ドイツ報告2014-7

bia3 ドイツのミュンヘンでは、ビール好きにはたまらないほどビールを昼間からよく飲みます。道をある糸いると、いたるところにビアガーデン、ビアホール、オープンカフェでビールを楽しんでいる人たちを見かけます。しかも、昼間からよく飲んでいます。仕事はどうしているのか疑うほどです。しかし、ほとんど、いわゆる「酔っ払い」には出会わしたことはありません。気分を悪くして道の端にしゃがみ込んでいたり、人に絡んだり、フラフラとぶつかりながら歩いている人を見たことがありません。私の園のある高田馬場駅周辺は、学生の街ということもあるかもしれませんが、そんな人を多く見かけます。ドイツのビールは度数が低いのかと思うとそうでもないのです。
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 今回、こんなにビールを飲むのに、どうして酔っ払いが少ないのか観察してみると、オープンカフェやビアガーデンで飲んでいる人を見ると、意外とビールではなく、ソフトドリンクを飲んでいる人も多いのです。ジュースやコーラ、ドイツでよく飲まれている飲み物に、自転車ビールといって、ビールを炭酸で薄めた、アルコール度が少なく、これを飲んでも自転車に乗ってもいい飲み物や、オレンジジュースをコーラで割ったものや、ある場所では、ごっつい男性の多くが、こってりとしたパフェを食べているのを見ました。ドイツ人は、ビールも好きですが、炭酸、甘いものを好きなようです。
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 ですから、あまりアルコールには強くない人は、きちんと自己管理ができていてビールは控えているようです。無理して、付き合いだからとアルコールに弱かったり、悪酔いをするような人が飲むようなことはしないのです。これは、幼児期から自制心と自律をつけている成果かもしれません。もう一つ、特徴があります。このように人が集まる場所で、スマホとかゲームをしている人を見かけたことがありません。それは、電車の中でもスマホをいじっている人を今まで一人も見たことがありません。一度だけ街中で見かけましたが、アジア系の人でした。以前、韓国に行った時には、日本以上に電車の中でほぼ全員スマホを触っていました。ドイツは、直接話したり、議論をしたり、談笑したりするのは好きな国民なので、ひとりでゲームをやっている姿は見たことがありませんが、子どもたちはどうなのでしょう。
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 そんな、人との関係を学ぶ保育がドイツでは行われています。月曜日、火曜日の月案を見ると、4種類の顔の表情が書かれてあるカードがあります。これは、「感情教育」と呼ばれる保育です。ます、子どもどうしの関係や、何かに遭遇した時、悩んだ時などを表わす写真が入ったボックスがあります。2014hyogen2そこから1枚を選んで、保育者がその場面についてこの子は、どのような気持ちかを子どもと考えます。2014hyogen32014hyogen4私の園にも、感情パネルというものが3,4,5歳児の部屋にあり、子どもたちが自分の感情が整理できないときに、そこに行って、自分の今の気持ちをあらわしているパネルに自分の名前の書いた洗濯ばさみを取り付けるものです。そのパネルは、「怒っている」とか「眠い」とか「疲れている」という負の状態だけでなく、「楽しい」とか「うれしい」などの正の状態を表わすパネルもあります。

 このようなパネルを他の園で見ましたが、そこは表情が3種類だけでしたが、感情教育では、もっと細かい感情表現を一人一人の子どもに対して考えさせているようです。
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ドイツ報告2014-7” への10件のコメント

  1. きちんと自己管理をしてビールと付き合う姿勢は幼児期からの自制心と自律をつけている成果かもしれませんという言葉に納得させられました。確かに日本人は自分の許容量の限界を越えた付き合い方をする人が多いのかもしれません。断れずに、その場のノリでというようなことはよく聞きます。スマホやゲームをしている人がいないというのにも驚きました。私も外出先で、気がつくとスマホをかまっていることがよくあります。電車の中、食事をしているときなど日本ではありとあらゆる場面でスマホをかまっている人を見ることができますね。友達と2人で食事をしている人がお互いにスマホを操作しているのもよく見ます。小学生でもDSを片手に買い物をしたり、歩いているのをよく見ます。ですので、どの国でも当たり前なのだろうと思っていましたが、ドイツではそうではないのですね。それらのことが幼児期に関係しているのではと考えると、そうなのかもしれません。自分で何かを決めることができなかったり、人と関わる楽しさ、関わり方ということを忘れてしまった日本の幼児教育の影響が今の大人の姿にも表れているのかもしれませんね。感情教育というものが確立されているのですね。人の気持ちを知るためにも自分の気持ちを知るということは大切ですね。大人になった私でも自分の本当の気持ちに気がついていない、それを理解できていな部分はあるように思います。

