基本ルール

 変化を自ら体現したインドの会社は、ヒンドスタン・リーバ社という会社で、会長はケキ・ダディセス氏です。彼は、会長に就任した会社の基本原則を変え、組織の新しいビジョンに人々を同調させ、共鳴を形成したのです。そのプロセスを通じて、変化を起こすための基本ルールを踏襲しています。

 まず、人々の注意を根本的な問題と解決策に集中させ、何をなぜ変化させる必要があるのかについて共通の立場と理解を構築します。いくらリーダーが声を大にして「変化しよう!」と叫んでも、皆がなぜ変えなければならないのか、ということが納得いかなければ、本当の変化はできません。また、たとえ変化に成功しても、すぐに元に戻ってしまうか、戻りたがってしまいます。ですから、まず人々と変化についてその必要性の共通理解をしないといけないのです。そのために、問題点をはっきりさせ、人々が意識していなかった習慣を顕在化させることによって、組織の現状が明らかになり、変化のモチベーションとなるのです。人々は組織の長所短所を論ずるうえで、必要な言語を得、共通の地盤に立って将来を考えられるようになります。

 次のルールは、理想に焦点を合わせ、共鳴を生み出すリーダーシップ・スタイルを併用して、人々に将来への希望を語らせ、組織に対する献身を引き出します。個々人の目標を意味のあるビジョンと結びつけることにより、ビジョンへ到達する道を安心して探れるようになるのです。人々は、変化する意味を理解しても、変化後が、より辛くなり、希望が無くなっては、変化をしようとはしません。リーダーは、変化する意味を伝えると同時に、変化後の理想の姿を思い描くことによって、人々は将来への希望を持ちます。組織の変化は、個人の理想と結びつかなければおこないにくくなります。また、その理想にむかっての見通しが立たなければ、不安になり、変化は鈍くなります。きちんとしたビジョンを描くことによって、そこへ到達する道がきっとあるということを信じるからこそ、安心してそこへの道を探ることができるのです。

 最後のルールは、説法から行動に移すことです。その先頭に立つのはリーダーなのです。人々を夢のもとに結集させ、説法から行動へ移り、新しい行動の模範を示すこと、それがリーダーの課題なのです。リーダーの役目は説法であり、行動するのは組織の人々であると思っているリーダーをよく見かけます。リーダーは、行動する時でもリーダーです。まず自ら模範を示すことによって、人々の具体的な行動へのモデルになるのです。

 共鳴プログラムは、決してみんな同じことをするようになるのではなく、個々人が自分の動きをするということです。そのために共鳴が必要になるということなのです。「関与せよ、貢献できる場所を探せ、ミッションを体現せよ」という文化的規範によって、各々が行動するということです。このことは、私は常々園で心がけていることです。ある意味で、これがチームワークだと思っています。一つの共通理念を持って集まった集団が、その理念の実現に向かって、各々やるべきこと、自分ならやることができることから貢献をしていくこと、それを体現していける環境を用意するのもリーダーです。そして、私は、各々が取り組むべき場所を見つけるための助言や手伝いをします。それは、客観的にそれぞれの職員の良さを知っているからです。

 各クラスの担任は、誰をどのクラスに振り分けるのかということではなく、どのクラスであれば、その職員が自分を最大限発揮できるかということを考慮して決めます。また、職員も、私がそう考えて担任を決めているということを信頼してくれています。