大学の教育関係者によって作られているものですから、その内容からはどのような保育が質に必要であるかを見ることができます。昨年に引き続いて、私が韓国ツアーを企画したのは、世界標準の保育を見るためです。それは、1園だけを見ても、それがヌリ課程で定められている部分であるかがわかりませんが、今回5園を見ることで、どの園でも行なっている保育、環境が定められていることかがわかってきます。その上で、難しいながらも、各園が創意工夫をして、質を独自で高めているかを知ることができると考えたからです。

例えば、各保育室には7カ所の領域が用意され、子どもたちはそれを自ら選択して遊びます。そして、それぞれの領域には、どんなものが最低限必要であるのか、どのような環境構成が必要であるかがわかります。また、保育室は子どもの数に比べて狭い気がしたのですが、全体はゆったりしています。それは、子ども一人当たり2.6㎡で、日本の2.98㎡に比べてかなり狭いのですが、園全体の面積も子ども一人当たり6㎡と決めれているそうです。職員室もない、玄関ホールもない、収納室もないなどの園はいくら企業所内保育所と言ってもありませんでした。

韓国二日目” への13件のコメント

  1.  日本で、「選挙公約で5歳児保育料無料化」が叫ばれているだけに、「韓国では、現在0歳からすべての年齢において無料化されています。」改めて注目すべき点ですね。その中で、「政府では質を担保するために」となるあたりが、韓国の教育、保育への熱意を感じさせるように思うのですが、日本の場合はどうなのでしょうか。また、「過程の一体化」によって、保育が高い水準で均一化されることをねらいとしていると思います。その高い水準を目指す中で、日々の保育を進めるにあたって、現場からの声がいかに反映されているのか気になるところではあります。「園による創意工夫」がそがれてしまう、というのはなるほど専門性の高い園にとってはやはりそのような面が生まれてくることでしょう。見守る保育、藤森メソッドを実践するにあたっても「3歳から5歳児までの異年齢保育は行なってはいけないことになっている」という項目は、眉をひそめてしまう感のあるところです。ただ、「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」これは日本における独自性の部分にあたるのでしょうか。その園独自の裁量に任せる部分がある、というのは、専門性の高い園にとっては、救いとなりますね。

  2. 明洞では「最近は中国で海外での買い物を禁止したためにめっきり少なくなった」とありましたが、写真からはそれを感じさせない人の密度を感じます。本当に竹下通りに見えますね。
    前回の韓国報告から「3歳以上児に対してヌリ課程、未満児に対して教育標準過程」をドイツの「バイエルン」のようにスタンダード化していることにすごいなと感じましたし、その他にも新鮮で参考になる点が多くありました。今回も藤森先生が韓国ツアーを企画した意図から、新たに何がわかるのか、特に「各園が創意工夫をして、質を独自で高めているか」がとても楽しみです。そして、相変わらず写真に写っている環境はとても綺麗に整っていますね。また「子ども一人当たり2.6㎡で、日本の2.98㎡に比べてかなり狭い」とあり、国によってそんなに違いが出るんだと驚きました。その他の国が子ども一人あたり何㎡なのかがとても気になりました。調べてみようと思います。

  3. 買いたくてもお目当てのものへ行き着かないほどの人の多さですね。写真を見るたびに前回の報告であったことを思い出し、この環境構成の質の高さを感じさせられます。しっかりと遊べる空間、玩具の量などは参考にしていかなければならないと思います。ヌリ課程内での異年齢保育というのには、”4,5歳の異年齢、3,4歳の異年齢はいいのですが、3歳から5歳児までの異年齢保育は行なってはいけないことになっている”ということには、その中での良さを感じている分、少し、納得しがたい部分はありますが、そのあとの文章に”政府では、「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」”とあることには、場合によって必要性があるのならば、そのような活動があってよいというような園としての取り組みになっていくともっと具体的な表明があるように考えられます。日本でも、保育指針、教育要領があるようにその内容を理解し、実践していくなかに独自性をだすと言うことがスタンダードであり、独自性を活かした保育が基本にならないように頭にいれておかなければならないと改めて感じるところです。

