「つゆ」と「たれ」と「汁」

 ホテルに行くと、朝食がバイキングのときサラダにかけるドレッシングに迷うことがあります。私が子どもの頃は、野菜には塩や砂糖をかけて食べました。それが、マヨネーズが出て、サラダにはマヨネーズというようになりました。しかし、最近は、様々なドレッシングが出ていますし、手作りのドレッシングもかけることも多くなりました。「サウザンド・アイランド」は、マヨネーズとケチャップをベースに、細かく刻んだ玉葱やピーマンなどの野菜やピクルスを加え、香辛料で風味をつけたものです。また、「イタリアン・ドレッシング」は、水、酢またはレモン汁、油、塩、胡椒、砂糖、刻んだ玉葱やピーマン、ニンニク、オレガノ、フェンネル、ディルなどを混ぜ合わせたものです。そして、「フレンチ・ドレッシング」は、甘酸っぱいドレッシングです。そして、さっぱりと食べたいときには、和風ドレッシングがあります。これには、青じそ風味、醤油ごま味、わさび醤油味など日本独特の食材が使用されています。中国風のドレッシングもあります。これは、ごま油などで甘辛く味付けされ、中華料理に合うように作られています。

 同じように、鍋物や焼き肉には、様々な「タレ」があります。私の園の新年会は、みなで鍋を囲みますが、新年度のクラス担任ごとにどのタレの鍋を食べるかをくじ引きで決めます。「醤油」や「塩」がベースですが、他にも「トマト」「キムチ」「カレー」「味噌」などがあり、また、つけるタレには、「ポン酢」とか「胡麻ダレ」があります。

 このように脇役と思える「タレ」に対して、麺類には、「ツユ」という言葉を使います。

しかし、同じ麺類でも、冷やし中華には「タレ」を使います。また、「ツユ」や「タレ」には、ともに「つける」という言葉を使いますが、食べる様式によって、「つゆ」に「つける」ときには、漢字で「付ける」を使い、「タレ」に「つける」場合は、主に「漬ける」という意味に使われ、タレの味をなじませたり調味用語として使われます。また、「タレ」には、「かける」あるいは「からませる」という言葉を続けて、食べる動作をさす場合よりも、むしろ麺なり素材を調味する過程の動作をさすことが一般的であるようです。ただ、これは、関東のことで、地域によって違うようです。

 他にもさまざまな麺の食べ方がありますが、それによって、「タレ」か「ツユ」か迷うことがあります。そばやうどんを食べる時に、「ぶっかけ」という言葉があります。この食べ方は、茹で上げたソバやウドンをドンブリにいれ、ツユにつけずに、ブッカケて食べる食べ方で、屋台での食べ方ではやったそうです。また、最近多くの店でメニューに書かれてあるのが、「ツケ麺」です。このばあいは、ツケジルは、「ツユ」か「タレ」か迷います。

また、タレとして使われる味噌、醤油という発酵調味料はダシと大きなかかわりがあります。このダシがものを言うのは、麺類を「汁」に入れて食べる場合です。昨日のブログで紹介して様々な味付けのラーメンは、汁の違いです。同じように、うどんやそばでも汁がものをいいます。「料理物語」の中にうどんの味付けが書かれてあるようです。「汁はにぬき(煮貫)叉たれみそ(垂れ味噌)よし」とあります。また、そばの食べ方にも、「汁はうどん同様」と書かれてあります。

そして、「味噌一升に水三升入、もみたてふくろにてたれ申候也」というものを「生垂」、「みそ一升に水三升五合入、せんじ三升ほどになりたる時、ふくろに入たれ申候也」は、垂味噌(たれみそ)、そして、「なまだれにかつほ(鰹)を入、せんじこしたるもの也」を「煮貫」と言うと書かれてあります。これらが、うどんやそばの汁として使われていたようです。

