ドイツ報告2014-8

hebinokatudo ドイツの園の子ども向け週案に、ヘビの絵があります。それは、どんな活動か聞いてみると、「野外活動」だそうで、自然探検に行ったり、自然観察をする保育だそうです。それがなんで「ヘビ」の絵かというと、子どもたちの提案だそうです。内容を話して、それを表わす絵として何がいいかを話し合った結果、ヘビの絵になったそうです。どのような活動をしたか、壁に掲示されていました。
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 また、水曜日とか木曜日にあるコックさんの絵は、「子どもクッキング」の日です。ドイツには、各保育室に必ずキッチンがあります。このキッチンは、子どもクッキングの場所として使われ、オーブンでクッキーを焼いたり、サラダをつくったりします。その流しの蛇口では、決して手を洗ったり、絵の具を洗ったりには使わずに、クッキングにしか使わないそうです。手を洗ったり絵具を洗ったり、歯を磨いたりするのは、トイレの中の蛇口を使います。
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 この園は、3~6歳児66名、6~11歳児24名、合計90名の園です。幼稚園と学童が一緒になったハウス・フェア・キンダーという施設です。その中で、幼児だけが集まって活動する日が、週案の絵の中で先生を中心に複数の子どもが描かれた絵の日です。そのほか、歌を歌う活動、科学、本読みなどが週案に示されています。
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 また、この園は、各部屋が課題によって分けられています。その部屋ではどのような活動をするかが部屋の前に額に入れて掲示されています。そこには、絵本の部屋、積み木の部屋、ごっこの部屋、学習の部屋などがあります。2014heya2 (1)2014heya2 (2)その中でHortと書かれてある部屋は「学童の部屋」です。学童は午後から来るのですが、基本的には幼児も使っていいそうです。また、部屋を表わす絵の下にマスがあるパネルが入口にある部屋がありました。それは、その部屋の定員を表わしていて、その部屋を使いたい子が、マスの中に自分の写真を貼り、マスが埋まったら締切りです。しかし、見学した時には、それは使っていませんでした。それは、子どもたちが、そんなものは使う必要がないという意見が上がったからだそうです。面倒くさいし、たとえばその部屋が子どもがいっぱいになったら、定員で決めるのではなく、自分たちで調整するから大丈夫と言うのです。そこで、しばらく様子を見ているということでした。
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 ヘビの絵を子どもたちからの意見で決めたり、ルールは自分たちで決めるからということを子どもから提案されること、そして、その意見を尊重する先生たち、それが社会の形成者としての資質を備えていくことのような気がします。ですから、週案にしても、統一の一斉保育の案ではなく、その日はこんな保育が用意されていますという提案の保育内容なのです。あくまでも、何をするかは子どもたちが自分で決めていくのです。そして、その中で特に子どもたちが興味を持ちったものをより深めるために、それをプロジェクトとして保育者は、様々な環境を用意していくのです。

 プロジェクト保育という保育は、日本でも様々な形で取りいれられています。年案として、いつどのようなプロジェクトを組んでいくか事前に計画していくというやり方と、子どもの活動を取り立てて、それを膨らませるために数日から数週間、数か月の間、プロジェクトとして取り組ませるやり方があります。以前、オランダに行った時は前者のやり方、ドイツでは後者のやり方が多い気がします。

ドイツ報告2014-8” への10件のコメント

  1. ドイツの子どもたちが自分たちの野外活動を表すのに「ヘビ」の絵を用いたことを知って、ちょっと、話はずれるのですが、昨年園にやってきたウサギの名前を何するかと決める時、園の子どもの一人が「カオ」と言ったことが他の子たちにも賛成され、結局、今日に至るまでそのウサギは「カオ君、カオ君」と呼ばれています。ついつい意味を問いただしたくなる私は、「カオって、どういう意味があるの?何かの名前?」と訊いてしまいます。訊かれた子どもたちは「???」で、結局、その言い方に子どもたちが共感した、ということだけがわかりました。大人は詮索好きなところがありますが、子どもたちの世界では、言葉に発して説明しなくても、おそらくテレパシー、で分かり合えることがあるのでしょう。もし私が、廊下があって、その脇にお教室がある施設で仕事をする場合是非やりたいのが「各部屋が課題によって分け」られるようにする、ということです。「絵本の部屋、積み木の部屋、ごっこの部屋、学習の部屋など」とこうした部屋作りをしたいですね。

