食道具

「キッチンの歴史」ビー・ウィルソン著という書籍があります。この本の説明が、アマゾン他にはこう書かれてあります。「美味しい料理は道具で進化した!食の歴史はテクノロジーの歴史だ。古今東西の調理道具の歴史をたどりながら、それらが人々の暮らしや文化にどのような影響を与えてきたのかを読み解く。」

 確かに、以前のブログに書いたように土器の発明が人間の食のあり方を大きく変えました。また、料理道具だけでなく、食事の道具も食生活を変えてきたことでしょう。日本では箸を使用することによって、食べ物を挟んだり、広げたりする文化が生まれました。フォークは、食材を刺す、スプーンは、食材を乗せるようになり、汁物もすくえるようになりました。このように、調理道具や食事用具を考えることで、食の歴史を知ることができ、その国の歴史や文化を知ることになるかもしれません。

 また、この書籍の説明にこんなことも書かれてありました。「道具の進化によって、料理は使用人ではなく自らが行なうものとなり、また楽しむものとなった。ローマ人はフライパンで揚げ物をつくり、20世紀に入るまではオーブンの温度は手の痛みや紙の焦げ具合で測定し、フォークは17世紀にイタリアから広まった……。」ここに書かれてあるように、調理道具の進化は、料理の作り手の変化ももたらし、調理の楽しさも生んできたというのです。さらに、人類の味覚や嗜好まで変えていったということが書かれてあるようです。この書籍の説明に、こう書かれてあるものもありました。

 「キッチンに並ぶスプーンや包丁、鍋釜、計量器具、泡立て器、コンロ、フードプロセッサー、電子レンジ、冷蔵庫といった料理道具の数々は、どのように発明され、改良されてきたのか?こうした新たなテクノロジーが、食材の調理方法や人類の味覚や嗜好、さらには食習慣や食文化を、どのように変化させてきたのかを読み解く、誰も書かなかった料理道具の歴史!」

 なんと、食の歴史はテクノロジーの歴史であり、それらが人々の食習慣や食文化を変えてきたというのです。私は、直接読んでいないので、偉そうなことは言えませんが、この本の目次をみると、どのような流れで考察しているかが窺えます。「第1章 鍋釜類」「第2章 ナイフ」「第3章 火」「第4章 計量する」「第5章 挽く」「第6章 食べる」「第7章 冷やす」「第8章 キッチン」とあります。

1章の「鍋釜」は、土器の発明と同様なことが起きたはずです。また、「ナイフ」の発明によって、食材の大きさが細かくコントロールできるようになり、かなり食文化は変わっただろうと思います。もちろん、3章の「火」は、人間の食の特徴を形作ったでしょう。面白い調理器具が、4章の「計量する」です。このあたりのもくじから、この本を読んでみたくなりました。確かに、食材の量を測るようになることで、どのように食文化が変わっていったのでしょう。子どもクッキングを園で行いますが、計量するという行為を意識していれた方がいいかなと思います。

この本の著者であるウィルソン,ビー[ウィルソン,ビー]さんは、1974年イギリス・オックスフォード生まれ(まだ40歳)で、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで博士号を取得後、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジの特別研究員として政治思想史を研究。1998年から2003年まで『ニュー・ステイツマン』誌のフードライターとして健筆を揮っています。現在は『サンデー・テレグラフ』紙に毎週、食に関するコラムを寄稿しています。この功績により、「ギルド・オブ・フードライターズ」から年間最優秀フードジャーナリストに3度選ばれました。

こんど、実際に読んでみますので、その時には内容をもう少し詳しくこのブログで書くつもりですが、今回は、日経新聞に書かれてあった批評を取り上げてみます。