新しい民族

毎晩のように流れた冬季オリンピックが終わりました。どのくらいの国民がテレビでオリンピックを見ていたのでしょうか?それは視聴率という数字で表されますが、全体液には、若者のテレビ離れを感じます。最近は、団塊の世代を対象の歌番組を各局が放映していますが、たしかに、それらの歌は、私はほとんど一緒に歌える歌が多く、それは妻もほとんど知っています。たぶん、日本中が知っている曲が多い気がします。それは、老若男女に共通しています。しかし、最近の若い人がよく聞く曲は、どのくらいの人が知っているのでしょうか?少なくとも、私たちの世代では、知らない局が多くあります。また、若い人がよく聞く曲は、テレビで流れることは少なく、若者はテレビとは違う媒体から曲を知るようです。

その多くの媒体が、IT関連でしょう。それは、いろいろと生活や価値観を変えています。「農業革命、産業革命と並ぶ情報革命が始まり、新しい“民族”が生まれつつある。若い世代はどの国でも上の世代と価値観が離れている」と言われています。さらに、いま10代が歌うカラオケの多くは様々な人がつくりボーカロイド(音声合成ソフト)に歌わせた曲。友達に勧められ、動画サイトで聞く。世代を超えて共有しようがない。」と言わずに、「若者とは話が合わない」と嘆かずに、どう付き合っていけばよいかを考えていくのが大人です。時代は変わってきています。右肩上がりの成長を知らず、携帯電話やインターネットが当たり前の中で育ったそんな世代が、社会で一定の地位を占めつつあります。彼らとのすれ違いの原因と対策を、ふだんから若者と接するITベンチャー経営者の猪子寿之氏と人材コンサルタントの常見陽平氏が、このように日経新聞の中で話しています。

 「上の世代は会議を記録するときノートとペンを使う。若者はパソコンに打ち込む。大人の目には失礼に映るが、そのまま大画面で共有でき配布も簡単だ。若者には紙とペンの方が、情報を独占するみたいで失礼に見える。正反対だ」と言います。私の園に、最近会議室にプロジェクターを取り付けました。そこでは、パソコンに記録したもの、また資料などを無線で即座に投影することができ、参加者全員が即座にそれを共有できます。ノートや会議録に記録しても、後で回覧するしか共有できません。このプロジェクターの設置は、昨年オランダに行った時に、各小学校、また企業に行った時に業務内容を説明するときに使っていたのを見て、その効果を感じてきたからです。

 そんな最新機器を使う若者ですが、反面、コミュニケーション能力の不足も指摘されています。それについて猪子氏はどう考えているのでしょうか?「確かに対面コミュニケーション能力は低い。100ある能力のうち10しか対面での会話に充てていないから下手で当然だ。その分、ツイッターやソーシャルネットワークを使える。若い社員にソーシャルメディアでの発信を禁止する企業は損をしている。」といいます。彼らは、確かにコミュニケーション能力が不足しています。しかし、それが通信革命を起こしたのかもしれないというのです。「若者がそうなったのは時代に適応したから。肉声より通信によるコミュニケーションが社会全体で圧倒的に増えた。農業の時代を生きるには土壌の知識が必要だ。狩猟時代のままヤリ投げのため肩を鍛えても生き残れない」

 この指摘は面白いですね。人類が生き延びるために、自分の不足部分を知恵で埋めようとしてきたことと似ているかもしれません。