「つゆ」と「たれ」と「汁」” への14件のコメント

  1. 今回の「つゆ」と「たれ」と「汁」。つゆと聞き、秀吉の辞世の句を思い浮かべてしまいましたが、あちらは露ですね。どの食べ方もおいしく感じてしまいますが、この形はもう一つの調理法として確立されている気がします。
    中でも「たれ」は、麺類の場合には「つゆ」という言葉を使われているということですが、その料理を考えてみるとなんとなく、うどんで言うと「つゆ」が「ざるうどん」、「たれ」が「ぶっかけうどん」、「汁」が「汁うどん」。ラーメンでも「つけ麺」、「油そば」、「ラーメン」。ですが、パスタだと、「たれ」で「ミートソース」、汁で「スープパスタ」と、「つゆ」というと、日本の料理以外は少なく感じてしまうのは私だけでしょうか。
    日本の料理の独自さと同時に、またその言葉の使い方の難しさも感じてしまいました。

  2. 好みのドレッシングはありますが、いつも使っていると飽きてくるので、結果的に様々なドレッシングをかけて食べています。メイン料理に合う、サラダのドレッシングは何かなぁと考えて決めてみるのもいいですね。また、ドレッシングやたれ等は、様々な味を楽しめるのはいいのですが、つけすぎるとかえって本来の味を失ってしまいます。過去に何度となく失敗しているので、たれをドレッシングやたれをつける時は、慎重さを忘れないようにしています。そのぶん、汁は始めから素材の味を邪魔しない程度に味付けをされている印象ですが、最近の汁は濃くなってきている傾向をも感じます。それとも、味覚が変わってきたのでしょうか。そして、「ダシ」というのは、日本独自に極めらてきたものである印象があります。昆布・椎茸・鰹節・煮干しなど、「うまみ成分」といわれるダシも、日本料理のよさを引出してくれているのでしょうね。

  3. 「つゆ」に「たれ」に「汁」にと読んでいて頭の中がこんがらがってしまいました。麺類にはつゆという言葉を使いますが、冷やし中華にはタレを使いますとありました。私は麺類のそれを汁と呼んでいました。「ラーメンの汁」という言葉の方が耳慣れしています。ですが、うどんや素麺の場合はつゆというのがぴったりきます。昆布つゆ、鰹つゆと聞くと素麺という感じがします。冷やし中華は確かにタレという感じです。最後にあの袋に入ったあれをかける時に「タレをかける」と言っているので、やはりタレです。タレでいうと焼肉のタレというイメージがかなり強いかもしれません。後は餃子のタレとかですかね。つけ麺はあまり食べることはないのですが、どん目の前に麺とつけ汁が出されたら頭のなかでなんて処理するか考えてみました…つけ麺の麺と、タレですかね。つゆという感じより、タレの方がはまるかもしれません。この微妙な言い回しの違いはやはり自然と体に染み込んでいるような感じがするといいますか、どれがどう呼ぶと考えたことがなかったので、迷ってしまう部分も多いですね。

  4. タレとツユと汁、麺にいろんな食べ方があるだけでなく、そこについてくるモノも様々ですね。タレとツユの呼び名を深く考えたことはなかったのですが、こうして読んでいるとそれらに違いがあることが分かりました。間違っているかもしれませんが、ツユよりもタレの方が味が濃く、粘度の高いモノが多いように思います。どちらかと言うと薄めの方が好みなので、ツユの方を食べることが多くなっている感じです。麺が日本に入ってきてその形を変えてきたのと合わせて、ツユやタレや汁も形を変えながら麺と共に浸透していったんでしょうね。食べ物にまつわることの歴史を探っているだけでも、このように様々な疑問が出てくるんですね。今私たちが接しているものの歴史を知ることは、その意味を知る上でも非常に大事なことですね。

