ドイツ報告3

 今回のドイツ研修は、第15回です。ドイツでは、5の付く回は記念だということで、今回特別な配慮を頂き、ミュンヘン市の市職員のセミナーハウスに二泊させていただきました。そして、当局の会議の中で、長い付き合いであるということで、宿泊させていただいただけでなく、宿泊代を無料にしていただき、さまざまなおもてなしを受けることができました。

 場所は、ミュンヘン市の中心からバスで1時間ほど郊外に行ったところにあります。ドイツはあまり高い山がなく、ほぼ平らで、あってもなだらかな丘陵が続きます。風景としては、緯度は樺太くらいにあたり、日本で言えば、北海道に近い植生です。しかし、セミナーハウスは、若干高い山の麓の村の中にあり、狭い曲がりくねった道を走った先に、今回宿泊することになったセミナーハウスが車窓から見えてきました。2016semina-1

 一泊目には、私たちの他にミュンヘン市の学童クラブの職員が宿泊していました。早速、今回の私たちツアー参加者のメンバーの一部の人と、ミュンヘン市の学童の職員と記念撮影をしました。2016semina-6

部屋は、シングルで、窓からはさわやかな風が入ってきて、少し肌寒いくらいです。

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部屋の外のベランダからは、高い山や、近くの村が見えます。2016semina-3

夕食は、バーベキューで、セミナーハウスの管理人さん自ら肉を焼いてくれました。2016semina-5

 翌日の午前中は、ミュンヘン市の教育局の先生と、公立幼稚園の園長さんと職員さん4人がセミナーに参加してくれ、ミュンヘン市の保育における取り組みについてプレゼンを1時間あまりしてくれました。テーマは、現在ミュンヘン市が取り組んでいるJugendparizipation(参画)についてで、その研究家である職員さんが話してくれました。2016semina-7

 ミュンヘン市が、1997年、子どもの権利条約の採択を受けて、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員、ボランティアみんなで検討して取り組むことに決めた課題です。そして、バイエルンという保育指針のような幼児教育が取り組む課題として、この「参画」が書かれることになり、デモクラシーについて、考えていこうということにしたのです。そして、この参画に取り組むようになった経緯としては、子どもにとって最も効果的な学びととは、子どもに興味関心を持たせることにあり、そこには個人によっての個性があるために、参画という考え方をすることになったと言います。

 参画の例としてあげられているのは、例えば、食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか、新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。また、買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らのよって提案されます。このような参画の内容については、それぞれの園によって子どもと一緒に、また保護者とも一緒に決め、均一はないと言います。そして、参画した結果何か問題が起きたとしたら、それはチャンスとして捉え、子どもたちに解決する力を付けます。

 それを一歩進めて、2012年、子どもたちからの苦情を聞かなければならないという法律ができ、子どもたちにインタビューすることによるアンケートを採ることになったそうです。

 この参画は、地域への参画、保護者の参画と広がっているようです。

ドイツ報告3” への15件のコメント

  1. ドイツにとって5という数字は縁起がいいのですね。それにしても景色が綺麗ですね。こんな場所でご飯が食べられたら最高ですね。
    子どもの権利条約がありますが、日本の保育園はどのくらい意識をしているでしょうか?食事を誰と、どのくらいの量を食べるのかを決めることすらできていない日本。1997年に採択をしたにも関わらず、全く動こうとせず、子どもの人権は低いままです。
    それに比べドイツでは子どもたちの苦情を聞かなくてはいけないというところまで来たのですね。日本では、保護者の苦情については過剰なほど敏感なのに、保育園で生活している当人(子ども)の思いについては聞こうともしませんね。時に、誰のために保育をしているのかわからなくなってしまう時もありますが、私たちが子どもの人権についてもっと訴えていかなくてはいけないのですよね。

  2. ウィンナーにお肉、とても美味しそうです!ドイツの先生方と食事を楽しみながら、互いの教育事情を知り合うというのはとても貴重な時間ですね!ミュンヘン市では幼児教育が取り組む課題として「参画」を掲げているとありました。私自身「参画」と言われてもなかなかイメージが湧いてきませんが、子どもたちが積極的に様々なことに関わっていく姿勢のようなものになるのでしょうか。大切なのは形として参加したではなく、どう子どもたちが自ら参画していったかが重要であるように感じました。また、「それぞれの園によって子どもと一緒に、また保護者とも一緒に決め、均一はないと言います」とありました。「参画」という課題をどの園も共通な課題として認識しているところがすごいなと思いました。方法はどんなアプローチの仕方があっていいが、目指すところは共通であるというのは日本に足りない考え方でもありますね。ブレてはいけない部分はブレてはいけませんね。

  3. ミュンヘン市の研究員による取り組みプレゼンとは、非常に貴重な体験ですね。見学だけでは学べない部分というか、職員のこれがあってこれをしているなどの面白そうな説明です。また、「参画」というテーマが印象深いです。教育・指導・対応などではなく、子どもが主体となった取り組みを前面に出した形の言葉であるようにも思いますし、子どもだけではなく、そこに大人も必要最低限の参画をしていくという、一緒に社会を作りあげて、学んでいくといった思いが伝わってきますね。まさに、子どもの子どもによる子どものための取り組みですね。そして、個人的には「学童職員」もセミナーハウスを活用していることが驚きでした。学童職員がセミナーハウスを利用して研修を行うといったイメージがなかったので、そこからでも学童期の重要性を市全体でサポートしていこうとする姿勢が感じられました。

