ドイツ報告2013-11

 ドイツから日曜日に日本に戻ってから5日ぐらい経ちました。しかし、もう少しドイツ報告を続けてみたいと思います。その報告は、前回とダブる部分も多いのですが、違う園での実践から見てみたいと思います。行く前に予告した通り、今回は8か所見学しました。私は、今回で訪独は11回目ですから、すでにトータル90園くらい見ていることになりますが、同じ園を訪れたのは、今まで2?3か所だけですべて違うところです。今回もすべて初めて訪問する園でした。ただ、訪問する園は、基本的には公立園で、ミュンヘンでも公立園より多い私立園にはあまり行ったことはありません。行った園は、シュタイナーの園です。このように、ある理念に園長が賛同し、その理念に沿って保育をする園は、私立園と言い、補助金ではなく、利用者の寄付とか、保育料、園長の自己資金で運営をします。したがって、私立園では、神の教えに沿って保育をするというような、宗教に理念を求めるような園が多いそうです。公立園は、すべて「バイエルン」という陶冶プログラムに沿って保育をするのです。

 すると、各園の園長のまずやるべきことは、理念づくりではないようです。理念に沿って、どのような切り口から保育をするかを考え、その取り組みを実現していく実践を作り上げていくことです。それは、園の特徴としてあらわされています。ただ、この言葉は日本語訳ですので、理念と訳す場合もあるかもしれません。例えば、今回見学した園では、最初の園であるコープでは、設立(2011年10月)されて間もないために、「目下、言語、自然、音楽などから検討中である。」とあります。その日の午後のキンダーガーデンでは、「インテグレーション幼稚園(障害児との統合保育)であるために、感覚陶冶」をとりいれているということでした。

 二日目の午前中訪れたコープでは、全体的に、「バイエルン州の保育・陶冶プログラムによる保育重点項目に則っている」と説明がありました。午後訪れた学童クラブでは、「身体感覚陶冶や運動プログラム」と答えましたし、三日目のキンダーガーデンでは、「養護児童も他の子どもたちと活動できるように導くこと」と「言語」を重点項目に挙げていました。午後訪れた「森の学童クラブ」では、「森(自然)の教育」をスローガンに掲げていました。4日目の午前中に訪れた乳児園では、「自然」を重点項目として、菜園や花壇を作り、「育てる、実らせる、収穫する」を体験するということが重点項目でした。

 このように、バイエルン州では、「陶冶プログラム・バイエルン」によって、乳児園、コープ、キンダーガーデン、学童クラブが保育するように一体化が行われたのです。そして、その「バイエルン」は、6部から8部までは、以下のように構成されています。「基本的考え」「陶冶教育の目的」「実践のためのヒントと例」「参考文献」とあります。そして、その注意書きとして、「バイエルン陶冶保育プランは、プランと名前がついているけれども、学校のような、授業計画書とは異なる。」とあり、「小さい冒険者として知識を経験する」「幼児期の学習発達プロセス支援のための手引きであり、枠組みとなるもの」とあります。

 そして、私が興味を持つのは、このバイエルンは、「保育の質のスタンダード化」であり、「機会均等」であり、「決して幼稚園や保育園の均一化の心配はない」と述べているところである。それは、「個々の園によって、その実現方法は任されている」からです。この実現方法を園長が中心となって、職員が考えるのです。そこに独自性が存在するのです。

 ここが日本に足りないところの気がしています。