  5.  お煎餅に〝サラダ味〟という種類がありますが、それは藤森先生が仰っているように、野菜を塩で食べていた時があり、その時に塩味として出すのではなくサラダ味として出した方が新鮮で美味しそうではないかということでこの名前で売り出したということを聞いたことがあります。今はマヨネーズにしてもドレッシングにしても本当に色々なものがあります。野菜を食べるというよりはドレッシングを食べているような感じで、ものによってはそれだけでご飯のおかずになるような味わいのものもあります。野菜嫌いな人にとってはとても助けになるものですね。
     タイトルにもなっていますが、「つゆ」と「たれ」と「汁」。このような微妙な、けれど確かに違いのあるものは、見過ごしてしまいます。園での新年会の鍋のことは初めて知りました。一つの鍋を囲んで過ごす時間は色々な刺激と意欲となっていきそうです。考えると鍋を〝つつく〟と言うのもまた日本人のユーモアを感じるところで、日本語の面白さや、それだけで終わらない意味合いの部分まで知ると、その奥深さも感じるところです。

  6. 〝タレ〟と〝つゆ〟と〝汁〟同じようなものですが、使う用途によって変わることに日本語のむずかしさと奥深さがありますね。
    ラーメンはつゆを使うとありましたが、自分はラーメンは汁を使っている気がします。つゆというと透明な汁で具材もあまり入ってないもののことという感覚があります。
    書いていて思ったのですが、自分はたぶん、だいたいのスープ状のものを汁と呼んでいる気がします。地域によって汁かつゆか違うとありましたが、その人の性格や生まれた家庭によっても違うのかもしれませんね。自分は大雑把な方がだと思われます。

  7. 朝食のバイキングでの、サラダにかけるドレッシング、私も迷うことがあります。私の場合はその日の朝の体調や気分的なものが大きく、関わってきます。そして、家庭でサラダを食べるときには、数種類のドレッシングを出して食べたり、様々なものへかけてみて食べたことがあります。
    ドレッシングの名前にあるように、イタリアンドレッシング、中華ドレッシング、和風ドレッシングなど、作ったものの、味、雰囲気自体も変えてしまうくらい影響力のあるものだと思います。
    タレに対してツユという存在も麺類にとってなくてはならない存在のものですね。麺が統一したものでも、ツユが変わるは名前まで変わってしまうくらいに重要なものだと思います。ツユの中に、めんつゆなどがありますが、これはぶっかけをするときやつけ麺をするときに適していると思いますが、私自身の経験ですが、麺類に使わない場合には、タレとして使うことができます。
    こういったことを考えると、ツユとタレは、どちらかがヒントとなり生まれたものか、同じ時期に出てきたものなのでしょうか。気になります。

  8. 今回のブログで最初に興味が湧いたのが、地域の違いなのか、時代の違いなのかわかりませんが、「野菜に塩や砂糖をかけて食べる」ということです。私の子どもの頃はマヨネーズでした。マヨネーズが食べたいためにサラダを食べていたような気がします。最近はドレッシングが殆どになり、手作りドレッシングにも興味があります。「付ける」や「漬ける」は今まで考えて事はありませんでした。今度から麺類を食べるときには気にかけてみたいと思います。

  9. 無事帰国しました。今回私が訪れた国にもおいしい料理が沢山ありました。おいしいのでつい食べ過ぎてしまうのですが、味は日本食ほど多様ではないような気がしました。今回ブログの『「つゆ」と「たれ」と「汁」』を読むにつけ、何とまぁ多様な、と思ってしまいます。この多様性こそは、私たち民族の特徴なのでしょう。1週間弱ホテルで朝食バイキングでした。毎食目玉焼きをつくってもらいましたが、嬉しかったのは、お醤油があったことです。ドレッシングもさまざまに用意されていて、イタリア系あるいはフランス系に通じるドレッシングだったような気がします。そうそう、今回紹介されている「ぶっかけ」、この言葉を耳にした時は、「ぶっかけ?何だそれは?」と不思議に思ったことを思い出しました。私は、東京は料理の宝庫、だと思っています。地方出身の私にとっては、日本全国はもとより全世界の料理を居ながらにして楽しめるのですから、こんな素敵な話はありません。そして、東京出身にして食に精通している藤森先生による一連のブログからは教わるところが実に多いですね。