  2. 確かに、ヨーロッパに行って、ぐでんぐでんに酔っぱらった人をみかけたことはあまりない、いやないような気がします。ヨーロッパ人は日本人に比べてアルコールの処理能力が高いなどときいたことがあるような気がします。私はビールを一杯飲んだだけで顔が赤くなるタイプですが、私のように赤ら顔の人もあまり見たことはありませんね。「あまりアルコールには強くない人は、きちんと自己管理ができていてビールは控えているようです」・・・おっと、これは耳が痛いですね。「自己管理」、これは私自身の死ぬまでの課題です。反省、反省。さて今回は「自転車ビール」なるものの存在を知りました。もっとも、私としては、「飲むなら乗るな、乗るなら飲むな」ですからビールを薄めにしても自転車には乗らないことにしています。さて「感情教育」というのは我が国ではあまり耳にしない教育ですが、これは重要なことだと思います。相手の感情を思いやることは「ミラーニューロン」の訓練にもなるでしょうから人間の行為を改めて学ぶとうい良い機会になるのでしょう。

  3. ドイツと日本の違いは、アルコールに対する「自制心と自律」からも、感じ取ることができるのですね。人と直接話したり、議論をしたり、談笑したりすることが好きな人たちであれば、なおさら、酔いつぶれて人と話せる貴重な時間を失いたくないときっと思うでしょうね。以前、友だちとのトラブルで、声を荒げて感情をあらわにしている子どもに、園にある感情表現パネルの表情の中で、今自分はどの気持ちであるのかを聞いてみたことがあります。その時は「教えたくないっ…」と言って答えてくれませんでした。しかし、後日、その子どもが「先生、今の気分はいいよ。」と自分の感情を伝えてくれました。表現パネルがあることで、自分の感情を見つめ、自分と向き合うきっかけになっている様子が感じられました。今、自分がどんな表情で、どんな気持ちになっているのかは、相手を通して見ることができるのだと思います。そのような関わりの中で、自分を振り返るきっかけになる「感情教育」は、結果的に他者理解へとつながっていきそうです。

  4. ビール好きには、本当にたまらない国です。しかしそこにも、ドイツの幼児期から自制心と自律をつけている成果が垣間見えます。アルコールという中毒性のあるものにも負けない心が育まれていると同時に、祖国の文化であるビールを本当の意味で愛している、誇りに思っているような姿であると感じました。
    僕はスマホにしても、ビールにしても、過剰なまでにそこに固執してしまうのは、寂しさからくるものであると思っています。アルコールに依存してしまう人の中に、人間関係において負の感情をもった人の多さが挙げられると思います。東北地方太平洋沖地震後、仮設住宅に住む人の中で深刻な問題になっているのが、アルコールに対する問題であると、報道されていました。寂しさや、やるせなさを晴らす手段が他にとても少ないのです。ストレスとアルコールの相性は非常に良いとされています。
    またスマホにしても、ネットの中で匿名で本音を言う習慣が生まれ、人との直接的なコミュニケーションを避け、スマホを通して間接的に関わろうとする。ゲームにしても、ゲームのもつ楽しさそのものがそこに在るとはいえ、他者と関わりたくても関われない寂しさも要因の一つになるのではないかと考えます。直接話したり、議論をしたり、談笑したりするのが好きな国民性がある中で、人との関わりではない何かに依存してしまうこと自体が、ドイツの人たちには少ないのかもしれません。
    喜怒哀楽を表わす絵、感情教育はとても興味深いです。人の表情や姿からその人の気持ちを想像して汲み取るという練習を重ねていくことは、大変意味のあることです。表情を読み取る脳の働きについて聞いたことがありますが、例えば怪我をした人が「大丈夫です」と言ったとして、表情を読み取る脳が発達している人は、大丈夫そうではないな、とても痛そうだ、ということが読み取れるのですが、表情を読み取る脳が未熟な人は額面通りに言葉を受け取ってしまい、大丈夫なんだ、と本当に思ってしまうということでした。ドイツの子達は、感情教育などの保育などからも、人との関わりや、人の気持ちを理解する気持ちを育んでいるのですね。

  5. 感情教育のあり方は興味深いです。以前のドイツ報告で感情パネルのことが書かれていましたが、それから更に進んでいるように感じます。ドイツではどんなことが重要と考えられているか、この感情教育のあり方からも感じ取ることができます。ビールの話もスマートフォンの話も同じです。社会としてどのようなことに重きを置いているかで人々の様子や街の様子も違ってきていることには、当たり前とも思いますが、やはり学ぶべきことは多いですね。自分を律することを学んでいくことや人との関わりを大事にすることなど、乳幼児教育のあり方も大きく関わってくる部分だと読ませてもらいました。

