直観的

 昔のテレビや映画で、妊婦が急に陣痛が起きておなかを押さえて苦しがっているのを見て、下駄も履かずに外に飛び出して、お産婆さんを呼んでくるという場面がよくありました。そのお産婆さんを、おんぶして連れてきたり、リアカーに乗せてきたりした場面もよくあります。それは、慌てふためいていることを表しているのと、お産婆さんが高齢で早く走れないということを表しています。

 私のスマホにダウンロードされているアプリの中に「全国タクシー配車」というものがあります。この全国タクシー配車アプリの説明には、「スマートフォンならではの直感的な操作とGPS機能で全国の提携タクシー会社のタクシー約1万5千台の中から、お客様のご乗車場所近くを走行中の車両を簡単操作で呼ぶことのできるアプリケーションです。」と書かれてあります。この説明でおもしろいのは、「スマートフォンならではの直感的な操作」ということがあります。この「直観的」という感覚は何でしょうか。何であるかと考えること自体、もう直感ではないということなのでしょうか。年をとると、操作を直感ではしなくなります。もしかしたら、それは年のせいではなく、私の性格かもしれませんが、私は、パソコンやカメラ、携帯電話など新しい機械ものを買うと、まず、その説明書を読むのが楽しみです。そして、その説明書に従って、いろいろな操作をしてみます。
それが、最近、パソコンにも、携帯電話にも説明書がついていません。薄い冊子で注意書きがある程度ものが多くなりました。スマホを買ったときでもそうです。ですから、まず、電話が鳴ってもどうやって受信してよいかわかりません。アプリを探そうとしても、どこから探してよいか、メールを出そうと思ってもどう文字入力をしてよいかわかりません。若い人はどうしているか聞いてみると、使っている誰かに聞くと言っていました。そして、あとはいろいろといじってみるということです。それが、直観的な操作なのでしょう。

このアプリは娘から教わったのですが、先日使ってみました。まず、このメニューの中の「今すぐ呼ぶ」を押すと、今いる場所をGPSで探し、また、近くにいるタクシー会社のタクシーを探し、およその到着時間を知らせてくれて、そこに来てくれます。もし、少し違う場所であれば、タクシーを呼びたい場所を地図上で指定して注文できます。もし、予約をしたければ、次の日まで時間と呼びたい場所を指定すれば来てくれますし、行き先を入れておけば、黙ってそこに連れて行ってくれます。「わずか数タップでタクシーがあなたのもとに。」というキャッチフレーズです。提携タクシー会社は、全国なので、日本中どこでも呼ぶことができます。このアプリのダウンロードや登録や通話料は無料ですが、迎車料金が400円かかります。

このアプリを企画したのは日本交通株式会社のようですが、そのサービスに、「陣痛タクシー」というものがあります。このサービスでは、迎えに来てほしい場所、かかりつけの病院、修さん予定日などを事前に登録しておけば、簡単にタクシーを呼ぶことができます。ただし、陣痛が起きてから呼ぶというものですので、20分以上先の時間指定では別途400円かかります。他にも、「キッズタクシー」は、子どもの顔なじみの運転手さんが、子どもの塾や習い事、新生児の退院、検診、ターミナル駅や空港への送迎をしてくれます。「ケアタクシー」は、ホームヘルパー2級、普通救命技能認定などのスキルを持った乗務員が、高齢者や体が不自由な人の外出を手伝ってくれます。

ただ、タクシーが駅や飲み屋街で並んでいたり、流して客を探したりする時代から、「直観的」な操作で利用できるような時代になってきたようです。