ドイツ報告2014-10

 私は、今回のドイツへはツアーを組んで行くのは12回目です。他にドイツには、3回訪れています。そのほか、アメリカ、イギリス、デンマーク、フランス、イタリア、オーストリア、フィンランド、ノルウェー、カナダ、中国、香港、などの保育施設を訪れたことがあります。それらの国へは、ほとんど保育施設訪問ツアーの参加です。そして、その主催は、すべて、保育団体によるもので、どこかの業者主催のものはありません。それらに参加することで、海外への保育施設見学ツアーに疑問を持ち始めました。

アメリカの保育室

アメリカの保育室


 当時、訪れた国々の保育は、中国、香港を除いてすべて異年齢保育で、コーナー保育でした。しかし、参加した園長先生たちは、自分の園をそのような形態の保育に変えようとせず、また、そのような保育によってどのような子どもを育てようとしているのかをあまり考えようともせず、保育室の細かいパーツに感心し、物の豊富さに感心し、何か、素晴らしい景色、建物を見て歩く観光と変わりない気がしました。また、主任さんたちのツアーに参加すると、外国の子どものかわいらしさに目を奪われ、そこでの保育の進め方にはあまり影響を受けていないようでした。
異年齢で製作

異年齢で製作


 もしかしたら、ずいぶんと影響を受けて、自分の園を改革した園もあるかもしれませんが、見学してどう思ったのか、どこがよかったなどの聞く機会がなかったので、よくわかりません。それは、私が参加したツアーだけでなく、大学の教授たち、政府の役人、また、幼稚園の園長先生たちがよく海外視察に行く話を聞きます。それは、ずいぶんと前から行っていると思いますが、なぜ、日本の保育が欧米の保育とかけ離れてしまっているのでしょうか?逆に、あまりにかけ離れているので、どこか遠い世界での話だと思って、自分の園に取り入れることに躊躇してしまうのでしょうか?
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 それに対して、私は、子どもを見ているうちに、保育を積み重ねるうちに、どうも今までの保育はどこか違う、子ども主体と言いながら保育者主体の部分が多く、また子どもの自発的活動を促すと言いながら、保育者主導の保育をしています。また、環境を通してと言いながら、子どもに刺激を与える環境が用意されていないことも多く、そして、何よりも少子化になり、核家族化になり、地域とのつながりが薄くなって、そこでの役割が希薄になることにより、子どもの発達にひずみが起き始めてきていることに対して保育を見直そうとせず、過去からの保育を守ろうとする。また、次々に新しい科学的知見、脳科学からの知見が示され、西洋化された育児から伝統的育児が見直され始めてきていることに対しても、自分が学んできた保育の知識を見直そうとはしないなど、疑問を持ち始めました。そして、試行錯誤しながら、自分なりの保育を構築しはじめたころ、ある広報誌でドイツの保育を知って、行ってみることにしました。すると、環境を見ても、保育を見ても、園長先生の話を聞いても、あまりに目指すところが近く、納得いくことばかりでした。そう思って振り返ってみると、それまで訪れた欧米での保育が共通していることがわかったのです。
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 例えば、異年齢で過ごす、各部屋に様々なコーナーが用意されている、保育者は子どもを見守っていることが多く、子どもは自主的に行動しているなどは、たぶん、今回のツアーに参加した人たちは特に驚くことはなかったと思います。というのは、それらは、私たちのメンバーは共通して行っている保育形態だからです。ですから、このドイツ報告でも、そのあたりの保育について報告したところで、あまり意味がないので、そのような保育を前提として、その保育に参考になるところを報告することにしています。