  10. 「つゆ」は「付ける」で「タレ」は「漬ける」。普段、意識をして使い分けることがなかったので、何だかこんがらがってしまいそうです。日本語は難しいですね。私の場合、サラダのドレッシングやつけ麺にしても、かけたりつけたりするものが決まっているので迷うことはあまりないのですが、改めて考えてみると、それだけの選択肢があるにもかかわらず、選ばないことで自分自身の味の幅を狭めているのではと思ってしまいました。「つゆ」か「たれ」か、どのドレッシングを使うかを迷うだけでも、私の味の世界が少し広がりそうです。

  11. バイキングのドレッシングや自分の家で食べるドレッシングはだいたい2種類の味と決まっています。なのであまり迷うことはありません。ドレッシングは何ヶ月か好きなものを食べ、飽きてきたらもう一つに変えて月ごとに交互にしていくといった感じです。こう自分のドレッシングの使い方を考えてみるともっとおいしいドレッシングがあるのでは?と考えたことがあり違うドレッシングに冒険したところやっぱりいつものが良いと後悔します。最近ではスーパーで何十種類と増えてきているのでまた冒険してみようかと思います。ドレッシングというのはタレの部類に入るのでしょうね。「つゆ」と聞くと透明感があり「薄い」というイメージで「タレ」と聞くと「濃い」といった感じですね。「汁」はほどよくいただけるといった感じでしょうか。これらに関して普通に通り過ぎていたことを考えると違いがわかってきます。普通に通り過ぎていたことを考えると料理の発展が見えてくるのですね。

  12. 今まで「つゆ」「タレ」「汁」の使い方を深く考えたことがなかったので、使い方次第で意味合いが変わってくることを初めて認識しました。日本の言葉は改めて奥深いなと感じています。料理の種類によってこれらを使い分けるのは難しく感じますが、麺に限ったとしてもそれだけ食べ方のバリエーションがあるということなので、それはそれでとても有難いことです。私は最近つけ麺にハマっています。そして最近のラーメン屋にはどこもつけ麺がレギュラーメニューとして確立されている印象があります。そこで、つけ麺は「つゆ」か「タレ」とありました。つけ麺のスープは麺をつけて食べ終わった後、「スープ割り」を注文してスープを飲むのが一般的だそうです。また、タレには「漬ける」という意味合いよりも「かける」「からませる」という意味合いの方が私の中では強いです。あと、つゆは薄めたりしますが、タレは薄めることはしない印象を持っているので、私はつけ麺のスープは「つゆ」という表現がしっくりきています。
    うどんやそばの汁として使われていた「生垂」「垂味噌」「煮貫」のどれにも味噌が絡んでいることに気付きました。昔のうどんやそばの汁のベースは味噌がオーソドックスだったということでしょうか。

  13. 私はどうもマヨネーズが苦手だったのでサラダにかけるのはほとんどドレッシングでしたが、やはりサウザンド・アイランドも苦手でした。しかし、マヨネーズは万能調味料のため、かなり様々なところで使われていますよね。お陰様で恥ずかしながら最近になって少量なら食べれるようになってきました(笑)。たしかに「ツユ」や「タレ」「汁」という表現は特に考えたことがなく、無意識に使い分けていたような気がします。うどんやそばの汁は、味噌をベースとして水でのばしたり、煮詰めたりだしと割ったりして使っていたのですね。

  14. 「つゆ」、「タレ」、「汁」考えてみると麺に使うものはそれぞれいろんなものに「つけますね」。あと私の地域の場合はうどんにつけるものは「うどんだし」とかともいいますね。ざるそばには「麺汁」、冷やし中華にはつけダレ。「そばつゆ」ともいいますね。私のいる関西はやはり「麺汁」ではなく、「だし」が多いので、それをつかうことも多いです。たしかに改めて考えてみると何気なく使っている言葉ですが、本来の意味とは違っている使い方をしていることもあるのかもしれません。改めて、日本語の難しさと奥深さを感じます。

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