おたのしみ会の考察11

私の園では、2歳児クラスだけが4月生まれから3月生まれまでを区切りとして、ひとクラスという集団によってひと部屋の保育室ですごします。それは、子ども自ら仲間を作り始めるからです。指針の発達過程の2歳児のところには、「発声が明瞭になり、語彙も著し増加し、自分の意思や欲求を言葉で表出できるようになる。」とあります。そして、3歳の誕生日を迎えるころには、「話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる。」と書かれてあります。私の園の「おたのしみ会」での2歳児クラスの演目の紹介には、こう書かれてあります。「日々の生活の中で、困っている子がいると“どうしたの?”と声を掛けて助けてくれる頼もしい姿も。そうしていつの間にかいっしょににこにこ笑い合っています。」

この発達過程は目安であるとは書かれてあるのですが、どうも現場ではその目安が合わないと感じることが多くあります。その一つが、3歳児の発達に書かれている「実際には、同じ場所で同じような遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びであることが多い。」という部分です。実際は、子どもたちは2歳児になると、それぞれ別々に遊んでいた線路に列車を走らせる遊びも、他人と線路をつなげて長くしてよろこんで遊びますし、ままごと祖するときには、みんなでテーブルをはさんで、役割分担をして遊んでいます。決して、平行遊びはしていません。みんなで徒党を組むことを喜んでいます。2歳児クラスでも、「仲間とのつながりが強なる中で、」と書かれてある4歳児の発達のほうに近い気がします。「おたのしみ会」での2歳児クラスの演目のコメントには、「昼食やおやつでは、“みんなで食べるとおいしいね!”を合言葉に楽しく食べていたみんな。配膳活動が始まってからは、先にもらいに行った子が全員揃う前に食べそうになると、“みんなで食べるとおいしいよ!”と声を掛け合ってきました。今では上手に歌えるようになった“お食事のうた”を歌って、みんなで一緒に“いただきます”をしています!」

この年齢では、まさに人との関係の中で、表出から表現へと移行していきます。それは、人との関係の中でコミュニケーションが必要になり、「意思や欲求を言葉で表出」することから、次第に「自我の育ちの表れとして、強く自己主張する姿が見られる。」から「自我がよりはっきりしてくるとともに、」となっていきます。しかし、この発達過程は、保育所保育指針の中の発達過程では、おおむね2歳児から3歳児に書かれてありますが、実際に子どもたちを見ていると1歳児から2歳児にかけて見られます。2歳児クラスの子どもたちは、2歳児から3歳児になりますが、その頃になると保育園では、仲間と群れることを楽しむようになります。そして、「みんなで」ということが、「自分で」という意識より優先していきます。そのために、「待つこと」「順番」「貸し借り」「一緒」「我慢」などの力が付いてきます。そして、これらの気持ち、行動を言葉で表現するようになるのです。

どうも、「発声が明瞭」「語彙が著し増加」などの子どもの発達については指針に書かれてある目安は参考になるのですが、子ども同士のかかわり、子ども集団での表現など、子ども集団におけるかかわりの発達についての記述は、どうも実際に子どもと違うようですし、その記述が少ないように感じます。

日々の生活を「おたのしみ会」で表現してもらおうとすると、子ども達の発達をきちんと見取ることや、検証することができます。それは、発達を無視した教え込み、覚えこみをさせていないからです。