ドイツ報告2012-20

 色によって部屋を分けたドイツの園の紹介は、最後の色になります。それは、「緑」です。緑と言えば、自然界を思い出します。部屋の入口に取りつけられた案内の箱には、自然物が配置されています。この部屋の中は、観察ゾーンのような部屋です。
子どもたちは、いろいろなことを図鑑で調べます。特に、調べる対象は、自然界にあるものが多いようです。花、木、動物、魚、虫、天体などが定番です。この緑の部屋に入って、まず目に付くのが、しきりとして作られている蜘蛛の巣です。その向こうには、図鑑が棚の上に並べられ、それをゆったりと読むことができるソファが置かれてあります。壁には、自然物を手触りで感じる装飾が飾られています。
 また、その場その手前には、段ボールで作った「ハリネズミの家」が置いてあります。今年の8月14日のAFPでは、「ドイツ中部ハノーバー郊外で12日、路上を歩くハリネズミの姿が見られた。ハリネズミは身を守る針毛を持つことで知られるが、その数は約5000本もある。」というニュースが流れてきました。今回、バスに乗って郊外の道を移動するときに、通訳の方がよくハリネズミが出てきますと言っていました。また、小学校の授業参観では、私たちと違うグループは、はく製になったハリネズミを教材にしたそうです。私は、どのようにハリネズミを授業に使ったかはわかりませんが、私たちのメンバーが針に触ったら、かなり痛かったそうです。というように、ドイツでは、ハリネズミはずいぶんと身近な生き物のようです。以前、私もドイツでハリネズミの置物を買ってきました。図鑑だけでなく、実際に飼っている体験をするような造形物を部屋に置くのは、やはりスペースに余裕があるからでしょうか。これくらいの大きさですと、子どもたちは、ハリネズミを飼う体験だけでなく、自分も巣に潜り込んで、ハリネズミになったつもりになる体験もできそうです。
 この部屋で参考にしたいのが、図書コーナーの工夫です。まず、図書が並べてある近くには、一人でゆったりと座って本を読むことができる椅子が置いてあります。この大きさですと、もしかしたら数人が座れるかもしれません。その反対側には、癒しコーナーとしてのソファが置いてあります。机の前にきちんと椅子に座って本を読むというイメージはないようです。本は、寝転がりながら、ソファに深く座って読むもののようです。また、その横には、いろいろな小さな四角い写真がたくさん貼ってあります。これは、本の表紙の写真です。子どもたちは、図書コーナーから、自分の読みたい本を探したら、その本の表紙の写真を見つけ、その写真を読むために持っていきたい部屋の色の場所に貼り付けてから持っていきます。ですから、どの本を何色の部屋に持って行っているのかがわかるようになっているのです。
 この部屋にも、下から光を照らす台が置いてあります。自然物を台の上において、そこに光を通して遊んだりするのでしょう。棚には、いろいろと自然を体験するものが並べてあります。ここには、熱帯魚の水槽も置かれてあります。そのほかにも、手を箱に差し入れて中のものを手触りで当てるもの、鉱物や実験用具、どれも0歳から3歳児までの園であることを忘れそうなものが置いてあります。