  4. 今回見学した各園ではヌリ課程に否定的だったのですね。「それは、すべての園の底上げに有効ですが、今回訪れたような良いと言われている園からすると、園による創意工夫がそがれてしまっていると言います」ということから否定的になっているのですね。確かに、質の高い園がさらに上の質を求めるためにはあまり有効ではないのかもしれませんが、反対に全体の質の底上げにはヌリ課程はやはり効果があるということでもあるのでしょうか。「今回5園を見ることで、どの園でも行なっている保育、環境が定められていることかがわかってきます」とありました。共通の部分が見れることで世界標準を感じることができるのですね。また「職員室もない、玄関ホールもない、収納室もないなどの園はいくら企業所内保育所と言ってもありませんでした」というのも印象的でした。

  5. まず、今回の写真から見ると、韓国の保育環境の質の高さを知ることができますね。また、おもちゃの一つ一つの多さや緑の観葉植物を取り入れている部分、取り入れ方など参考にさせて頂いて、自分たちの保育環境を考えるきっかけになります。そのようなところからも、日本は見習うべきものであるのかもしれないと感じました。
    今回の韓国研修ではヌリ過程に否定的で、その理由として〝すべての園の底上げに有効ですが、今回訪れたような良いと言われている園からすると、園による創意工夫がそがれてしまっている〟ということでした。そのような悩みもあるんだと思ったところでした。逆に言えば、全体の質の向上にはヌリ過程は効果があるということなんですね。

  6. 確かに明洞の街並みは竹下通りみたいですね。日本の竹下通りはあまり好きではありませんが、食べ歩きが好きなので、明洞の街並みは歩いてみたいですね!
    さて施設見学ですが、ヌリ課程に対して今回訪れた園は否定的ということに少し驚きました。さらに年齢別保育をすることと書かれてあるのですね。しかし「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」と政府が言っているということは、おそらく3~5だと、どの年齢に合わせればいいのか分からないという現場の声が多いような気がします。だから力量や専門性をしっかり持っていれば異年齢を行っても良いという事のような気がします。見学者の質問でも「異年齢だと、どの年齢、発達に合わせればいいのですか?」という質問をよく受けます。とは言っても写真の環境はやはり参考になりますね。国が定めたヌリ課程をちゃんと実践している事に私は日本との差を感じます。

  7. ヌリ教育であっても、ある園によっては「創意工夫がそがれてしまっている」という話になっているということ、政府は「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」と言っているということから、捉え方の違いとか方法の異なりなどはあっても、乳幼児教育の無償化に伴って再整備された「ヌリ課程」「教育標準過程」の存在というのは、質を大きく変えた大きな出来事であったことが想像できます。そして、「保育室は子どもの数に比べて狭い気がしたのですが、全体はゆったり」という環境に非常に興味があります。どうしても、狭いと殺伐としている印象を受けますが、ゆったり感じられるというのは子どもが自分の遊びに熱中しているような光景が浮かんできます。

  8. 「公然と偽ブランド品を売っている露店もあります。」というのはなんとも韓国らしいのでしょうか。笑 本当に見た感じ竹下通りと間違えるくらいの雰囲気がありますね。そして保育はどうかとなったときに国を挙げての保育の質をあげようとする試みが強く出ている印象を受けます。しかし、「園による創意工夫がそがれてしまっていると言います」といった部分もあることが現状というのもわかる気がします。それでもヌリ課程といった大きな方針があることで韓国のブレない質というのがあるのかもしれなにですね。

