ドイツ報告2014-11

 私たちのドイツツアーのメンバーは、同じ保育を目指す人たちですので、ドイツに共感することが多いようです。異年齢保育、コーナー保育、こんなやり方もあるのだ、こんな環境があるのだ、こんなかかわり方もあるのだ、と様々な部分が参考になります。また、意を強くすることも多くあります。いいとわかっていても、まだまだ日本では特殊な保育と思われがちですが、ドイツに来ると、スタンダードであることから、このような保育に確信を持ちます。

園庭で遊ぶ子どもたちを遠くから見守る。

園庭で遊ぶ子どもたちを遠くから見守る。


 そんなメンバーが、今回のツアーの中で衝撃を受けたことが二つありました。その一つは、保護者との関係です。日本では、保護者からの苦情に振り回されています。例えば、子どもが怪我をした場合に、保護者から「何でけがをさせたのか?」「見ていたのか?」などと追及されます。ですから、メンバーからの質問に怪我をさせてしまった時の保護者対応についてありました。まず、基本的には、子どもの怪我はほとんどないそうです。それは、年齢別一斉保育をしていないために、子どもたちに自己管理ができていることです。日本では、よく、異年齢で保育をしたり、子どもたちが自由に生活するような保育に対して、子どもをよく見ることができるのか?このような保育をしているから怪我が多いのでは?という疑問を持つことが多いのですが、圧倒的に一斉年齢別保育をしている日本の子どもの方が怪我が多く、しかも、安全対策が強化される反面、その数は年々増えています。ドイツのように、危険を排除するやり方から、危険を自ら回避する能力を付ける保育に早く変える必要があるような気がします。
園庭には危険なものがゴロゴロ

園庭には危険なものがゴロゴロ


また、もし怪我を子どもがしてしまった時にも、ドイツでは、「保護者からの苦情はない」といいます。「その後、きちんとケアしたのか」ということが保護者にとって重要であり、怪我をしたこと自体は園の責任だと思っていないようです。それは、もちろん家でも怪我をすることもありますし、ある程度の怪我は子どもの成長に必要であるということを国全体で合意していることだからです。冷静に考えてみてもわかりそうなことですが、もし子どもが歩いていて、躓いて転んでひざをすりむいた時、「見ていたのか?」と言われても、どうしようもありません。また、私が孫と歩いている時でも、危ないからと手を繋ごうとしてもそれを振り払って走り出し、転んで怪我をすることがあっても、その後の治療をどうするかが問題であって、手を繋いでいたか?見ていたか?と言われてもどうしようもないと思うのですが。
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やはり、このような保護者との関係は、ドイツのように普段から保護者も保育に参画する意識、また、園の送り迎えの時にも子どもと一緒に過ごす時間を共有することなどが必要です。預けたら、もう園の責任、保護者に返したらもう保護者の責任という意識は変えていかなければ、子どもの生活はますます萎縮してしまう気がしています。また、一斉、管理的保育がかえって子どもの怪我を増やしているということも保護者にわかってもらいたいと思います。子どもたちは町の中では、段差や凹凸のある道を自分で歩かなければなりません。段差をなくすことではなく、段差を乗り越える力が必要なのです。これは、様々なことに言えることです。
園庭には地域の道を再現

園庭には地域の道を再現


もう一つ、ツアー参加者にインパクトを与えて保育に、「小さな研究者たち」という取り組みです。