韓国報告2

韓国の幼児教育の施設は、基本的には日本と類似していて、幼稚園とオリニジップの二つに大別されています。オリニジップとは、ハングルで「子どもの家」を意味し、0歳から小学校就学前までの子どもが対象であり、日本の保育所にあたります。それに対して、幼稚園は満3歳から小学校就学までの子どもが対象で、この3学年に加えて、年齢混合クラスを設けている園もあるそうです。その他には、家庭保育施設の「ノリバン(遊び部屋)」があります。

幼児教育・保育に携わる人を「幼児教師」と総称し、幼稚園では「幼稚園教師」、オリニジップでは「保育教師」と呼ばれています。行政面での管轄ですが、幼稚園は、教育科学技術部(日本での文部科学省)です。教育活動は、「幼稚園教育課程」に基づき行われ、教育プログラムは、半日制 (3∼5時間)・時間延長制 (5∼8時間)・一日制(8 時間以上)の3つに分かれています。職員として、園長・園監(教頭)・正教師・準教師で構成されています。運営の種別としては、国立・公立・私立があります。

一方、オリニジップの管轄は、韓国の省庁統合整理に伴って変動があったそうですが、現在では保健福祉部だそうです。保育活動は、「標準保育課程」に基づき行われます。保育プログラムは一日制です。職員体制は、園長・保育教師で構成されています。子どもの対象は0歳から小学校就学前の幼児までです。運営の種別は、国立・公立・社会福祉法人・法人団体・職場・家庭・父母協同・民間に分かれています。企業内保育所も含まれます。国公立の保育園園長は市長または区長が任命し、法人・職場・家庭・民間の保育園では施設設置者が任命し、父母協同保育園は代表者が任命します。

韓国では、日本にも匹敵するほどの少子化が進行しています。、2002年は1.332003年には1.19という少子化を辿っています。園対策だけでなく、幼児教育の大切さが議論されてきました。そこで、「幼児教育法」が2003年に国会本会議を通過して、施行されることになりました。それは、それまでの幼児教育振興法、初・中等教育法や乳幼児保育法などに含まれていた幼児教育関連の条項を体系化して大幅に改定したのです。同時に、この新しい幼児教育法によって、1997年から進められていた「満5歳児の無償保育」や「幼稚園の設立や人件費を国や地方自治体が補助する」などの他、教育機関や保育の設備環境や条件が整備されて、質の高い幼児教育環境を目指すことになりました。

一方、少子化のために幼稚園数が10年前に比べて5分の1に減少した地区もある反面、女性の労働力は韓国の国家統計局200412月の統計では49.8%で、働く既婚者も年々増えていきました。そのような社会的ニーズに伴い、長時間保育の要望が多くなっていきました。同時に、幼児教育・保育の二元化によるこれまでの格差がますます深刻になり、保護者の保育機関の選択権保障の不十分さ、質のよい均等な子育てサービスの不十分さ、乳幼児発達に合わせた適切なサービスの提供及びその出発点の平等保障の不十分さ、そして、行・財政的な効率性の不足など、多様な問題が指摘されてきた。そんなとき、OECD国家の事例やOECDの勧告により、一元化について一層強く関心を引き起こし、実現しなければならない課題として浮上してきたのです。