未来社会

 今度は、未来を見つめてみましょう。先日の「NHKクローズアップ現代」で、人工頭脳について放送していました。これは、今年の1月に行われたダボス会議についての内容でした。ダボス会議とは、もともとは、世界経済フォーラムで、世界を代表する政治家や実業家が一堂に会して討議するため、注目を集めてきました。今年のその会議で、人工知能の進化に伴い多くの仕事が失われるのではないかと懸念の声が聞かれたのです。オックスフォード大学の研究でも、今後1020年で現在ある仕事の65%の職種が人工知能に取って代わられる可能性が高いとの予想を示しています。すでに、アメリカのベンチャー企業が開発した、膨大なデータをもとにコンピュータが自動で文章を作る仕組みが、スポーツの試合の解説記事を作成しています。番組では、実際にバスケットボールの試合を実況で人工知能が解説そしていました。予め人間が作成した過去の記事と表現を選ぶための前提条件を与えており、最適な表現を選択させているそうです。

今後、人工知能をチェックするだけの記者と機械には書けない記事を執筆するジャーナリストに二極化すると指摘していました。また、アメリカの大学入試や卒業認定で使われている小論文を人工知能が自動で採点できるシステムは全米で1500以上の教育機関が活用しているそうです。単に、○×問題ではなく、論文に関しても採点するのです。それは、人工知能は複数の基準を設け、論理的な構成などを正確に判断出来るとされています。

限界は指摘されているものの、進化を遂げている人工知能について番組では、今後、単純作業や正確性が求められる職種は人工知能により失われる可能性が高いと予想し、今までは人間が行うしか無かった作業までも人工知能が出来るようになったディープラーニングにより、人工知能に対する期待が高まっていると話していました。

さらに、番組では、スウェーデンの高速道路で行われている自動運転の開発テストが放送されました。メーカーのエンジニアは手放しで走行し、アクセルも踏まず、危険があると自動ブレーキが作動します。自動運転の車はカメラやレーザーなどのセンサーで周囲の状況を検知し、その情報を元に自ら判断し、走行するのです。長年、安全性をブランドイメージにしてきたボルボは、事故の90%以上は人間のミスによって起きていることから、人工知能に判断を任せたほうが、安全性が高まると考えているようです。しかし、人命に関わりかねない判断をどこまで人工知能に委ねるべきか、国や自治体を巻き込んだ議論が欧州では始まっています。

こんな話題が、テレビでは多くなりました。先月放送されたBS1スペシャル「ダボス会議2015」のタイトルではありませんが、「素晴らしい新世界?~人工知能がもたらす未来~」というように、素晴らしい世界なのでしょうか?人間にしかできないといわれていた知的労働まで人工知能がこなすようになってきて、今後数十年の間に約65%の職業が人工知能にとってかわれるという研究結果もある社会はどういう社会なのでしょうか?同じことを繰り返すようですが、人間にしかできないものは何かということが、ことごとく覆され、いや、それは人工知能でもできる、取って代わられるという研究を知ると、では、次は何があるのかということになってしまうのです。