廊下

    保育室は、子どもたちの遊びの場であり、生活の場です。したがって、普段の生活の場の影響を受けます。以前、ドイツのある家庭を訪ねたときに、玄関を入ると、まず廊下がつながっています。それは、部屋の真ん中を突き抜けていて、その両端に部屋のドアが並びます。それに対して、かつての日本家屋は、部屋を広くしたりするために、廊下は、部屋の周りにあります。それは、あるときにはその上に薄べり(ゴザ)を敷いて部屋を広くしたり、外との緩衝空間になります。昨日の写真の啄木の部屋の平面図を見ても廊下は部屋を横切っていません。takubokunoieheimennzu

 ドイツの保育園・幼稚園を見ると、通路と言うほかに細長い部屋という役割を併せ持った廊下があります。そこは、当然各部屋への移動の通路という役目はあります。しかし、各部屋への移動は、ほぼ1日中子どもたちの自由ですので、部屋の一部という感じはあります。ですから、そこには、昨日紹介した乗り物だけではなく、多くの園には、移動中に楽しむ物が置いてあることが多くなります。2015mennsitaheya2月曜日に訪れた園では、乗り物だけでなく、真ん中に中央線が引かれ、道路のように車を走らせて遊べるようにしてあったり、足の裏の感覚を養うために、さまざまな素材を貼った床が置いてあったりします。よく手の感覚を養うものは見かけますが、足の裏の感覚で、このようなものは初めて見ました。手作りかもしれません。2015asinoura

 あと、コートかけと外履き靴置きなども廊下にある場合もあります。日本の園では、子どもたちのロッカーなどは保育室の中に置かれていることが多いのですが、ドイツでは、保育室の外である廊下とか、廊下の突き当たりの部屋とか、エントランスの隅とかに置かれていることが多いようです。そのために、部屋の中はすっきりしています。2015ositaku (300x200)

 また、廊下にはさまざまな掲示物が貼られています。その多くは、保護者向けです。と言うのは、保護者はお迎えの時に、園内どこにでも出入り自由なのです。月曜日の午後、ちょうどお迎えの時の見学でしたが、誰がスタッフで、誰が保護者かわからないほど、何人も園庭の隅や、廊下の椅子、保育室内の椅子などに座っていました。2015enteihogosya (300x200)日本の保育園のように慌ただしく子どもを連れて帰るのではなく、ソファーに座った利子ながら、しばらく子どもの活動を眺め、その活動の区切りが良いところで連れて帰る光景がありました。

 ドイツでは、基本的に保護者へのお便り帳はいっさいありません。0~3歳までの園の園長先生に保護者とのやり取りはどうしているかという質問に、お便り帳のような文字による子どもの情報のやり取りは保護者とはほとんどやらないそうです。文字によるものは、後に残るものですから、それを他人が見る可能性もあったり、子どもが大きくなったときに見る可能性もあったり、慎重にならなくてはいけないということから、行なわないそうです。保護者に伝えることがあったら、直接会って、言葉で伝えると行っていました。それは、お迎えの時とか、個人面談、保護者会などのときにだそうです。だからといって、見学しているときに、お迎えがあって保護者が来ても、保育者がその日にあったことを言葉で伝えている姿はありませんでした。たぶん、よほど伝えなければならないことがあった場合だけのようです。2015keiji (300x200)

 ということで、廊下に貼ってある掲示物は、園の理念、職員紹介、保育活動の計画や報告、行政からのお知らせなどです。