インド報告10

 インドや中国などでは、国土が広いことと人口が多いことで、なかなか統一した政策が行き届かないことが多いようです。私たちが訪れたデリーは、インドの首都であり、大都会でありながら、非常に格差があるようです。それは、教育において顕著のようです。教育は、その国の将来への大事な投資ですから、各国では教育に力を入れているだけでなく、世界でも、各国の教育への投資を促しています。そのなかで、最近特に力を入れ始めているのが乳幼児教育です。まだまだ義務教育にはなっていませんし、無償化にはなっていないのですが、いろいろと模索しているようです。

 この乳幼児期に対してECECとかECCEという分野での需要は多様化しています。その多様化に対して、国としてはもちろん、様々なNGO、民間の教育機関などによってECCEプログラムが提供されています。今回のインドでは、民間の教育機関による施設を見ました。
 
 インドでは、経済の発展により家庭の所得が向上しました。そこで、裕福な家庭では、こどもに投資する家庭が増えたために、幼児から大学まで私立学校の拡大がおきているようです。インド政府では、約1,000万人の子どもが民間組織が提供するECCEプログラムに参加していると推計しています。しかし、その内容やカリキュラムについては管理・統制がされていないために、実際はどのくらいの数の施設が、どのようなことをしているのかは明らかではないようです。今回、まず見学したのは、エリート層やミドル・クラスの子どもを対象に、後期中等教育までの一貫教育を提供する私立学校でした。

 インドでは、保護者の間で、英語を教授言語とする私立学校(イングリッシュ・ミディアム・パブリック・スクールと称される)の方が、インドの土着の言語を教授言語とする学校よりも質の高い教育を提供しているという認識が浸透しており、貧困層でも一定の授業料を支払える層の子どもの中には、ECCE段階からイングリッシュ・ミディアム・パブリック・スクールに通学する者がいます。今回訪れた幼児施設では、どの園でも、子どもたちがわかっていようがいまいが英語によって保育を行い、掲示物もすべて英語で書かれたものでした。

門を入ると、園のバスが置いてあり、そのボディには「ST MARY’S NURSERY SCHOOL」と書かれてありました。幼児教育施設は、国によって制度が違うためにその呼び方も違います。この園はナーサリースクールと書かれてあるのですが、3歳から6歳まで在園しており、各クラス30名の園児に担任とメイドという子どもの世話をする人がいます。

送迎バスと園庭

保育時間は、夏は8時から13時まで、冬は9時から13時までです。最初は、園長先生から園の方針について話してもらいました。子どもは最初は保護され安全に過ごすことで「うれしい」という気持ちを抱くようになります。その結果、自分に自信をつけ、自己主張するようになります。そして、一人ずつで才能を身につけるよりも、まず、小さな社会の中でさまざまな子どもたちがいることを知り、自分は何を伝えたいのか、例えば「うれしい」気持ちをどのように伝えるかということを絵を描くことや読書、読み聞かせ、書くことによって学んでいきます。

そのあと、各クラスの担任によって保育室を見せてもらいました。