おたのしみ会の考察7

 私の園での発表会は、「おたのしみ会」という名の行事です。それは、一つは、子どもの「表現」の領域での発達を保護者に見てもらうことがあります。そこで、保育指針の「表現」領域のねらいには、「感じたことや考えたことを自分なりに表現して楽しむ。」「生活の中でイメージを豊かにし、様々な表現を楽しむ。」とあり、どちらも「楽しむ」ことがねらいですので、「おたのしみ会」なのです。学芸を披露する「学芸会」でもなく、生活を発表する「生活発表会」でもないからです。子どもにとって、表現することは、楽しいことなのです。

 その楽しい表現の手段として、音楽関係では、乳児は、「保育士等と一緒に歌ったり、手遊びをしたり、リズムに合わせて体を動かしたりして遊ぶ。」という内容に沿って出し物を決めます。また、幼児になると、「音楽に親しみ、歌を歌ったり、簡単なリズム楽器を使ったりする楽しさを味わう。」ということで、合唱と楽器演奏があります。これらは、表現領域のねらいには、普段の「生活の中で」ということが書かれてありますので、3,4,5歳児が合同で行います。普段の生活は3,4,5歳児が一緒の空間で生活しているからで、その生活の中の楽器ゾーンでの活動を披露するのが合奏で、3,4,5歳児が一緒にお集まりの時に歌っていることを披露するのが合唱だからです。

 まず、合奏ですが、3,4,5歳児の部屋には「楽器ゾーン」があります。普段は、そのゾーンは、楽器だけでなく、人形劇をやったり、コンサートをやったりと表現ゾーンですが、おたのしみ会が近づいてくると、様々な楽器が置かれ、楽器ソーンが充実してきます。それと同時に、いつもは人気のある製作ゾーンから、素材が少なくなっていきます。子どもたちは、あまり素材が多くない製作ゾーンよりも、あまり目にしない楽器がたくさん置かれている楽器ゾーンの人気が高まっていきます。そして、楽譜が何枚も置かれ、子どもたちの中には、好きな曲の楽譜を取り出してメロディオンを引き始める子がいます。そして、それに合わせて、タンバリン、スズ、トライアングル、大太鼓、小太鼓、シンバルなどを鳴らして楽しそうに演奏します。たまに、保育者も子どもたちの中に入って伴奏を弾いてあげます。そんな日々の生活の中で、次第に子どもたちが選ぶ曲が限定されてきます。それに合わせて、徐々においてある楽譜を減らしていき、最後に2曲になります。

 基本的に、この時の2曲が「おたのしみ会」の合奏の曲になり、当日は、どちらの曲を演奏するか子どもたちが選びます。また、よく鳴らしてして遊んでいる楽器が、「おたのしみ会」当日の演奏する楽器になります。年長だからメロディオン、年少だからスズというように決めることはしないで、あくまでも自分が楽しめる楽器を選んでもらいます。そして、その演奏の仕方も、例えば、一拍おいて叩くとか、叩いたり振ったり演奏の仕方を決めることはしないで、あくまでも子どもたちがそのリズムを聞いて、自分なりに演奏します。しかし、自分で選んだ楽器は、練習が必要な時もあります。それは、大太鼓と小太鼓です。この2種類の楽器は目立つため、人気がありますが、練習しているうちに、次第に、ただ目立つからというだけで選ぶ子はほかの楽器に移っていきます。楽しくないからです。

 そんな日々を過ごしていき、本番の土曜日の1週間前の水曜日に1回目の予行連数をします。そのときに、初めてと言ってよいのですが、全体で合わせてみます。まだまだバラバラですが、好きで演奏しているので、それからの1週間で驚くほど素晴らしい演奏になっていきます。