キャッチボール

昨日のブログで取り上げたように、コミュニケーション力が今、会社で求められる力としてトップに挙げられるかというと、現在の仕事は、プロジェクトとして複数の人たちで取り組んだり、チームで事にあたったりする仕事が増えてということがあります。私の園では、ディスカッションの時間であったり、一円対話という輪になって皆で相談するときなどが、これらの力を養っています。
他にも、その能力が必要になる理由があります。最近の仕事は複雑になり、どのような職種に就いても、様々な関係各所との調整が必要になります。そのために、他の部署の人からの話を聞いたり、他の部署の人に話をしたりしなければなりません。それは、同じ部署の人に話したり、聞いたりするよりは困難さを伴います。そこにプレゼンをしなければなりません。また、その時の話し合いは、相手を説得させたり、相手の言うことを聞くというよりは、お互いを調整する能力が必要になってきます。私の園にある、ピーステーブルという場所では、子どもたちがけんかをしたときに話し合うのですが、ここでは、自分の意見を主張するところから始まりますが、最後には、お互いが相手の話を聞いて、調整する能力が必要になっていきます。いつまでも自分の意見を主張していては、まとまりません。それを、お互いが納得するように調整していくのです。喧嘩の時に、先生が入ってしまうと、とかく白黒をつけて、悪いと思う側に謝らせて終わりにすることが多いようですが、実は、お互いに言い分があり、どちらが悪いというよりは、お互いの言い分を立てる必要があるのです。

次にコミュニケーション能力が職場で必要になるときは、商品を開発したり、商品を提供したりする場合に、消費者のニーズを引き出すためにヒアリングをするときです。特に、潜在的なニーズを引き出したり、ウォンツではなく本当に求めているニーズを見つけるために、相手とのコミュニケーション能力が必要になるのです。それは、聞きだすという「話す力」、相手のニーズを言葉の端々から感じ取る「聞く力」が必要なのです。これは、私の園では、週一日、年長さんが0、1、2歳児クラスに保育の手伝いをするために入る日があります。ここでは、年長さんは、なかなかコミュニケーションが取れない乳児とのかかわりの中で、何をしたがっているのか、何を望んでいるのかを探っていかなければなりません。この力も、子どもたちは異年齢で過ごす中で培われる力です。

また、会社では、相手の気持ちを理解せず、また、わかりやすく伝えずに一方的に指示、要望されることがあります。それは、上司からの指示や、客からの要望です。それを瞬時に、的確に理解し、適切に応えることが求められます。

よく、子どもが自己主張を始めたときに、それに対応する大人の心構えとして、子どもの主張を無視したり、子どもの言うとおりにするというのは聞き流すということで、必要なのは、「言葉のキャッチボールをする」ことが大切であるということが言われます。それは、キャッチボールは、相手が投げたボールを自分が受け取って、今度は自分が投げたボールを相手が受け取るというやり取りです。その時には、様々な投げ方に変化をつけることがあります。上投げ、下投げ、ゆっくり投げる、早く投げる、変化球を使うなど自分からも相手からも変えることがあります。コミュニケーションでも、メッセージ(言葉)のキャッチボールが続くようにするには、お互いの変化球に対してそれに対応する能力が必要になります。それが、コミュニケーション能力です。

大人においても「コミュニケーション能力」とは、どんな相手であっても、どのような内容でも「相手と会話のキャッチボールが違和感なくできるかどうか」なのです。