文化的行事

 小学校での秋の行事と言えば、「学芸会」「展覧会」「合唱祭」があります。その呼び方は学校によって若干違っていますが、それにならって、保育園、幼稚園でもこのような行事が行われています。この行事の位置づけを、その呼び名から考えてみたいと思います。

これらの行事は小学校学習指導要領な中の運動会同様「特別活動」として位置付けられています。現在の学習指導要領は平成20年に改訂されたものであり、特別活動の項目においても改善されています。それは、「望ましい集団活動や体験的な活動を通して、豊かな学校生活を築くとともに、公共の精神を養い、社会性の育成を図るという特別活動の特質を踏まえ、特によりよい人間関係を築く力、社会に参画する態度や自治的能力の育成を重視する。また、道徳的実践の指導の充実を図る観点から目標や内容を見直す。」とされました。

 内容として、「子どもの自主的、自発的な活動を一層重視するとともに、子どもの実態に適切に対応するため、発達や学年の段階や課題に即した内容を示すなどして、重点的な指導ができるようにする。」とありますが、それは、最近の子どもたちは、「自分に自信がもてず、人間関係に不安を感じていたり、好ましい人間関係を築けず社会性の育成が不十分であったりする状況が見られたりする」からとし、そのために、「体験活動や生活を改善する話合い活動、多様な異年齢の子どもたちからなる集団による活動を一層重視する。」としています。

小学校においても、かなり異年齢児活動が重視されてきているのです。それは、特別活動の中の児童会活動についても、こう明記されています。「よりよい学校生活を主体的に築くための話合い活動や集団への寄与など、異年齢の子どもたちからなる集団による自治的能力の育成を重視する観点から、具体的な内容を示す。」とあります。また、クラブ活動についても、「個性を伸長し、異年齢の子どもたちからなる集団による共通の興味・関心を追求する活動を通して、楽しい学校生活やよりよい人間関係を築く力の育成の充実を図る観点から、具体的な内容を示す。」とあり、様々な部分で、異年齢という言葉を見ることができます。

さらに、改訂の要点の中で、「学校行事の改善」があり、「学芸的行事」を「文化的行事」と改め、「文化や芸術に親しむ活動」を加えています。「学芸」とは、「学問」の「学」と「芸術」の「芸」を合わせたものです。それを披露してきたのが「学芸会」としたら、新しい学習指導要領では、「文芸会」となるべきかもしれません。では、「文化的」とは、どう規定されているのでしょうか。「文化的行事」のねらいと内容は、「平素の学習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めたり、文化や芸術に親しんだりするような活動を行うこと。」とあります。解説書には、文化的行事のねらいが、こう書かれてあります。「児童が学校生活を楽しく豊かなものにするため、互いに努力を認めながら協力して、美しいもの、よりよいものをつくり出し、互いに発表し合うことにより、自他のよさを見付け合う喜びを感得するとともに、自己の成長を振り返り、自己を伸ばそうとする意欲をもてるようにする。また、文化や芸術に親しみ、美しいものや優れたものに触れることによって豊かな情操を育てる。」とあります。

そして、文化的行事には、 児童が発表し合い、互いに鑑賞する行事として、学芸会、学習発表会、作品展示会、音楽会、読書感想発表会、クラブ発表会などがあり、児童の手によらない作品や催し物を鑑賞する行事として、音楽鑑賞会、演劇鑑賞会、地域の伝統文化等の鑑賞会などが考えられると書かれています。

この内容に沿って、各学校では、文化的行事を計画するのです。