ブロック

 私の園では、3,4,5歳児室のブロックゾーンには、レンガ積み木がたくさんあります。子どもたちは、それを上に積み上げて高い塔を作るだけでなく、横に広げて大きな街づくりもします。特に異年齢児集団ですと、その作品はとてもダイナミックなものとなり、決められた空間いっぱいに広げてつくり上げていきます。とくに、私の園では、そのゾーンは、作り途中のものは、片付けなくてもいいことになっていますので、作品はよりダイナミックなものになっていきます。

 無藤隆氏が最近、「幼児教育のデザイン」という本を出版しました。その5章では、「積木と組み立て遊び」を取り上げています。その最初の部分には、積み木の一つのルーツは、フレーベルの「恩物」からきているのではないかということで、いろいろなタイプの積み木を使ってある特定の形に組み立てるようになっているといいます。それが、いろいろな国々でも積み木を使った比較的自由な様式遊びというものに転換したものと言います。ですから、特定のものにしていくというのに対して、自分の自由に作っていくというタイプの方に変わったのではないかと言っています。それで、20世紀の百年が過ぎるのですけれど、その間に積み木というものがいろいろと広がります。
 これに類したものとして、代表がレゴです。このレゴについて無藤氏はこう言っています。「レゴは商品名なのでブロックと言いますけれど、ブロックというものはプラスチックでできていても小さい単位をつなぐものです。積み木というのは普通、積み上げるとか並べるだけです。ブロックというのは、組み合わせてがっちりとつながるようにできます。これはいろいろな会社から出ていますので、たくさんの種類があります。多分、木でつくると高く付くのでプラスチックなのだと思うのですけれども。ブロックは幼児の遊び道具ではあるのだけれども、大人用にもなります。ブロックを使っていろいろ複雑なものを作ることができます。ブロックの箱に見本が書いてあって、中に使用説明書が入っており、参考例が載っています。ブロックは単位となるブロックに何種類かのタイプがあるのだけれど、それ以外に特殊な形のものがあって、タイヤだとか丸いものや風車になるといったように、いろいろなタイプの特殊のものが入っていて、複雑でかつかなりリアルなものを作れるわけです。」

 確かに、レゴは、最近ずいぶんと複雑なものが作れるようになっています。確かに、想像力を養うというより、箱の表に書いてあるようなものを、その中の部品を使ってつくり上げるというようなものが多くなっています。それは、もう積み木というものと考え方が大きく違ってきています。私の前の勤務していた園では、ブロックが用意されていて、子どもたちはそれを組み立てて遊んでいました。しかし、どうも作品は個人作品が多くなり、見本がないと長くして武器を作ることが多くなるために、こんどの園ではレゴをやめて、レンガブロックという積み木を用意することにしたのです。

 この考え方からの行き詰まりが、レゴ社側にもあるようで、現在、順風満帆に見えているレゴ社ですが、実は2004年ころには、いつ破産してもおかしくない状況に追い込まれていたのです。それは、ある発想の転換から、レゴの復活劇が始まりました。