ドイツ報告2014-14

 私たちの世代は、ドイツというとまず「医学」を思い浮かべます。医者のカルテはドイツ語で書かれていました。そのカルテという言葉自体も、医学用語の、ガーゼ、レントゲン、クランケ(患者)、オペ(手術)などもドイツ語です。また、車の世界でも日本でも人気の高いブランドがどいつでは勢揃いしています。スポーツカーの代名詞ともされる「ポルシェ」を筆頭に、「フォルクスワーゲン」「アウディ」「メルセデス・ベンツ」「BMW」「アルピナ」「AMG」「オペル」などが並びます。
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 このようにイメージでは、ドイツという国は科学が優れているというイメージがあります。ですから、ドイツの幼児教育で科学に重きを置くのは当然であるような気がします。しかし、これら科学への取り組みは、立派な科学者を、優秀な人材を育てることが目的ではないという説明がされました。「興味、関心を持って、楽しく遊べるか」が課題であるということでした。
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 ですから、今年1年間のテーマは、「遊びにはどんな力が必要か」「それを使ってどんな遊びが広がるか」などを、子どもたちの興味・関心から引き出していくというものだそうです。そして、来年のテーマについて聞いてみました。今年度は、ドイツでは今月7月に終わるからです。すると、たぶん「世界の旅」になるのではないかということでした。それは、今年のワールドカップの開催に際し、子どもたちが世界に興味を持ち、様々な世界について関心を持っているからだそうです。
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 そして、子の湯女毎年のテーマをつないでいくと、陶冶プログラムである「バイエルン」に起因する目的になっていくという説明がありました。毎年のテーマも、バイエルンが関係しているのですね。そのために、巡回指導があるそうです。それは、行政に人が現場を知るということもあり、情報提供、サポート、変化の分析をしながら次の年につなげるアドバイスをするそうです。

2014kagakutana4 また、自然科学、テクノ(技術)を富裕層、貧困層を含めてすべての子どもたちに同じ機会を与えていこうということで財団が設立され、その財団が、現場での活動を支えるために指導者の育成、また、皆の知恵を集めて教材開発をしているそうです。そこで開発された教材は全園に無料で配布されます。また、指導者は、学術的高レベル(系統立てる能力)を習得した人だそうです。

 今回のドイツ研修で、新たな視点が、3~6歳児の幼児教育と一緒になった学童クラブです。0~3歳児の施設と、3~6歳児の施設の一体化がコープという新たな施設の登場で行われているところ、今年は、3~6歳児の施設と、6歳児から11歳児の施設の一体化が行われていることを知りました。その意図を考えました。それは、たぶん、ほぼ供給率が100%近くになった3~6歳児の施設に対して、非常に待機児の多い乳児と放課後児童を一体化した施設をつくることで、解消しようとしているのでしょう。日本でも、もしかしたら、幼保の一体化には、待機児解消策もあったかもしれませんが、結局は3歳以上児のみが定義付けられてしまい、幼保の思惑が大きく影響してしまった施設になった気がします。それは、もしかしたら、バイエルンのような、幼児教育の質のスタンダード化がされていないことも原因の一つにあるのかもしれません。一体化は、まず、質の一体化から行わなければ、子どもにとって望ましい施設は作られていかないのかもしれません。