さまざまな積み木

積み木と言われるものが、フレーベルの考え方を基にしたものから、あたらしい形を提案したものなど様々なものが出回っています。それは、保育業者や、遊具製作者が、あたらしい商品を開発してそれを取り入れてもらうことで、子どもたちにあたらしい世界を体験してもらおうということです。しかし、なかなか子どもの心を引き付けるものは開発されません。それぞれに欠点があったり、同じようなものがあったり、子どもの発達にあっていなかったり、子どもの興味関心を引く魅力あるものでなかったりするからです。

その中で、割とヒットして、多くの園が取り入れている積み木の一種に「カプラ」という遊具があります。カプラ (kapla) はオランダ生まれのトム・ファン・デル・ブリュッヘンによって考案されました。カプラという名前はオランダ語の “kabouter plankjes” (小さな板) に由来しているそうです。この名前のように、カプラは、薄い板です。松の木から非常に正確な寸法で削られてできています。その厚さ、幅、長さ (117,4 mm) の比は1:3:15であり、この寸法はすべてのカプラシリーズで同じになっています。カプラの組み立てには、考案者の「きちんとした設計図などによって作る人の想像力を妨げたくない」という意向に沿って、他の部品は必要がなく、ただ木片の上に他の木片を積み上げて行くだけで複雑な構築物まで作ることができるために子どもたちに人気があります。

制作者のトムは、美術史を学んだ後、25歳で家具を復元アンティークショップをオープンします。しかし、彼は10歳のころからお城を建てたいという夢を持ち続けていました。そこで、彼は、夢を果たすために自分の店を売って、フランスの古い城を手に入れます。そして、それを修復するための計画を立てます。そのために、ミニチュアの城を作るために、木製の立方体で製作しようとしました。しかし、キューブは、屋根、床、まぐさなどの部品を再現することがあまりにも巨大だったことに彼はすぐに気づきました。彼は試行錯誤するうちに、厚さ、幅、長さの比が1:3:15ある木の板を使ってミニチュアを作ることを思いつきます。それが1988年にフランスから発売されたカプラです。

カプラは各国の玩具賞を受賞しています。また、フランスの教育省が推薦する教育ツールです。このように確かにカプラは素晴らしい遊具かもしれません。しかし、その素晴らしさは、子どもたちにとって魅力的なものであることがまず大切です。しかし、どうしてもこれを使ってほしいときには、その素晴らしさを説明しなければなりません。カプラ本社のHPでも、まずその説明から入ります。例えば、「カプラの使用は、留め具なしに、3次元空間内のアイテムを整理する機能を開発し、子どもが問題に関するその作用手段を発見し、改良することを可能にする。」とあります。これは、昨日の説明なのでわかるのですが、「カプラを使うことによって、幾何学、物理学、技術の基本的な概念の獲得を促進し、子どもを芸術、形やボリュームの宇宙、視覚芸術の世界へ導き、バランスと集中の感覚を魅了し、熱意をそそります。」となると、少しフレーベルの恩物の説明に近くなります。さらに、「発揮ロジックと想像力の両方を使用していると同時に、知的投影と反射や手先の器用さを必要とする複雑な構造を持っているために、知性と手の両方を使用します。そして、すべての年齢層に適している完全な遊具であり、しかしゲームが持つ生態学的な限界を克服し、進化論、建物などを統合するための優れたサポート言語表現である。」と書かれてあります。随分と理屈っぽい話になると、私はかえって冷めてしまう部分があります。

乳幼児において、子どもが熱中するものは、きっと、自分たちの遺伝子を子孫に残すために必要なことを理屈ではなく、学んでいる気がするのですが。

さまざまな積み木” への9件のコメント

  1. 私は理屈っぽいところがあるのですが、自分の知らないことの理屈を説明されると興味をもってしまいます。でも難しい理屈だとダメですね。ここで登場するカプラには興味があるのですが、果たして子どもたちがよく見るような大きな建物とかを作ることができるんだろうかと疑問も多少あります。レンガ積木ではカプラのようなものを作ることが難しかったりしますが、それでもその積木なりに想像力を働かせながら町をつくってみたり、遊んでいる過程で友だちと協力し始めたりと、今はこれでいいのかもしれないと思うような姿を見せてくれています。今後も考え続けていくことになるのですが、見た目の派手さに惑わされることなく、そこでどんな体験をしているかをきちんと捉えられるようにならないといけないと思っています。

  2. カプラの魅力のひとつに、崩れた時に発生する「音」があげられると、どこかで聞いたことを思い出しました。そのため、素材の「松の木」にもこだわっていると記憶しています。また、1:3:15という比率も、複雑な構造物をも可能にし、美しい音を奏でる要因にもなっているのかもしれません。ただし、その美しい音というのは、子どもではなく、大人が感じる魅力としてなのかもしれないと、本文を読んで感じました。「素晴らしさは、子どもたちにとって魅力的なものであることがまず大切」であるように、子どもが「いい音」と感じていなくてはなりませんね。子どもが熱中することを、大人は様々な観点から分析して理屈立てるのは、子ども理解のためでしょうか。それを知ったことで、子どもにどんな影響があるのかといった思考を持っていきたいと思います。そして、「なんだか分からないけど、すごく楽しい」といった理屈にしたいですね。

