安心・安全

以前、ブログでも紹介しましたが、「発想の来た道」というプログラムがANA機内上映されています。11月は、「Wのキセキ?創造の先に?セコム工業×はたけなか製麺」でした。「はたけなか製麺」は、明治23年創業で、宮城県白石市で「白石温麺」の製造に徹してきた会社で、手延時代からだんだん機械化されてきた中、昭和58年には75年振りに手延べの製造を復活させ、足踏み手延ばしの伝承の風味を再現しました。その後も、様々な温麺を創り出しています。
温麺は、よくいただくのですが、うどんとは違って、素麺の一種です。宮城県白石市で生産される特産品で、白石温麺とも呼ばれ、「うーめん」あるいは「ううめん」と仮名で表記されることもあります。音から、雲麺と書いたこともありました。この麺には、こんな言い伝えがあります。江戸時代の初め、白石城下に大畑屋鈴木浅右衛門(のちに鈴木味右ェ門)という人がいました。彼の味右ェ門の父は胃を病んで床に伏し何日も絶食しなければなりませんでした。味右ェ門は大変心配し、何か良い食餌療法はないかと八方手を尽くしていたところ、旅の僧から油を一切使わない麺の製法を教わりました。さっそく、それを造り温めて父にすすめたところ、父は快方に向かい、やがて全快したということです。この麺は、昨日紹介した氷見うどん同様、油を使わずに小麦粉を塩水でこねて造るため、舌ざわりがよく消化もよく胃にやさしいため回復を早めたと言われています。この親孝行の話が時の殿様に伝わり献上したところ、みちのくの人の温かい思いやりを賞で「温麺」と名付けられたということです。

 一方、「セコム」と言えば、セキュリティの会社として知られています。それは、言い換えると、社会に「安全・安心」を提供しているということです。ということで、食の分野での「安全・安心」の追求しようということで、2001年にセコム工業株式会社は、セコムハイプラント(株)を設立しました。「食の安全」とは、無農薬栽培はもちろんのこと、周年安定した供給をすることです。では、どんな食材を提供しようかと悩みました。それは、この会社の本社は白石市にあるのですが、ここで、無農薬栽培をすすめると、地元の農家を圧迫することになります。セコムハイプラントの事業コンセプトである「計画生産できる品種」について様々な野菜を実験栽培しながら、地元とも共生していける栽培として、ハーブを選定しました。

 その理由として、「ハーブは播種から出荷まで約1カ月周期で生産することができ、水耕栽培に適している」「地元の農産物と競合をしない」「当時イタリアンブームでハーブの需要が増えていた。」などからです。次に、地元の産業を圧迫しないだけでなく、東日本大震災からの復興を目指し、白石市にある地元食品メーカーを支援しようということで、それらメーカー4社と連携して名産品を開発していきます。その一つが、はたけなか製麺株式会社と共同で、セコムハイプラントで栽培している生ハーブからエキスを抽出した原料を使った「白石うーめん」の乾麺製造を手がけたのです。

 そのほかにも、菓子製造の有限会社仙加苑がセコムハイプラントで製造されるミントを使ったゼリーや餅を開発したり、漬物製造を手がける蔵王ピクルス株式会社はイタリアンパセリを使った漬物を開発したり、かまぼこメーカーとはバジルなどを練りこんだ新製品を開発したりしています。そして、開発された商品を、各社の既存の販売ルートのほか、セコムが厳選した食品を通信販売する「セコムの食」での取り扱いも始めました。

地元企業と競争することから、協力していくことで、震災復興を図ろうとしています。