自殺対策

 日本の自殺率は、最近は減少傾向にあるようです。さらに範囲を広げた国際比較では、日本は、リトアニア、韓国、ロシア、ベラルーシ、ガイアナ、カザフスタン、ハンガリーに次ぐ世界第8位の自殺率の高さとなっています。しかし、日本と韓国を除いては、国内の混乱が続く体制移行国ですので、日本の自殺率はやはり異常な値であるといわざるを得ません。しかも、最近は、若者による自殺が増えているようです。

しかし、自殺数でいえば、日本では、毎日90人もの人たちが自殺で亡くなっていると言われています。しかも、未遂者は既遂者の10倍はいると言われていますから、それを加えると、自分から命を絶とうとする人の数はかなりの数に上ります。その数は、交通事故死者数の5倍以上であり、イラク戦争で亡くなった米兵の10倍であると言われています。

 また、自殺率でいえば、アメリカは日本の半分以下、イギリスは3分の1ですが、各国ではその対策に力を入れています。日本でも対策をしています。昨日の新聞に、「自殺予防呼びかけ 県内各地で啓発活動」ということで、自殺者の増加に対し内閣府が定めた3月の自殺対策強化月間を前に県内各地で啓発活動や講演会などが繰り広げられている様子が掲載されていました。

 たとえば、三重県名張市のマックスバリュー名張店では、市職員ら6人が「あなたの力で救えるいのちがあります。こころのSOSに気付いたら、1人で悩まずにご相談ください」と書かれたポケットティッシュを配布したようです。3月が自殺対策強化月間であるということは、月別自殺者数が多いことから平成22年に定められています。

 アメリカでは、日本の半分以下ですが、「米国むしばむストレス社会」ということから、働き盛りの自殺が増えていることから、学校で講習、予防を行っているということが先日の日経新聞に取り上げられていました。

 対策を急いで行ったのは、昨年夏、米疾病対策センター(CDC)が発表した自殺者数に関する調査が米国社会を驚かせたからのようです。自殺者数が交通事故の死者数を上回っていたうえ、働き盛りの35~64歳の世代が自殺者数を引き上げていたからです。米国で自殺は、薬物中毒や肥満の対策より後回しにされがちでしたが「若いうちからの予防が大切」ということで、高校などでの講習が広がっているようです。

 実は、米国が本格的な自殺統計をまとめるようになったのはここ15年ほどです。CDCの発表によると、2010年の自殺者は3万8364人で、交通事故死より約5000人多かったのです。しかも、35~64歳の自殺率(10万人に占める自殺者の数)は99年に13.7だったのですが、10年には17.6に上昇しました。特に50代、なかでも男性の自殺率の上昇が顕著だったそうです。

 サマリタンで予防策を担当するロン・ホワイトさんは、47~60年生まれのベビーブーム世代は、将来は輝かしいと思って育ってきたものの、親の介護と就職が決まらない子どもの世話に追われ、自らも失業する事態が多くみられ、そんな境遇で鬱に陥る例が多いと言います。「この年代の男性は『男は強く、弱音をはかない』との観念にとらわれ孤立しがち」と話しています。

 このような状況の中で、高校生を対象に講習会を開いているのです。予防策とは、どのような内容の講習会なのでしょうか?