統合的アプローチ

 科学概念の周りにある関連させる様々な学習活動の中に、「園(校)外での学習活動」があります。この活動は、園内、学校内で学んだ科学的な情報に関連性を付け加え有効なものにします。子どもたちは、保育室内で身につけたことが、もっと大きな世界でも意味あることだとわかり誇らしくなります。子どもたちが学んだ科学概念を仕事で使っている人をクラスに招くことも、やはり現場を園に持ち込むという意味で重要です。これは、最近園でも課題とされている「地域の人による参画」です。以前から、地域の人材を活かすということが、小学校で行われていました。学校から地域の人に向けて「何か特技を持った人」を募り、その特技を子どもたちに教えてもらうために学校に来てもらうことがあります。

 教室の窓も、科学学習を確かめるための即席の素材となることもあります。たとえば、窓から、料理をしている匂いがどこからかしてくることがあったり、窓から道路工事をしている人たちの姿が見えたり、鳥の鳴き声が聞こえたりすることがあります。それは、注意をそらす材料というより、ちょうどよい実例となるときもあるのです。

 園(校)庭が、教室で学んだ概念をもっと大きな世界に結びつけるための格好の場所となるときもあります。園(校)庭は、保育室と同じように、学びに大きな影響を与えますから、その質を高める必要があります。子どもたちが生活と学習の時間の大部分を園庭で過ごす保育の場では、特にそうです。幼児教育者や、環境教育や野外活動に関心のある教育者は、戸外の大切さを長らく伝えてきました。最近の研究で、その重要性が再認識されています。その研究では、教師が、どんなカリキュラムであっても、戸外の環境での学習を重視していると、伝統的な教育で育った子どもたちよりも、高等教育で高い成績上げることが見出されているのです。園(校)庭をもっと良くしてためのアイディアが必要となるのです。

 このことも、ドイツに行った時に感じることです。また、ドイツの保育家具メーカーの人が、日本の園庭を見て、こう考えたそうです。「体育器具(うんていや鉄棒などの筋肉強化器具が多く、ハウスや築山、樹木に囲まれた空間はほとんど無い)が壁に沿って整然と並び、中央が大きい何もない空間があるだけの園庭で構成された空間で、指示に従い動く、受動的に見える子どもたち。」

 このように科学教育への統合的アプローチでは、カリキュラム全体に、身体的、感覚的、感情的な活動を織り込みます。意識的な思考と、非意識的な思考を、どちらも使った方が良いと考えられています。このアプローチは、全米乳幼児教育協会のスタンダードで支持されてきています。また、たくさんの教師、科学者、政策立案者の合意に基づいて作られた全米科学教育スタンダードの勧告とも合致します。これらのスタンダードでは、カリキュラムが発達に適切であることが必要だとされています。そして、この発達に適切なカリキュラムは、他の教科と関連付けられ、算数のプログラムと調和し、子どもにとって興味深く、適切でなければなりません。

 どうも日本では、スタンダードの議論は、独自性という言葉にかき消されてしまいがちです。