インド報告15

インド政府では、保育内容についてっ整備をしようとしていますが、同時に教員養成についても検討し始めています。それは、現在、乳幼児対する教員養成コースの要件や基準を規定する法規が存在せず、様々なアクターが、異なる形態のコースを提供しているからです。私が訪れた施設では、1年間の養成校に行って資格を取ると言っていましたが、国立教員教育協議会(NCTE)の認可組織である「全インドECCE」では、2年間の保育士訓練(NTT)コースが実施されています。このコースを修了すると、ディプロマが授与され、英語を教授言語とする民間や、政府系の正規の就学前教育施設の一部で採用条件とされています。また、通信教育でも資格が取れます。インディラ・ガンディー国立オープン大学では、後期中等教育(第12学年、日本の高校3年生に相当)修了者に2年間のディプロマコースを、国立オープン学校協会では、前期中等教育(第10学年、日本の高校1年生に相当)修了者に1年間の資格取得コースを提供します。しかし、アンガンワディでの保育士養成は、わずか2週間程度で修了してしまうそうです。

インド門(デリーの凱旋門)

まず、インドでは、いわゆる義務教育の整備が課題で、2010年に「無償義務教育に関する子どもの権利法」が施行され、6歳から14歳の子どもは無償教育を受ける基本権をもち、政府はそれを提供する義務を有することが規定されました。しかし、この法律では、6歳未満の子どもは「基本権」保有者の対象外」とされてはいますが、第11条の中で、「3歳より上の年齢の子どもの初等教育への準備と、ECCEの提供のため、所管政府はこれらの子どもに無償の就学前教育を提供するのに必要な措置をとることができる」と明記しています。そこで、まず、1年間のECCEクラスを公立小学校に設置するよう準備が進められています。

モトワニさん宅にあった日本とインドのコラボのはめ込みガラス


また、日本ではすでに批准している「子どもの権利保障」を目指す政策的方向によって、いままであまり手を付けなかった乳幼児期についても、その保育を受ける公平性と質を保つため、女性子ども開発省が、2012年、「国家ECCE政策」、「カリキュラムの枠組み」、「ECCEの質の水準」というECCEに関する3つの草案を起草しています。そして、ECCE(乳幼児期におけるケアと教育)を統制する最高機関となる「国家ECCE協議会」の設置し、ECCEに関する連邦レベルの政策枠組み及びこの政策を実施するための法的枠組みの策定、認可登録制度の構築、設置・運営基準の設定、モニタリング・研究・評価・教員訓練の強化などのための法制度整備が進み、すべてのECCEプログラムに共通するカリキュラムの指針、乳幼児の発達にあわせた教授法や教材、教育プログラムの計画方法など、実践に役立つガイドラインも提示されています。

 今後、日本は同じアジアの国々と乳幼児教育についての交流をしていかなければならないでしょう。私の書いた「見守る保育」の英語版がありますが、現在、韓国語版と中国語版が計画されています。今回の最終日に、まずネルー大学に行きました。1969年、ニューデリー南部に建設され、面積4平方キロメートルという広大な敷地で、総学生数は約7,000人もいるそうです。ここは、基本的には大学院大学で、今回通訳してくれた方は、この大学の大学院生の方でした。

 最後の晩は、ネルー大学大学院教授であるモトワニ博士の自宅で、手料理をごちそうになりました。インドの料理は油を多く使いますが、油少なめで、あまり辛くなく、とてもおいしい料理をいただき、
 そのあと、空港に向かいました。