  4.  〝参画〟。とても面白いテーマですね。〝子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利がある〟など例が挙げられていますが、〝子どもの権利条約〟が言わんとする、即ち子ども達個人を尊重することであるように思います。そう考えると、新宿せいが保育園の理念であります〝共生と貢献〟の〝共生〟の部分にとても近い考え方のように思います。個人を尊重し、その個人が互いを尊重しあい、共に生きる世界、社会を織りなしていく。その具体的な実践部分である〝新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。〟〝買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らのよって提案されます。〟というところにやはり驚きと感動を感じてしまいますが、目指すべき方向が同じであるという感触に、とても親近感のようなものを得ながら、いつもドイツ報告は読み進められているような思いがします。

  5. 「子どもの権利条約」の取り入れ方の違いが大きくありそうですね。日本の場合、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員までは取り組みに参加しそうですが、ボランティアなどその先になるとなかなか難しい気がします。そういったより現場に近い意見があるおかげで、今回の例に挙げられてるような「食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのか」といった実際を想定しての話ができるのだなと感じます。これが日本だと「栄養摂取量は、、」といった卓上の話で止まってしまいますもんね。そしてさらに「子どもたちからの苦情を聞かなければならないという法律」まででき、こうした参画の仕方は日本も早く取り入れなければですね。

  6. なかなか素敵なセミナーハウスですね。これまでのドイツ視察研修とは一味違うその内容から参加メンバーのみなさん、学ぶところが多かったことでしょう。デモクラシーによって保障される「参画」という考え方も私たち日本人にはまだまだ新鮮ですね。もっとも日本でも「男女共同参画社会」ということでこの「参画」は20世紀の終わりころから徐々に私たちの社会の中にも登場してきました。そして今回のセミナーハウスでのレクチャーは若者の参画、特に就学前の子ども達の参画に焦点が当てられているようです。子ども達の食事、買い物、と言った日常的行為の中に参画の概念を見出す取り組みには学ぶところ大ですね。しかも、保護者も関わっている。「子どもたちからの苦情を聞く」ということが法律で決められている。さすが、ドイツ。「子どもの権利条約」を批准しておきながら、「あの条約は貧しい国の子ども達の条約だ」とか何とか言って、具体的な法制定を怠ってきたどこかの国とはわけが違います。ドイツにおける「子どもの参画」はとりもなおさず「子どもの権利条約」の具体的な施行政策です。大いに勉強になりました。

  7. 景色に、宿泊施設とても、落ち着いた雰囲気のあるところですね。ドイツの保育における取り組みとして、「参画」を課題として上げられているのですね。子どもの自立であったり、自発を大切にしたり、保護者へ理念を理解してもらうような取り組みなど、自ら動いてみることで、何を大切にしているのかをより明確化できると思います。゛子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか゛とあることが、日本では、そのような子どもの権利が守られていないのが現状だと思うと、大人主体であることが子どもの権利を阻害している、無視していることと変わらないように感じ、常に子ども主体であることが子どもの育ちへと繋がっていることを改めて考えられました。

  8. セミナーハウスは、のどかでとても落ち着く場所でしたね。先生には肌寒かったようですが、暑がりの私にとっては、過ごしやすかったです。(笑)今回は、15回目の記念で、特別にこのようなセミナーハウスで研修ができて、とても嬉しく思います。これまでの15回のツアーがなければ、この体験はできなかったと思うので、先生と先輩方に感謝したいです。
     この『Partizipation(参画)』が今回のツアーのキーワードになったと思います。どこに行っても、この単語を聞きましたね。専門家の方から、これについて話を聞きましたが、先生の話と重なるところがたくさんありました。まさに、子供主体の保育であるように、私は感じました。まだ、理解が浅いので、もう一度、復習しようと思います。

  9. ドイツでは、5の付く回は記念の回となるのですね。この景色は写真からでも癒される思いです。さらにドイツ流のおもてなしを受けられるなんてこの上ないですね。
    参画という考え方はとても参考になります。「参画した結果何か問題が起きたとしたら、それはチャンスとして捉え、子どもたちに解決する力を付ける」とありました。参画は、自由の概念に似て、権利が与えられる分、多少ながらも責任が伴う印象を受けました。そして、内容にもありましたが、参画は子どもに興味関心を持たせるには最適な方法ですね。参画によって、自分が主体であると思えたり、その場に自分の居場所を感じることができることで、心に余裕が生まれ、自分の興味関心に素直になれるように思えました。そのような参画が、地域への参画、保護者への参画と広がっていることは素敵ですね。保育園から地域へ、保護者へと発信していくためにも参画という考え方が活きてくることがわかります。