  9. 韓国の明洞という町があり、原宿の竹下通りのようなのですね。竹下通りは行ったことがありますが、とてもびっくりしたのを今でも覚えています。人混みがあまり得意ではないので、それ以来行ってませんが、韓国にも似たようなところがあるのですね。そして、韓国の保育についてですが、世界標準の保育を私も知りたいと思いました。また、韓国というと「ヌリ課程」ですが、いくつかの園を見学することによって知ることができ、それぞれの園独自の工夫や取り組みも見ることができるのですね。韓国への研修がとても身になることが伝わってきます。そして「ヌリ課程」を作ったのが大学の教育関係者であり、もともと質の高い保育園にとっては、創意工夫をそがれる結果につながっているのですね。なんだか、日本にも同じところがあるように思います。現場で働く保育士からすると、政治家や教育関係者などの意見がスッと納得できないことがあると思います。そして、そういった現状を変えていくためには、保育士が発信していくことが、より良い結果につながるのかなと感じました。
    「ヌリ課程」について興味があるので続きが楽しみです。

  10. 明洞はすごく賑わっていますね。竹下通りを連想されるのもわかる気がします。屋台が並んいる様子を見ると、お祭り見たいですごく楽しそうです。
    韓国では、0歳から6歳までが、無償化されているところがあるんですね。金銭的な理由から、園に入れない子どもたちが減ることはいいことだと思います。対して日本は選挙公約で5歳児保育料無料化が叫ばれていたとあり、見直さないといけないとこだなと感じました。
    保育の質の問題でも、3年に1度評価指導にくるんですね。日本でいう監査
    のようなものでしょうか。ヌリ課程の話がありました。異年齢保育で、3、4歳はよく、4、5歳もよく、しかし、3〜5歳は禁止とありました。どうして3〜5はいけないんだろうと思いました。大学の専門の先生がヌリ課程を作られたとあり、どんな理由があるのか気になりました。

  11. 大網化のほうがいいのか、国を上げての政策として教育を変える必要があるのか、国を上げて、保育ももっと厚くしていく反面、違う方向に行ったときに国の方針が懸念材料になることはありますね。そして、そのほとんどが「良い園」で頑張っている園ほどそういった憂き目にあうというのも困りものです。一概に国を上げて保育を見直すということも考えものなのかもしれません。ただ、国としてどこに質を求めているのか、やり方やhow-toではなく、理念はしっかりと打ち出して、子ども観を持てるような方針は出してほしいものです。そこが現在日本は大きくぶれているようにも感じます。保育を見直したことで韓国の子ども観はどのように変わっていくのかを見ることはとても日本にとって参考になることでしょうね。

  12. 0歳から保育料を無償にします、だから保育の質を担保してください、そのために「3歳以上児に対してヌリ課程、未満児に対して教育標準過程」に則って運営を行ってください、ついては「3年に一回、その通りに保育されているのかを評価指導」に来ます。実にわかりやすいシステムです。評価指導の結果によっては補助金がもらえないことになるのでしょう。私も「すべての園の底上げに有効」だと「ヌリ課程」を評価していましたが、「良いと言われている園からすると、園による創意工夫がそがれてしまっていると言います。」その一例として3歳から5歳児を個々の発達で観ていく異年齢児保育ができないとありました。なるほど、これは確かに問題ですね。年齢別に分けられた保育室には確かに7領域スペースがありましたね。見守る保育藤森メッソドは「たてわりではない異年齢児保育」ですから「ヌリ課程」の施行については政府による「教育課程を実行する側の教師の専門性と力量によって効果的に応用することができる」によって実行可能か?韓国は乳幼児研究も盛んのようですから「ヌリ課程」もすぐに見直されるでしょう。

  13. 観光業が盛んな韓国において、中国からの観光客がいなくなるのは、痛手かと思いきや、写真を見させていただく限りとてもにぎわっていますね。ヌリ課程については、以前ブログにて勉強させていただいたのですが、こうして独自の保育を行うところもあるのですね。こうした処を見ることができ、どんな考えを持ち保育を行っているかということは、まだ世界に発信できる統一課程がない日本において、とても参考になりますね。園の写真を見ても、私の勝手イメージですが、アジアという感じが全くしないですね。自然と子どもたちがどんな動きをしながら過ごしているのか知りたくなってきますね。

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