ドイツ報告2013-5

 ドイツの園では子どもたちはどの部屋にってもいいということですので、そのために工夫がいくつかあります。その一つが、各部屋隣同士の間に戸があり、部屋から部屋への移動が簡単になっています。図面を見るとわかるのですが、例えば、昼食とかお集まりを自分のグループに戻ってするような園でも、0?3歳児までのグループの部屋から、3?6歳児のグループの部屋へは簡単に行けるようになっています。このような隣への通路は、もし日本のように各部屋が分かれていても、全体の構造に影響なく作ることができます。この通路によって、子どもたちが異年齢で刺激を受けることが容易に行われているようです。

 もう一つの工夫は、空間の工夫です。日本でも平成15年8月に文部科学省大臣官房文教施設部から出された「幼稚園施設整備指針」の中の「3 人とのかかわりを促す工夫」の章にこのような部分があります。「幼児が教師や他の幼児などと集団生活をおくる中で、信頼感や思いやりの気持ちを育て、また、地域住民や高齢者など様々な人々と親しみ、自立心を育て人とかかわる力を養うことに配慮した施設として計画することが重要である。その際、様々な人々との交流に使われる多目的な空間を配置したり、アルコーブ、デン等を計画し、幼児と人との多様なかかわり方が可能となる施設面での工夫を行うことも有効である。」

 この文章の註釈として、「※アルコーブ:廊下やホール等に面した小スペースで休憩、談話、読書等ができ、人とのコミュニケーションや多様な活動が展開できる場」「※デン:手を伸ばせば壁や天井に触れることができる幼児の人体寸法に合った家庭的な雰囲気の穴ぐら的な小空間」とあります。

この二つの空間は以前ブログにも取り上げましたが、ともに建築用語で、その解説には、アルコーブ(alcove)とは、もともと曲面天井、および曲面天井の小室を意味するアラビア語でした。「室内の壁面に作られたくぼみ。または、外側に張り出して作られた付属的な小部屋。彫刻などの美術品を置くのに用いる。凹室。」とあります。そして、その空間を作るためには、「部屋の内部を柱、アーチ、衝立、手摺、カーテン、装飾などで仕切り、奥まった場所としてつくられ」たり、「床に段差をつけ、天井を低くするなどして主室との区別を強調する」のように、建物的に作られていなくても、工夫してそのような空間を作ることができます。さらに、庭園内の植込みに作られる凹所や、庭園内の「あずまや」などもアルコーブの一種だと言われています。

このような空間は、ドイツの園には必ずあります。日本のようにのっぺりとした壁、ただ一直線に並んだ部屋と廊下、ま四角な室内、それは、まさに子どもたちが大人から見張られやすい空間、一方的に教わる空間であり、子どもたちが生き生きと他児とのかかわりの中で遊び、生活する空間ではありません。

廊下の凹にボールプール


日本のような空間であればこそ、室内装飾が重要になって来ます。室内装飾は、保育室、園舎内を、子ども空間への変身させることでもあるのです。園庭も、ただ走り回るための広い空間ではなく、さながら森の中と科でいろいろなものを発見して遊ぶ空間でなければならないのです。

廊下の凹に、ままごとコーナー