  6. 幼児期からの自制心を養うことで大人になったときに無理してお酒を、飲まなければと思うこともなくなり、無理強いをさせることもなくなるのですね。そういったところまで繋がるとなるとやはり長いスパンで見た時に幼児期からの成果というのは大切だと感じます。スマホも日本ではほとんどの人が道端、お店でにらめっこをしているのをよく目にします。ドイツで行われている感情教育というのは是非子どもたちと実践していきたいと感じます。特に写真なのどでこの状況のときにどんな気持ちになる?などというのはやってみることで様々や気持ちが子どもたちから出てきそうですね。感情表現パネルをうまく使い自分の気持ちを知ることで相手のことを思いやれることを知ったり、話すことの楽しさを知ることで自然と談議や談笑が増えていくのでしょうね。

  7. 「人との関係」を大切にしているという所が国柄として出ているのですね。
    今回の写真もそうですが、ドイツのイメージ的にも、日本のようにお酒でつぶれている人のイメージや、人前でスマホをいじっているとイメージはありません。一人一人がコミュニケーションを楽しもうとしている。日本も見習いたいところですね。

    「感情教育」という自分の気持ちを表現する・伝えるというのは「人との関係」の中で基本で、人との関係を学ぶことがしっかりと保育の中に意図されていることがわかりました。
    しかしながら、話を聞けば聞くほど、わが子もそういった環境に入れられたらと考えてしまうのは親バカなのでしょうか。

  8. 確かにミュンヘンでは昼間からビアガーデン等でビールを飲んでいる方々が多かったですね。最終日前日の1日フリーの日に1人だけ昼間から泥酔している方を見かけましたが、アジア系の方でした。ドイツの幼児教育の成果の表れがこのようなところにも出るのには驚きです。それほど自制心や自律、自己管理能力が大切であるということですね。
    「感情教育」と呼ばれる保育は相手の気持ちにも気付くきっかけとなったり、自分がそういったシチュエーションに遭遇したとき、または振り返ったときにとても役立つなと思いました。何より、友達の気持ちに寄り添えたり、相手を思いやる気持ちも育まれていくようにも感じました。子どもが子どもたちの中で学びを深めることも大切ですが、「感情教育」のように時には大人が介入して、子どもと一緒になって考えたりすることもまた大切であると思いました。

  9. 以前、私もドイツ研修に参加した際には昼食からビールをいただきました。なかなか日本人の習慣で昼間からビールというのはBBQやお祭りなど特別な日以外は私はないので、写真のようなオープンテラスで青空の下で飲むビールは美味しいでしょうね。だからと言って飲み過ぎの人はいないというのは、その国の教育が表しているという発想は確かにそうかもしれません。後輩と話した時に社会人になるとお酒やタバコは先輩に付き合う物と思っていたと聞きました。おそらく企業などでは、そういう場面が多いでしょうね。藤森先生が言われるように、幼児期から自制心と自律をしっかりと身につけている為、自分で選択できるのでしょうね。そして基本的に一人でなく、数人で集まって会話をしていたり、電車の中でも同じで、ドイツの人達からすると当たり前の光景であれば、日本のように電車でほとんど人がスマホを操作している光景をみると驚くでしょうね。ただその辺は文化があるのでどちらが正しいか分かりませんが、ドイツのように人との会話や関わりを積極的にする国民性は素敵だと思います。乳幼児期から人との関わりを学び方として日本では道徳にあたるのかもしれませんが、その前段階として、写真から子どもの気持ちを伝えたり、自分の感情を知るパネルであったりと、人との関わりを学ぶ基盤が大切なのかもしれません。

  10. 「幼児期から自制心と自律をつけている成果」「自己管理がしっかりできる」う~~ん、耳が痛いです。初めて、ドイツ研修に参加したときに、初日からビールをいただき、すぐ寝てしまったことを思い出しました。確かにそのときを見ていても、酔いつぶれている人やフラフラに酔っている人は見かけませんでした。そんな様子からもドイツと日本の違いが見えてくるのはおもしろいですね。海外に比べると日本は「お一人様文化」が定着してきていますね。それはスマホの例だけではなく、よく講演にも出てくるように「ひきこもり」にも言えることではないでしょうか。どこかでコミュニケーションを取ることが難しいようになったのはやはり教育に問題があるのかもしれません。乳幼児期から「感情教育」をしているドイツを見ても、コミュニケーションに向ける重要性は日本とは大きく違うように思います。その姿勢は見習わなければいけないですね。

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