質の高いリーダー

 現在、保育界、乳幼児教育界では大きな変化が起きようとしています。それは、少子化における弊害が現れ始めていることがあります。そこで、今までの保育の改革を行おうとしたとき、リーダーは、いろいろなところで得た情報を職場内に伝え、その情報をまず共有しようとします。しかし、大切な情報は、それが「共有」されただけでは意味がありません。「そうだね」とみんなで納得しても、その次にその共有された情報を使って、具体的な「行動」が生まれてこなければ改革は始まらないのです。情報の共有だけでなく、「共鳴」を起こさなければならないのです。

そのために、まずその情報に対しての「共感」が職場内で生まれないとなりません。「共有」にしても「共感」にしても、「共」という言葉が入っていることからわかりませんが、リーダーからの一方的働きかけだけではなしえません。職場のメンバーが、お互いのことを理解し合っていないと、「共感」は生まれてこないのです。職場メンバーが、素顔での相互理解を深める必要があります。職場のメンバーが お互いの性格や個性を知り、考えや思いを分かり合うようになると、職場内に「共感」の場が生まれてきます。

共鳴的リーダーは、協調を呼びかけるべき時、ビジョンを提示すべき時、傾聴すべき時、命令を下すべき時を知っています。また、職場の人々の価値観と共鳴しうるミッションを提示する能力を持っています。こういうリーダーは、自然に人間関係を育み、噴火しそうな問題をすくいあげ、集団にシナジーを起こすことができるのです。彼らは、皆のキャリアに心を砕くので、熱烈な忠誠の対象となり、集団の価値観を凝縮したミッションを提示して皆から最高の力を引き出すことができるのだとゴールマンは強調します。これが、リーダーにおける部下への教育なのです。上から押し付けの教育では、共鳴は起こらないのです。

EQの高いリーダーは、正しいタイミングで、正しいやり方で、正しい相手に対して、正しい行動を起こします。そのようなリーダーは、熱意と柔軟性に満ちた組織風土を醸成し、その中で部下たちは、革新的な試みを恐れずに最高の能力を発揮します。こうした職場の風土は、人間的要素を通じて企業にパフォーマンスに新しい価値を付加するものであると言えます。

EQの高いリーダーは、古い対応のリーダーに比べて価値観をより重視し、柔軟で、形式ばらず、率直で隠し立てをしません。人間やネットワークとのつながりも、より親密です。そして何よりも、EQリーダーシップからは共鳴がにじみ出てくると言います。優れたリーダーは、ミッションに対して純粋な情熱を抱いており、その情熱は周囲に伝播します。リーダーの熱意と興奮は、自然に拡散し、部下たちを元気づけます。そして、ゴールマンは、こう締めくくります。「EQリーダーのカギは、共鳴なのだ。」

経理や経営計画のような純粋に専門的なスキル、分析的思考のようなIQと呼ばれる知的能力、そして、自己認識や人間関係の管理のようなEQの能力。このどちらが大切であるかという研究の結果、確かに、知的能力はある程度まで傑出したパフォーマンスの原動力と認められ、中でも、全体的思考や長期的視野などの知的能力は需要でした。しかし、専門的スキルや知的能力をEQ能力と比べると、傑出したリーダーを特徴づける要素としては、組織のトップに近くなればなるほど、EQに基づいた能力が重要な役割を果たしていることが明らかになっているようです。

私からみると、能力の「量から質へ」がリーダーにとって重要なことのような気がします。