  2. 「ヘビの絵を子どもたちからの意見で決めたり、ルールは自分たちで決めるからということを子どもから提案されること」などが、子どもの自発性や主体性の重要な過程であり、高度なことであると思うのは、それを受け止める保育者の力量を感じたからだと思います。私も、よく子どもに話題を投げかけてみるものの、大勢の子どもたちが我先にと声を張り上げ、収集がつかなくなるなんてことがよくあるからです。一人の子どもの声に、周囲のみんなが耳を傾けられるような日々の習慣を作り上げていたり、子どものからの声を受け止め、それが発展していけるような返しの声かけをしたり、保育者ではなく、子ども自らでその園を構成しているかのような、社会を構成しているんだという責任感を、子どもが感じれるような促しをしているのかなといった印象を受けました。また、子どもからの発言をうまくすくい上げ、その気持ちが実現できるように発展させることで、子どもも自分の要望が通ったという事実で、興味関心が持続できますし、そこには自分たちの意見といった“やりとげる”意識が作り出される流れが実に自然な気がします。それが、「プロジェクト保育」でもあるのですね。

  3. またまた興味深い内容です。子どもたちに提案することから始まり、子どもたちから出てくる意見を尊重して取り入れ、それがどう展開していくか様子をみる。その保育者の姿勢こそ目指すべきもののように受け取りました。社会の形成者としての資質を備えていくことが保育園での生活の中で行われるようにしていかなければいけませんね。例えば自園で部屋の定員を決めるやり方を採用した際に、子どもたちから提案があったりするだろうかと考えてみました。やってみなければ分からないことなので、同じことでなくても似たことがあれば注意深く観察してみようと思います。

  4. 改めて子どもの可能性を無限に感じる保育です。ヘビの絵を子どもたちからの意見で決めることは納得できます。しかし、部屋がいっぱいになったら自分たちで調整するなど、ルールを自分たちで決めることが提案されることなどは、なんだか圧倒されてしまいます。日本で言えば今の小学生でも中々難しいことのような気がします。そして、その意見を尊重していく先生達の存在は、社会の形成者としての資質を備えていく子ども達をしっかりと支える重要な役割を果たしています。何より、子ども達が主体となり、子ども達が決め、子ども達がそれを守っていく姿は、既にそこに一つの社会が出来上がっているように思います。子ども達の、子ども達による、子ども達の為の保育園です。
    保育園が社会の縮図とするならば、そういった社会がドイツにはあるのでしょうか。政治的に権力を握るトップの人達が独断で決めていくのではなく、例えば国民がルールを発案し、それに伴って制度や規制が生まれていく、或いは緩和されていくような、国民を主体とした社会が広がっているのでしょうか。
    国民性も含め、ドイツに広がる土壌や風土そのものにとても興味が湧いてきます。

  5. 保育者がしかっり練る部分と子どもに考えてもらう部分とがはっきりしているような印象です。子どもに考えてもらう部分を保育者が用意している、そういう機会を作っているという感じでしょうか。子どもが主体であり、子どもの意見を尊重するという思いを保育者が理解し、共有しているからこそ、自然とそのような関わり方がうまれてくるのかもしれません。何かを計画する時に、それを子どもたちにやらせるのではなく、やってみたくなるような工夫を丁寧に考えることが大切ですね。そのためにもまずは普段の生活から子どもの意見を尊重するということは頭に入れておかなければいけないなと思いました。それは何でも子どもの言うことを聞くということではないですね。また、部屋の定員をマスをつかって決めていたが、子どもたちから必要ないという意見が出たので、しばらく様子を見ているとありました。これも子どもたちの意見を尊重した大人の姿ですね。そして、いろいろなことを試しては見直して、また試してという工夫をしている保育者の姿が想像できました。いろいろ試しながら、保育をしていくという気持ちは持っていたいなと思います。

