人手不足対策

ドイツに行く前に、保育園・幼稚園の人材確保の困難さと、離職率の高さについて書きました。保育者へのなり手がないのは、ドイツでも同じですが、離職率についてはずいぶんと事情が違うようです。それには、今の若い人は、様々な社会、様々な人、様々な年齢差を持った人との関係の経験が少ないことが考えられるということは書きました。しかし、それらは、若い人を含めて本人の問題ですが、一方、事業者側にもいろいろな問題があるようです。それは、最近の傾向として、何も保育園だけでなく様々な企業における人手不足と同じ傾向を見ることができます。

それに対して、様々な企業では働き方、従業員への考え方の見直しが行われています。それは、以前のブログで書いたユニクロの変革に見ることができます。こんな記事も目にしました。「スタバ、正社員登用の理由 働き方改革、競争力の源に」というものです。その内容は、「暴利をむさぼっているのではないか」と、中国の国営放送局が昨秋、米スターバックスのコーヒーの値段が不当に高いと批判しました。この批判によって、スタバは「外資たたき」の標的になりかけたのですが、そこに思わぬ援軍が現れたのです。

その援軍とは、ネット市民や他の中国メディアだったのです。結果、「スタバは快適な空間を提供している」といった意見も広がり、批判は下火になりました。スタバのサービスの質への支持がピンチを救ったのでした。それは、最近、強く感じます。私の園で、来年区からの要請で学童クラブを廃止して、定員を1.5倍に増やさないといけないのですが、それに対して、保護者達は理解を示してくれて、質を落とさないだろうということに信頼を寄せてくれています。また、地域が様々なことに協力的なのは、地域の人から園の保育の質が高いということから信用があるからだと言われました。では、その質は、どこから生まれてくるのでしょうか?スタバについての記事を読むと、全く私の園にも言えることでした。

スタバの競争力を支えているのが、従業員の強い忠誠心を生んだ企業風土であるといいます。アメリカは「投資家利益が最優先」という考え方が強いのですが、スタバは従業員向けの福利厚生などを充実させ、働く場所としての魅力を高めてきました。それは、日本法人も同じ考え方を持ちます。今春、コストが増えることは覚悟の上で新しい人事制度をつくり、契約社員約800人を正社員に登用しました。

では、現在の人手不足は、このスタバの決定にヒントがあるのでしょうか?人材を引きつけ、その人材をどうすれば生かせるのか、といった経営の基本が、人手不足を背景に改めて問われるようになってきています。今回のスタバの決定も、サービス業や建設業で深刻になっている人手不足への対策と思われがちですが、実は、現実は少し違うようです。

スタバ日本法人で人事・管理担当の荻野博夫執行役員は「人事制度見直しの着手は3年前。人手不足がきっかけではない」と話しています。事実、スタバ社員の定着率は高いのです。厚生労働省によると、新卒の3年以内の離職率は大卒で30%ほどですが、スタバは5%未満だそうです。新制度で意識したのは契約社員の待遇改善だけでなく、平均年齢が35歳に上がった正社員の働き方の改革も重要なポイントなようです。