主食と小鉢

 免疫力を高めるために、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスを取ることが大切ですが、それを食事で意識してほしいのは、副交感神経を優位にしてくれるものを摂取するようにすることだそうです。例えば、マグネシウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルを摂ることです。それらは、海藻、野菜、玄米に多く含まれるので、小鉢を海藻系にしたり、注文するごはんを白米から精米度の高いものに変えるのも有効だと笠井さんはアドバイスをします。

 そして、こんなアドバイスもあります。「コンビニなどでお弁当を買うときに、どっちにしようかな?と悩んだら、塩分量ならぬナトリウム量をチェックして、低い値の方を選ぶというのもいいだろう。ナトリウムの過剰な摂取は、交感神経を刺激して血管を収縮させ、心身を興奮状態にしてしまう。午後、腰をすえて取り組みたい仕事があるときも、ナトリウム量をチェックしてみて損はない。」

 また、海藻、野菜、玄米には、消化管の働きを高めてくれる食物繊維が多く含まれているので、副交感神経とのバランスをとるのにとてもいいそうです。こうして体内がちゃんと活動してくれれば、体温も上昇します。一時、高体温が免疫力を高めるということが話題になりました。体温が1度あがると免疫力が30%上がると言われているのです。それは、体温が上がると血液の流れがよくなります。血液は私たちの体を構成する約60兆個もの細胞に栄養と酸素を送り届け、代わりに老廃物を持ち帰る働きをしています。その血液の中に、免疫機能を持った白血球が存在し、その白血球が体の中をめぐることで、体の中の異物を見つけています。そこで、血流がよいということは、異物が入ると、すばやく白血球が集まり、それらを駆除してくれるのです。

 また、食べ過ぎない、飲み過ぎない人の免疫力が高いのは、必要以上に交感神経を高ぶらせないからだそうですし、よく食べる年配の人の免疫力が高いのは、ちゃんと熱量をうんでいるからでもあるからだと言います。しかし、ストレスがかかると暴飲暴食してしまう人は少なくありません。そんな時に気を付けること、簡単にできることも笠井さんはアドバイスをしています。

 最近はコンビニでも雑穀ごはんを気軽に選べるようになったので、主食を徹底してかえる、というのも難しいことではありません。しかし、家でごはんを食べる時には、ごまや海苔をごはんのお供にする、というのがおすすめだそうです。特に、ごまはなんにでも合わせやすい割には、成分の約50%が脂質、というだけあって、(といっても、避けたい飽和脂肪酸ではなく、積極的に摂りたい不飽和脂肪酸を多く含み、動脈硬化を予防する)サラダにふるだけでも満足感を増してくれるからダイエットにも良いそうです。しかも、若返りのビタミンであるビタミンEに富み、鉄分、カルシウム、マグネシウムも豊富ですし、また、食物繊維に関していえば、食物繊維の王様、ごぼうにも引けをとらないと言われています。

 さらに、緑黄色野菜とごまを一緒に食べると、緑黄色野菜のビタミンCがごまに含まれる鉄分の吸収を助けてくれる上に、ごまに含まれる油が緑黄色野菜に含まれるβ‐カロテンの吸収力を高めてくれます。ですから、ほうれん草の胡麻和えなどはベストマッチだそうです。

 笠井さんは、「自分の意思で自律神経の動きそのものをコントロールできなくても、食べ方や生活次第で遠隔コントロールすることはできる。主食を変える?ごはんのお供にごまや海苔を常備する?小鉢を増やす?といったなかのひとつを実践するだけでいいのだ。習慣にできそうなことをみつけて、ここぞというときにチャンスをつかめる体づくりをしていきたい。」と最後に括っています。