  6. ヘビのマークの謎が解けました。以前のブログの写真に載っていてどんな活動なのだろうと疑問だったのですが、。自分たちで決めたことが、活動や決まりなど、保育園の中で反映され、また保育者もそれを尊重する。まさにそれは、一つの社会であり、そこで社会の形成者として、自主性を学ぶことは子ども預かる施設としての目的だと思います。
    しかし、意外だったのは、キッチンの蛇口の話で、そういったところもおおらかにやるのかなと思いきや、クッキングだけにしか使わず、他はトイレで洗う。メリハリではないですが、「衛生面など大切なところはしっかりと決まりを守る」ということも大切なのですね。

  7. この園での掲示や環境は子どもが主体ということがとても強く伝わってきました。写真でもありましたが、野外活動を表すヘビや部屋の定員を示す掲示に対しての子どもたち自らの意見を尊重し、反映させてあげることは子どもたちが子どもたちの中での学びを深めていけることに繋がっていくのだろうなと思いました。
    ドイツで行われているプロジェクト保育はとても素敵でした。保育者は子どもたちの遊びや活動を膨らませてあげることに徹し、子どもたちはその中で好奇心赴くままに全力で遊ぶ。そしてその遊びや活動が膨らんでいく過程、発展していく過程も伝えていけるようにも思えました。この取り組みを参考にして、日々の保育に取り入れていけたらと思います。

  8. まず、子どもたちと一緒に生活を共にする中で意見を尊重し合うということが日頃から行われてことがよくわかります。その繰り返しがあることで、子ども同士でも話を聞き入れる姿勢ができてくるのではないかとも思います。大人が意見を尊重してくれることで自発的に物事に取り組むことができることで社会の形成者に繋がるというのはとても理解できます。きっと自信にも繋がるでしょうね。 部屋を表す絵の下にマスがあることで定員を決めていたが、そんなものは必要なく、自分たちで調整するという意見が出たときに保育者がそれを理解し、どうしていくかを一緒に考えていく、それは子どもと関わるのではなく1人の人として関わっていっているようです。子どもも社会の形成者であるのですからこれからもしっかりと意見を尊重していきたいと感じます。 

  9. 現時点までのドイツ報告を見ていると、書類に関した内容が多いですね。とくに週案、そして活動の内容や様子を保護者に伝えている掲示物が多いですが、基本的にどの活動は子どもが中心となっています。大人が用意した環境に子どもが自分で選択し、活動をしていく。まさに私たちが実践している保育を全く同じですが、言い方を変えれば世界がそういう保育をしているので、日本だけが特別な保育をしているということになります。そうは言っても日本でもシュタイナー、モンテッソリー、そしてオランダのイエナプラン、ピラミッドメソッドなどの保育方法をよく聞きますが、どの保育も子どもを中心としていますが、個人的には今回のブログに書いてあるようん、プロジェクトでも子どもの自発的な活動から読み取る方法の方がしっくりきます。

  10. 「自分たちで意見を出し合い、尊重し合う。」こういったことは日本でも言われていることだと思います。しかし、「尊重し合う」といったことを子どもたちができるようになるためには保育士も姿勢を改めなければいけませんね。社会に出たときにお互いの意見を尊重するということはとても課題になってきます。小さいときからこういったことを経験した子どもたちが作る社会はとても理想に近いのではないでしょうか。そのための保育環境であり、理念であるということを改めて感じました。

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