  3. 私は理屈っぽいところがあります。それは実際の様子をしっかり把握して、自分の中で自信を持って、これだ!と思えることがまだまだできないことの裏返しであるのかもしれません。理屈に頼ってしまう自分がいるのかもしれません。カプラにしても積み木にしてもこういう効果があるという理屈を知ることも必要ですが、こういう効果があるから、これを使用すれば子どもには力がつくのだと盲目的になるのではなく、実際に子ども達が遊んでいる様子から学びとれるようになりたいです。また、これはきっと子ども達にはいいぞ!と出来る限り子どもの感覚になって敏感に反応できるような体でもありたいなと思います。うまく理屈で説明できなくても、いいものはいいんじゃないだろうかという感覚はきっとあるような気がします。その感覚は持っていたいなと思います。

  4. カプラについて知りたいと思っていたので、今回のブログの内容はまさにタイムリーです。他園の見学に伺うと、カプラの箱があります。カプラって何?ということで、カプラの木箱、カプラ木片の使用用途について、その考え方の基本と共に、かなりわかりやすく解説して頂いております。それにしても、「カプラの説明」を改めて読むと、確かに「理屈」っぽいですね。曰く「幾何学、物理学、技術の基本的な概念の獲得」「子どもを芸術、形やボリュームの宇宙、視覚芸術の世界へ導き、バランスと集中の感覚を魅了し、熱意・・・」「フランスの教育省が推薦する教育ツール・・・」と。さらに「発揮ロジックと想像力の両方を使用している・・・すべての年齢層に適している完全な遊具・・・知的投影と反射や手先の器用さ・・・進化論、建物などを統合するための優れたサポート言語表現」と言われると、これは何でもありか、と思ってしまいます。しかも、実に理路整然と説明されています。一生懸命大人に呼びかけています。どんな説明をされても、子どもが熱中しないことには・・・。今回のブログのおかげで、次回カプラの製作を観る時、これまでとは違う感想を抱くことでしょう。

  5. 初投稿です。よろしくお願いします。
    私は恥ずかしながら、カプラという遊具をここ数年前に知った者です。私が子どもの時に出会っていたら、おそらく夢中になっていただろうな〜と感じています。(立体物を作るのが大好きなもので…)
    さて、今回は比率の話が出てきましたので、どうしても黄金比、白銀比、青銅比と結びつけてしまいます。黄金比は、誰もが一度は聞いたことがある比で、私たちの身の回りの至るところに沢山隠されている事は言うまでもありません。有名どころでは、モナリザ、サグラダファミリア、凱旋門、そして、アップルのロゴマークなど、誰が見ても理屈抜きで、人間が本能的に美しいと感じるものですよね!
    そこで、今度は、次のように結びつけてしまうのです。カプラも素晴らしい遊具だけど、黄金比を使った遊具にしたら、子どもたちから、どんな発想が生まれてくるのだろうと…

  6. カプラはよく聞きますね。いろんな園でも、採用され、使われているのを見ます。子どもたちもそこそこ遊んでいるのを見ますが、どこか私の場合理屈が先に出てしまうからか、そこまで複雑な遊び方をしているのかと思うことがあります。そこまで複雑な思考をもって遊ぶのは大人であって、その理屈の部分は子どもにとってあるのだろうかとも思います。子どもにとっては熱中して遊べるかが重要であって、大人の意図とはまた違ってくる部分があります。環境を作る上で、こういったことが落とし穴になることが多いように思います。理屈も含め、子どもの様子をしっかりと洞察していくことがなによりも大切だと思います。

  7. 積み木の中でカプラは有名な玩具かもしれませんね。保育大会や展示会などで販売されている様子を見ると、大人と同じくらいの高さがあるタワーがモデルで展示してあります。見た瞬間はそのインパクトに驚き、自分の保育園でも同じような物を作って、子どもたちに体験させたいと思うかもしれません。おそらく子どもはカプラを目の前にすると、すぐに遊びに取り掛かると思いますが、平べったい形から、何を想像するか?今までいくつかの園でカプラを見てきましたが、だいたいが上に高く積んで遊んでいました。もちろん間違いではありませんが、どうも自分の園と比べてしまいます。カプラのHPに書かれてある説明も言っている事は何となくは理解できますが・・・ここまで理屈を言われてしまうと、私も返って冷めてしまいます。おそらく子どもが集中して、楽しく遊べている玩具が自然と発達に合っていて、多くの事を学べる玩具のような気がします。

  8. カプラといえば大学時代に夢中になって授業が終わったあとに友人と大きな作品を作った覚えがあります。実際に大きな建造物を作ろうと大人か小学校の子どもが試みているとこらを目にしています。カプラのHPのような説明見るとなるほどと思う部分が多くあります。ただ実際の子どもの様子とは少し温度差のような物を感じてしまいますね。そんな意図性を理解しつつ、一緒に遊んでいる大人も子どもがどんなふうに遊んでいるのか、どんな発展をしているのか、改めてよく観察し、捉えてみたいと思います。

  9. カプラという名前は知ってたのですが、いまいち名前とモノが結びつかなくてインターネットで調べてしまいました。何かを造形したりそれこそ修復のために城のイメージを作り出すものとしては最適だなと感じました。一般の方たちが実際に作ったものをインターネットに載せていたので見てみたところ、大人たちが夢中になって城や、とても複雑なタワーを作っていましたが、子どもたちの作品は横にして立てたモノを円にして積み上げるといった作品ばかりでしたね。保育園の子どもたちが使うものとしては立てた時に定感があったり、いろんなイメージをしやすいようにもう少し幅の厚いものが使いやすいのではないかな…と私も理屈で考えてしましましたが、何より子どもたちが楽しそうに年齢に応じて熱中できるものが一番ですね。

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