おたのしみ会の考察12

 2歳児クラスは、みんなで集まっては、いろいろなことを話しています。しかし、その話し合いは、半分は非言語コミュニケーションです。何か通じ合っています。このコミュニケーションは、子ども同士独特のものです。即座に好意などの感情的な親近感をもたらす能力です。ヒトは、いろいろな人に出会った時に、いろいろと話していくうちにその人の性格や、考え方を知ることができます。そして、その人のプロフィールを知ることによって、その人の生きてきた経過を知ることができ、それによってその人を判断することができます。しかし、それよりも、人類は、見も知らない人と出会った時には、とっさにその人が安全か、どのくらい気を許していいかを判断して生きてきたはずです。そのための能力を兼ね備えて生まれ、その力を育てていくはずです。これが、乳幼児期における大切な教育と言われています。

 ヒトは、人生の中で、様々な人間関係を築いていきます。その基本となるものが、「母子の愛着である」と言われてきました。しかし、この愛着は、目的ではなく、愛着だけがあれば豊かな人間関係が築けるわけではなく、多様な人との関係の中で、他人と同調する能力、傾聴する能力、共感的関心などの力を育てることが必要です。2歳までに、見つめあい、相手を見つめ、共感し、模倣してきたことをもとに、2歳児クラスになると、積極的に子ども自らかかわりはじめます。その時に、言葉が出てき、ルールが生まれ、自己主張が始まるのです。「みんなで一緒」が楽しくなるのです。そして、お互いが触れ合うことで、他人への思いやり、他人に対して、皆で協力して援助するようになります。

 「おたのしみ会」における2歳児の演目は、「ももたろうさん、いま助けに行くよ!」です。まず、グループごとの登場は、朝の挨拶です。2歳児クラスでは、秋くらいから職員室と、調理室まで毎日人数報告に来ます。「おはようございます。にこにこ組です。今日のお休みは何人です。よろしくお願いします。さようなら!」というセリフの中の「にこにこ組」というクラス名のところだけ「みどりチームです。」というようにおたのしみ会当日のグループ名に変えるだけです。
そのあとの劇遊びの内容の紹介には、こう書かれてあります。「みんなが大好きな絵本“ももたろう”のピンチを救いにいく『ももたろうさん、いま、たすけにいくよ』。困っているももたろうさんへの言葉は、台詞ではなく、子どもたちの自然な反応です。「“ももたろうごっこ”したいよ!」と、ももたろうや鬼とのやり取りを楽しんできました。」とあるように、劇中のセリフは、台本を覚えたわけでもなく、決めた言葉を言わされているわけでもなく、子どもたちの自然の反応を取り出したものであると担任は紹介しています。

ストーリーは、鬼退治に行くももたろうさんを、各グループが手助けをするというものです。鬼が島についてみると、担任が演じている鬼は、機嫌が悪くぷりぷりしています。そこで、2歳児クラス「にこにこ組」はみんなで「にこにこ組は、にっこにこ!」と笑いかけます。それを繰り返すうちに、鬼は次第に笑顔になっていきます。このセリフは、普段から、このクラスでけんかが起きたとき、誰かが起こった時にお互いに言っている言葉だそうです。私も、部屋で物を取り合って泣いている子にむかって「にこにこ組は、にっこにこ!」と励ましている子を見かけたことがありました。

2歳児における普段からのお互いのコミュニケーションの取り方を見ているようです。