  10. セミナーハウス、のどかな雰囲気で趣きのある佇まいですね。
    ミュンヘン市が取り組まれている〝参画〟というのを見て、初めは保護者が頭に浮かびましたが、まずは子どもが〝参画〟というのが印象深かったです。具体的な例が挙げられていましたが、いずれも主体性を重んじた考えからのテーマであるということが読み取れます。
    そこから、保護者や地域が必要な時や場面で〝参画〟していくということで、『共生と貢献』の特に『共生』の部分に近いように感じました。
    日本ではまだまだこの取り組みが浅い部分もあるのではないかと思います。そのような中、このような〝参画〟というのを市が主となり取り組んでいるということに全体の共通性、理念の一貫性を感じました。

  11. 素晴らしい環境というのがよく伝わってきまひた。管理人さん自ら肉を焼くというおもてなしのバーベキューはドイツらしさを感じます。そして「参画」という取り組みは非常に興味深いです。「子どもの権利条約の採択を受けて、市長はじめ、子どもに関するすべての行政職員、ボランティアみんなで検討して取り組むことに決めた課題です。」とあります。この根本の部分が日本には足りないように感じてしまいます。参画の例では子ども自身が様々なことを自分たちで決め、責任を持つというイメージです。そして、「参画した結果何か問題が起きたとしたら、それはチャンスとして捉え、子どもたちに解決する力を付けます。」とあり、しっかりと自分たちで決めたことに対してどうするべきかまでが保証されていることはなかなかできないことだと感じます。それがどの園もアプローチは違えど統一されていることな大切ことだと感じますし、やはり、見守る保育に共通する部分が多いようにも感じます。

  12. セミナーハウスに宿泊できたという体験は、とても貴重ですね!しかも宿泊代も無料だったり、色々なおもてなしを受けたのは、本当に素敵ですね。これも藤森先生がドイツ研修を長く、そして真摯に続けてきた成果ですね。セミナーハウスということもあり、自然に囲まれ、とても勉強に集中できる環境ですね。おそらく日本にも似たような施設は山にいけばあるのですが、どうしてかドイツのセミナーハウスの方が素晴らしく思ってしまいます。
    またミュンヘン市がバイエルンをもとに幼児教育を取り組む課題として「参画」に重点を置いているというプレゼンは何よりも貴重ですね。ただ、やはり私たちが考えている、子どもたちに色々なことに興味関心を持たせ、自発的に活動をするというベースとなる考え方と同じで、進んでいる方向はやはり一緒です。しかし、やはり「さすが」と思うところは子ども達の苦情を聞くということです。実際に子ども達がどのようなことを保育園に対して言うのか気になるところですが、何よりも「子どもの気持ちをちゃんと聞く」という事が法律で定められていることに驚きます。進む方向は一緒でも、まだまだドイツから学ぶことはたくさんありますね。

  13. ◯◯参画宣言という形等で「参画」という言葉を聞いたこともありましたが、恥ずかしながらその言葉の持つ意味を深く考えたことはなかったので、今回はその理解を深めるきかっけになりました。子どもの主体性を尊重するのであれば、「参画」という考え方は必要不可欠であると思えます。保育において保育者が子どもの育ちを考えた上で、環境構成や取り組みを考えるのはもちろんのことですが、自らのことに関係してくる子ども自身もそれに加わることは当然のことのように思えます。それを思うと、まだまだ子どもたちの想いをくみとったり、耳を傾けたりする機会を十分にとっていないような気がしてきました。「参画」という考え方を踏まえながら、主体性について改めて目を向けていきたいと感じました。

  14. 「参画」という言葉は初めて聞きました。
    「食事について、子どもは誰と、どのくらい食べるのかを決める権利があるというようなこととか、どんな遊びをしたいか、新しい遊具を買うときにも、子どもたちによる投票によって決めます。また、買い物に行くときなどは、各グループから代表が選ばれ、彼らによって提案されます」とありましたが、とても素晴らしいですね。子どもが主体となっていることが良くわかります。
    2012年に子どもにアンケートを取らなくてはならないという法律が出来たことも驚きです。ドイツの社会全体で子どもにとって適切な環境を作っているのですね。

  15. 「参画」ですか、聞いたことある言葉ですが、あまり耳なじみのない言葉です。調べてみると「計画に加わる」という意味です。日本の保育では【計画】というと大人が考えるものであって、子どもが計画を立てるという意識はまだまだ少ないように感じます。今回のドイツの計画においても行政の主導のもと現場に至るまで国の考えや理念が一本通っているというのを感じます。「子どもにとって最も効果的な学びとは、子どもに興味関心を持たせることにあり、そこには個人によっての個性があるために、参画という考え方をすることになった」とあります。日本では「個人の興味関心」というものは注視されていても、まだまだ「参画」というまで子どもの自由度がないことが多いです。ドイツの園は「園によって均一的なものはない」といっても、「その園の独自性」ではなく、「その園の子どもたちの個性」といった園の様子になるでしょうね。その一つ一つの報告を聞いていても、園のあり方は参考になり、国や地域を含め、子どもたちを発達や学びだけではなく、「一人の人格」として意識して向き合っているというのを感じます。

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