積み木の使用

 私の園では、最初、レゴを使っていました。しかし、どうしても個人的な作品が多く、また、組み合わせるとなると、幼児では、まず長く組み合わせることをします。すると、どうしても剣を作ることになることが多くみられました。それは、子どもの意識の中で、長い棒のようなものは、剣しか思いつかないのかもしれません。それは、レゴで作るだけでなく、新聞や広告紙を丸める楽しさから長い棒を作ることもあります。その時も、結局は剣にして遊ぼうとします。そこで、職員に、もっと長い棒を使って遊べるほかのことを提案するように言いました。その結果、たとえば、つり竿にして、先に磁石を付けた糸をぶらさげて、クリップをつけた魚を釣る遊びを提案したり、女の子には、棒の先に星をつけて、魔法の杖にしたり、さきに広い紙をつけて傘にしたりといろいろな遊びを提案したところ、喜んで遊ぶようになりました。

 積み木は、まず、小さい子は、それを舐めて形を確かめたり、表面の手触りを確かめたりします。そして、しだいにそれを積んだり、並べたり、時には投げたりして、その形を認識していきます。そして、それを組み合わせて何かに見立てていくのです。ですから、見立てるものは、子どもたちが見たことのある物、経験したことのあるものを作ります。ですから、それまでの生活や経験が重要になってくるのです。

 レゴやカプラなどの積み木は、とても子どもにとっては魅力のある物です。しかし、ともに形が統一されているために、フレーベルが考えた恩物によっての学びは難しくなります。形の違いの認識・比較、大きさの違いの認識・比較、しかも、組合せによって、違う形になること、 違う大きさになることなどは、基準の大きさ、形の分割が必要になっていきます。いわゆる「分離」と「統一」を、個体のものをいくつか使って、何かの形を作るということから体感することだけになってしまうのです。

 恩物と、レゴ、カプラの大きな違いがそこにあることは、使用する数の多さによってもわかります。積み木を使って、何かを創ろうとするのであれば、相当数が必要になります。例えば、恩物では第五恩物という数が多いものでも全部で39個だけです。いくらほかの恩物と組み合わせてもそれほど多く使いません。それに対して、カプラなどは、200枚、1000枚がセットになっています。それでも、カプラのHPには、「子供が単独で、またはオリジナルと挑戦的な創造的なプロセスで彼の家族と一緒に、係合する。」と書かれてあります。これだけの数のものを使っても単独で物を作るのが精いっぱいの想定です。

 こうしてみてくると、どうも開発されている遊具、教具は集団で一つのものを作るという発想からではなく、個人が家庭で、家族と一緒に作ることが想定され、それを、幼稚園、保育園で、集団で作る遊具として使っているようです。それは、積み木だけでなく、たとえばパズル類も同じことが言えます。また、ボードゲームにしても、せいぜい2者で行うものがほとんどです。いわゆる対戦です。ですから、大人でも楽しめるのです。カプラの説明にも、「大人でも楽しめます。」ということが書かれてあり、オランダに行った時に、カプラが置いてあったのですが、それは小学校の教室内でした。kapuraあれほど有名で、多く遊ばれているにもかかわらず、ドイツの幼児施設では、カプラを見たことがありませんでした。

 私の園の積み木は、最初レゴ、その次にカプラ、現在ではレンガブロックと変わってきました。その理由は明日のブログで説明します。